これからの充足のカタチ(4)~人類の本質は共有による充足 |
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2013年01月24日
これからの充足のカタチ(5)~大家族の再生:幼老統合ケア「ひかりの里」~
( おばあちゃんたちと、あさのたいそう )
「人類の本質は所有することにあるのか、共有することにあるのか」という問いに対して、前回の『これからの充足のカタチ(4)』で、人類の本質は共有による充足であることが解りました。
子どもが「はんぶんこ 」といってお菓子を相手に分け与えるのも、誰かと物を共有したり、おいしさを共感したりすることで、共認充足を得たいということが意識の中心にあるからです。
核家族化が進み、一人っ子が増え、個室が与えられ、モノは個人個人が所有し、家族とでさえ共有することが少なくなった現代ですが、心底では、共認充足を得られる相手を子どもから高齢者まで、誰もが求めているはずです。
そこで今回は、高齢者福祉施設と児童福祉施設を一体で運営することによって、高齢者と乳幼児の双方にとって、これまでの家庭にはなかった充足のカタチを作り出している事例を紹介します。
その前に
いつもありがとうございます
高齢者の役割について、面白い新聞記事を見つけました。
長くなりますが、引用します。男の子二人がホットプレートをにらんでいる。太陽君、生真君の1年生コンビだ。「せーのーでっ」。息を合わせてホットケーキをひっくり返す。きれいな円形ではないけれど、おやつ作りの指導役トメコさん(85)の目は優しい。
「あ、上手。よー焼けた」
トメコさんは徘徊などの症状がある要介護のお年寄りだ。テーブルの反対側では、1年生の亜里沙ちゃんと璃々ちゃんが算数の宿題プリントを広げている。
三重県桑名市の認知症高齢者グループホーム「ひかりの里」。一緒にいるのは放課後児童クラブ「パンの木」の小学生だ。両者を仕切るのは小さなスタッフ室だけ。行き来は自由に出来る。
遅れて帰ってきた2年生の女子二人が騒ぎ始めると、行儀に煩いサヨコさん(85)のカミナリが落ちた。「やかましい! 」。二人は黙り込み、手をつないで児童保育室に戻った。「スタッフが注意して聞かない子も、お年寄りが本気でしかると素直です」(職員)
中庭には、入居者の衣類や布団が風にそよいでいる。
学童保育とグループホームが合体したのは01年。「宿題をせず、いじめをする子供への対応に、お年寄りの力を借りようかと思ったんです」と、運営する社会福祉法人理事長の多湖光宗医師(50)。
1、2年生は「ひかりの里」で宿題をする。他にも食事作り、伝統遊びなど交流の仕掛けがある。
少子・高齢化で注目される「幼老統合ケア」の取り組みだ。
「やってみて、認知症の人の教育力にも驚きましたが、子どもが心の奥に持っている優しさも新しい発見でした」と多湖さん。算数の答えをお年寄りが間違って教えたとき、その場で言わず、後でそっと書き直す子。廊下でブロック遊びをしながらお年寄りが外を徘徊しないように見守る子……。
認知症という病気のことを知っているか、何人かの子どもに聞いてみたが、みんな首を横に振る。
教えていない。認知症である前に一人の人間。子どもたちは自然に老いの現実と出会う。
「しかれらたこと?100回くらいある!」「怒られてばかりだよ」。いたずら盛りの世代。反発を隠さない子もいる。一方で、ほめられたり励まされたり。そんな記憶が、どの子にもある。
「百人一首でサヨコさんが1位で私が2位。『とるのが速いね』ってほめられた」(4年生の未来さん)。「ボタンのぬい方をサクさんが教えてくれた。日記にも書いた」(3年生の麻琳さん)
「本読み」の宿題を聞いてもらった子もいた。「2年生のとき、教科書の『ふきのとう』っていう話をサヨコさんに聞いてもらった。『上手だね』って言ってくれた」(4年生の彩さん)
かつての村社会では、このような老人と子ども達の交流は当たり前のように存在していました。それが互いの活力となり、全体として機能していたのでしょう。
記事中「認知症について子どもたちは知らない」という部分が印象的です。
私達大人は、認知症なのだから特別なケアが必要だ、と思い込んでいます。
一方、子どもたちにはそんなもの関係ありません。
人として自然と湧いてくる「思いやり」。ただそれだけで十分につながれるのです。
今回紹介した幼老統合ケアは、人類の本質である”共認充足”を引き出す仕組みとして、うまく機能しています。
ひかりの里のご案内ファイルをダウンロード
次回は、高齢者と乳幼児のみならず、地域住民みんなにとって”共認充足の場”となっている「ばあちゃんち」を紹介します。
お楽しみに 😀
投稿者 watami : 2013年01月24日 TweetList
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