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2007年03月31日

「学校週5日制」が問題なの?

「ゆとり教育」の見直しがさけばれる昨今ですが、その「ゆとり教育」の代名詞のような「学校週5日制」に関する記事を見つけたので紹介します。

朝日新聞『府立高の土曜授業「週5日制に反する」 教委が改善指摘』より

学校行事の「公開授業」を土曜日に組み入れ、ほぼ隔週で実施していた大阪府立高校5校が、「学校週5日制の趣旨に反していると疑われる」との指摘を府教委から受け、4月から公開授業を3分の1程度に減らすことになった。

一見「ゆとり教育を守りたい教育委員会」VS「学力低下を何とかしたい学校」という図式ですが、その背景にはそれぞれの思惑がひしめいているようです。

「学校週5日制」の背後には「教師週休2日」。一方、「公開授業」の背後には「私立との生徒獲得競争」という事情がありそうです。

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学校教育法施行規則の改正で、完全週5日制に移行した02年度から土日は休業日となり、正規の授業は組めなくなった。ところが、授業時間が減ったのに、大学入試のレベルは変わらない。このため、どこかで補わざるを得ず、府立高の7割近い約100校が土曜に補習をしている。

 ただ、補習では希望者しか集まらず、学習の進み具合にばらつきも出る。大学進学を重視する高校では平日の授業時間を増やしたが、放課後の部活動の時間が圧迫される弊害もあり、平日の一部の授業を土曜に振り替えられるよう求める意見が多かった。そこで、府教委は学校行事としての公開授業とすることを条件に、今年度から事前に届け出る形で土曜の授業を認めることにした。

 これを受け、北野、茨木、寝屋川、泉陽、三国丘の5校が昨年4月から土曜の公開授業をスタートさせた。だが、年間15~16回にのぼるうえ、「公開」と言っても見学者がゼロという日も少なくないことから、府教委は昨年末、「通常授業と変わらないとの誤解を与えかねない」として各校に口頭で改善を求めた。

るいネットの投稿『「完全学校週5日制」の発端は、教員の勤務問題にあった』によれば、「ゆとり教育」=「学校週5日制」というイメージがありますが、実は「学校週5日制」の背景には、教師側の「週休2日」の実現という要望があったようです。(「教師週休2日」とは言い換えれば「学校週5日制」ですね)

子供たちの学力低下が社会的な問題になっていても、いまだ教育委員会は「学校週5日制」(=「週休2日」)や自分たちの権威を守ろうとしているのでしょうか。

一方、「公開授業」を実施したい学校側も、単に子供たちの学力低下の改善だけが理由といえないようです。

 改善を求められた府立高の管理職は今も不満顔だ。「週5日制に縛られない私学は土曜の授業を売り物にしている。これでは競争にならない」

子供の数が減っている現状、「私立との生徒獲得競争」のため「公開授業」を実施したい、という学校側の思惑が強く働いているようです。

 いずれにしても、教育委員会、学校とも結局は自分たちの都合ばかりで、子供たちは蚊帳の外、なのが現状のようです。目先の「学校週5日制」をどうするか?を言い争う前に、まず『これからの教育をどうする?』という本質的な追求が必要ではないでしょうか。(@さいこう)

投稿者 sachiare : 2007年03月31日 List   

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コメント

友人の息子はゆとり教育のせいか勉強に興味なし。何となーく毎日過ごしている。今年は受験だったのに、の~んびりすごして私立の高校に入った。

友人曰く、「昔は大阪の公立よかったけど今は私立じゃないとダメ!、だって授業数少なくって公立面倒見が悪いもん。その点私立なら、学校行っていれば塾に行かせる必要もないし。これ、並レベルの学力の子供の親の常識よ!」ということらしい。

学校って評価が全てのだと思ってたけど、先生の都合が評価以上なんて状態では、公立のレベルは下がってゆくのでしょうね~。

投稿者 shijimi : 2007年3月31日 19:42

>いずれにしても、教育委員会、学校とも結局は自分たちの都合ばかりで、子供たちは蚊帳の外、なのが現状のようです。目先の「学校週5日制」をどうするか?を言い争う前に、まず『これからの教育をどうする?』という本質的な追求が必要ではないでしょうか。(@さいこう)

sachiareさん。私も、本当に問題なの?と問いたいですね。

教育って一体、なんだろうと・・・

学力だけが教育なんだと思っている教育関係者に教育問題を考えさせること事態、すでに狂っているとしかいいようがありません。

学力を習得する活力・能力そのものが衰弱しているのだから、5日にしようが、6日にしようが、関係ありませんし、この本質問題を追求すれば、当然、学校ってなに?という己の立場を考えることになり、そこには触れたくないのでしょう。

だって、そこで彼らは飯を食ってるんだから・・・

私学との生き残り競争であればあるほど、求められるのは、私学というしがらみを越えた公立学校の必要性です。

私学はまあくまでも、進学率を前提に生き残りを掛けています。確かに、現実はそうですね。しかし、それは、いい大学→いい会社→いい結婚→いい生活という私権原理上での判断しかもちえません。

しかし、これから、求められるのは、人々の期待に応えて答えや方針の出せる人材です。全体的な判断をもち、人々の意識に同化して共感を与え、充足させる能力を持つ人材です。残存する私権原理上での学力の獲得も、この能力が持ちえれば、クリアできる可能性が高く、もし、クリアできなくてその学校の進学率は悪かろうが、人々はそこに収束していくことになるだろうと思います。

目先の進学率のよさは、学習塾でも公立・私立学校でも同じですが、それをも包摂して突破するところに、新しい教育の姿があるのだと思っています。

投稿者 kon : 2007年3月31日 23:35

「教師の週休2日」
なんのことやらコンコンチキって言いたくなるのは私だけでしょうか?
夏休み、冬休み、春休みに加えて週休二日?
植木等の平均(たいらひとし)じゃあるまいし。

「学校の使命」なんてものも必要かもしれませんね

投稿者 垂心 : 2007年4月2日 13:11

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