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2022年03月25日

これからの集団のあり方は?~世代を重ね、いつまでも活力を生み出し続ける集団に必要なものは?~

前回までは、仕事場と家庭など複数の集団での波長を合わせることで、互いの場でも活力や充足に満ちた生き方が広がっていく可能性を見てきましたが今回は仕事場面。特に世代間の枠を超えて波長を合わせていくことでの可能性について。

多くの方はサラリーマンとして企業という集団に属し、その中で役割を担い、年を重ねていくものですが、企業人につきものなのは定年制度。本人の活力や、周りからの期待とは別に、ある年齢に達したら集団から退いていくのが一般的。でもそれって皆が望んでいる生き方?集団のあり方なのでしょうか?
※定年制度は昭和初期に制度化されたようで当時は55歳。2013年に65歳までの継続雇用が義務化。平均寿命の伸びもありますが、この様な制度は歴史的にも100年ちょっとのことなのですね。

年齢や制度の枠で半ば強制的に集団から退いていくのではなく、世代を重ねながらも集団の中で役割を持ち、仲間や社会に貢献し活力を持続できる。そんな集団のあり方について考えてみたいと思います。

どんな職場でもあることだと思いますが、年齢を重ねていくことは経験値を積み戦力度が上昇するという面もあれば、逆に固定観念が社会や意識の変化とズレを生み、チームプレイの中では戦力度を下げてしまう場面も登場しがちです。そしてどちらであろうと多くの方は、ある年齢に達するとお役御免・・・。

私の職場での事例ですが、今まで部門を引っ張ってきた50代の先輩と、これから部門を引っ張っていくことが期待されている30代の後輩の関係性の中で生じた意識や状況の捉え方が、集団づくりのヒントになりそうなのでご紹介します。。

この状況をよくある序列の世代交代と捉えると、上に居たものは貢献度が下がってしまった不安や、立場が維持できない自我が刺激され、下に居るものは上の衰えた部分のみに焦点を当て否定視や無能視を持ちながら立場を奪っていくという感覚に陥り、だいたい関係性は複雑になって活力ダウンとなりがち。サラリーマン界隈ではよく見聞きする話です。

しかし当の本人たちは全然そういった意識ではなく、むしろ、今までよりも一体で組織を創っていく関係性が強まったという。
後輩は先輩が今までやってきた役割を更に高度化しながら引き継ぎ発展させていく。そして先輩はより新しい未知の課題への挑戦や、後輩達が高度化していくための基盤づくりや支援を担っていく。お互いが活力上昇のスパイラルを創る関係になっている。
つまり、彼らは序列的な世代交代ではなく、集団を発展させるための一体的な「変異」と捉えている点。

この状況の捉え方や関係性は、年齢や制度の枠で生き方や働き方を制限される次元から解放され、誰もが活力を維持し集団づくりに参加していく点でヒントになるのではないでしょうか?

当然いくつかの条件はありますが、ポイントを上げてみると・・

  1. 世代差関係なく、集団や社会に貢献したいという欠乏を喚起し続ける視野の広さと充足性
  2. 経験値を絶対視せず、世の中の変化に対し柔軟で素直に物事の捉え方を塗り替えていく応望性
  3. 組織の中で育てられてきたことへの感謝や、自ら生きる場を自らつくるという主体性
  4. 自らの立場や評価に拘る(=保身)のでなく、常に相手の立場、組織の視点で思考できる肯定性
  5. 周囲の仲間や社会の期待に向き合っていれば、年を重ねても皆の期待の中に入れるという信頼関係

これらの意識が日々の人間関係の中で養われていれば、仲間が上手くいかなくなった時、世代間の意識の変化に戸惑っているとき、そんな時でも、できないこと・上手くいかないことだけに焦点を当てるのではなく、どうしたら状況を共有でき、本来の力を発揮できるのか?と役割や評価も柔軟に皆の中で塗り替えていくことで、仲間や社会の役に立つ充足と活力を維持していけるのではないでしょうか?

世代という枠を超えて、波長を合わせ、一体で変異していく。
そう捉えると、どんな世代にもまだまだ気づいていない役割と活躍の場がたくさんありそうです。

投稿者 tana-ken : 2022年03月25日 List   

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