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2022年06月10日
【肌感覚を磨こう】生まれて最初に世界を捉える感覚機能。触覚は生きる土台になっている。
五感の中でも最も原始的で、体の中でも最大の面積(全身)を持ち外界を捉える触覚。
感覚機能は触覚→聴覚→視覚→味覚→臭覚の順に発達していきますが、触覚はお母さんのお腹の中に居る時から既に発達し、生まれて最初に世界を捉える感覚機能です。
生物として環境に適応していく感覚機能の中でも最基底の土台になっている触覚。改めて皮膚感覚のすごさを整理してみます。
・危険を察知し防衛する
熱いやかんに触れてしまえば手を瞬時に離すことができる。腕に虫が止まると、サッと払いのける。このように皮膚を通して危険を感じたときには防衛本能を作動させる。
・皮膚は見ている、聞いている
皮膚には目や耳に似た視覚や聴覚に応答する仕組みがあるらしいことが分かってきている。例えば、光の波長を見分け皮膚に当たる光の色でバリア機能に違いが生じたり、ガムラン音楽の奏者がトランス状態になるのも耳には聞こえない高周波数の音を肌で受信しているからだとか。
・空間把握
皮膚は自分の身体と外界との境界。私たちが自分の身体の輪郭を認識しているのも触覚。
これらが自分の身体の大きさや長さなどを把握する基になっていきます。
・情緒の安定
お母さんに抱っこされたときの肌と肌のふれあいや、毛布でくるまれたときの心地よさが情緒を安定させる。
スキンシップによる安心感は誰もが経験していますよね。
・気持ちにも影響を与える
ある実験の結果では、固い椅子に座った人は、柔らかな椅子に座った人よりも、気持ちも固くなり、変化を好まなくなる傾向が生じたり、ザラザラなものに触れたときと、つるつるのものに触れたときでは、その後にあいまいな文章を読んでもらうと、前者は敵対的、後者は友好的と感じる割合が増えるなど。
・皮膚は考えている
脳や神経が様々な情報を処理過程で重要な役割を果たしている受容体が、表皮を構成する「ケラチノサイト」という細胞にも存在していて、皮膚も外部から情報がもたらされた場合それをもとに情報処理を行い全身に生きるために必要な指示を出している。
くらし中心 no.17「皮膚にびっくり」 (muji.net)
1人ひとりの「感覚の特性」を考えよう!よく聞く感覚統合ってなに?【LITALICO発達ナビ】 (h-navi.jp)
を参考にさせて頂きました。
日常生活ではあまり意識をしませんが、皮膚感覚=触覚は、無意識レベルでも多様な情報をキャッチし、他の感覚機能では受信できない領域までをカバーしながら、環境に適応するために体心頭をコントロールする役割を担っているのです。そう考えると、肌感覚を磨くことってすごく重要!
昔から、子供は外で遊ぶのが仕事と言われますが、自然環境の中で、仲間の中でこの肌感覚を磨くことが健全に育つ条件だと先人は当たり前に知っていたのでしょう。
また「疲」れるという漢字は、「疒(やまいだれ」に皮膚と書きます。皮膚感覚が狂ってくると身体的にも精神的にもまさに疲れた状態。手かざしや触れ合うことで治癒していたのも頷けます。
触覚は感覚機能の中でも最基底の土台をなしていたことを昔の人は肌感覚で分かっていたのかもしれません。
次回は、触覚と並び感覚機能の土台をなす「2つの機能」についても触れていきたいと思います。
投稿者 tana-ken : 2022年06月10日 TweetList
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