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2020年11月26日

母親には母親の、父親には父親の役割がある

子育ての大半は母親が担っています。

では、父親と子供とのかかわりってどうなっているのでしょうか?

男性ならではの子供とのかかわりあい方とは?

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「人間力を育てる! 子供の成長に必要な父親の子育てとは?」

http://ilike.style/2318

より引用します。

 

積極的に子育てを楽しみ、自らも成長する男性を指す「イクメン」という言葉は、すっかり浸透しました。厚労省は、男性の育児休暇取得率を2017年度には10%、2020年度には13%に引き上げることを目標としています。

 

子育てにおける母親の重要性はいうまでもありませんが、研究の結果、父親も子供の言語能力や精神的発達に重要な役割を果たしていることが明らかになってきました。そのため、父親が育児に参加する重要性も見直されています。

 

しかし、いざイクメンになろうとしても「子供とどう接したらいいのかわからない」という父親が多いのも現実です。

 

そこで今回の連載では、子供を伸ばす父親の子育てについてお伝えします。

 

〇父親と母親の違いを知ろう

 

◆母親には母親の、父親には父親の役割がある

 

子供にとって母親は「母性」といわれるように、優しさや思いやりを象徴する存在です。また、母親の胎内にいたこともあって「体感的」「感覚的」な関係でもあります。

一方、父親は「父性」といわれるように、強さや厳しさを象徴する存在です。父親は生まれてから初めて接するため「道義的」「信義的」な関係になります。つまり、父親は意識的に関係をつくらなければならないのです。

 

子供は、母親の顔を見ると脈や呼吸が少なくなり、父親の顔を見ると脈や呼吸が増えることがわかっています。

つまり、母親には癒やされることを期待して心が落ち着くのですが、父親には緊張してしまうのです。

そのため、子供はストレスを感じたとき、不快な思いをしたときは母親を頼ります。泣き出した赤ちゃんを父親がいくらあやしても泣きやまないのに、母親があやしたらすぐに泣き止むのは、この心の動きに関係しています。

ところが、近年、この父性が失われつつあります。「威厳のある父親」という存在が古い価値観のように思われ、否定的に捉えられることが増えていることも大きく影響しているようです。威厳とはかけ離れた「イクメン」というライトな言葉からくる父親のイメージも、こうしたことに拍車をかけているのかもしれません。

 

しかし、父性と母性の両方をバランスよく与えられることが、子供にとってはとても大切なのです。どちらか一方だけでは、脳の発達が遅れたり、心の発達のバランスが悪くなったりしてしまいます。近年、こうした原因からきちんと成長できていない子供が増えたことで、少年犯罪やいじめ、引きこもりといった問題の原因になっているのです。

父親の育児参加というと、おむつの交換など身の回りの世話を手伝うことだと勘違いしている方がいますが、それは母親の育児の手伝いに過ぎません。父親には父親の役割があることをまずは理解してください。

 

もちろん、育児の手伝いも重要です。育児で毎日大変な母親への気遣いをすることも、父親の大切な役割なのです。

 

(中略)

 

◆子供に社会を教えるのは父親の役目

3歳ごろから、脳の前頭葉という部分が働きはじめます。前頭葉は人間らしさをつかさどる部分のため、身近なモデルである父親と母親を見本に、子供は成長します。

つまり、モデルとなる母親と父親が、すてきな人間らしい人物であれば、子供もそのように成長するのです。ですので、この時期の親との関わり方は非常に重要になります。

 

まず、幼児期になると、子供の行動範囲は飛躍的に拡大します。と同時に、親は幼児の行動に制限をかけなければなりません。子供の安全のためであることはもちろんですが、自由に行動できるのに制限をかけられるという葛藤によって、子供は他者との共存や問題の解決方法について学習するのです。

子供は遊びを通じて社会について学びますので、父親は一緒に遊んで子供に制限やルールを守るようにさせましょう。遊びを通じて、ルールの遵守、仲間との協力、感情のコントロールを子供に教えるのは、父親の役割です。

子供は遊びの達人です。自由な発想で新しい遊びを思いつきます。遊びのルールも自分で考えますが、自分に有利なルールを勝手に作ったり、途中で変えたり、ルールを破ったりすることも珍しくありません。

そんなときは、それは「ずるいこと」「悪いこと」だときちんと教えましょう。こうすることで、公平性やルールを守ることの大切さを理解し、社会性がしっかり育っていくのです。

 

また、子供と遊ぶとき、父親は得てして子供を軽く投げ飛ばしたり、振り回したりと荒っぽく扱います。母親としては気が気でないと思いますが、安全が確保されたなかでこうした荒っぽい遊びをすることも子供の成長にはとても大事なので、度を越えたものでないかぎり、口を挟まないようにしましょう。

 

いくつかの研究結果から、幼児期に父親と一緒にたくさん遊んだ子供は、言語能力や認識能力が向上し、知能指数が向上することがわかっています。

ただし、遊ぶときにひとつ注意して欲しいことがあります。なんでも父親が主導権をとってしまわずに、子供の主体性も尊重し、自分で考えさせたり、やらせたりすることも忘れないようにしてください。

 

これは、子供が成長してからも同じことがいえます。一緒にスポーツで汗を流したり、釣りを一緒に楽しんだりするなど、父親と一緒に遊んでいる子供の方が、成績もよくなるのです。

 

◆週に3回は夕食を一緒にとろう!

子供が小学校に通い始めたら、父親の役割はさらに重要になります。この時期は知的好奇心や記憶力が飛躍的に高まるのです。

この時期に父親が子供と過ごす時間が長い子供は、父親と過ごした時間が少ない子供に比べて、知能指数がはるかに高くなるということが各種調査で判明しています。

 

「そういわれても、具体的にどんなことをすればいいのかわからない…」といった方も多いと思いますので、ひとつ実例をあげて説明します。

まず、とても大切なのが、夕食を一緒にとるということです。各種調査から、ひとりで夕食をとる機会が少ない子供は、ひとりで食べる機会の多い子供と比べて、学力が高くなることがわかっています。

 

そういわれても、なかなか仕事で早く家に帰れないという方が多いと思います。ですが、たとえば週1日だけでも早く帰宅することはできないでしょうか? たった1日でも帰宅を早め、夕食を一緒にとることで、土日が休みであれば、週3回は夕食を一緒にとることができるようになります。

 

もちろん、ただ一緒に食卓を囲むだけでは意味がありません。子供の学校の話、友達の話などを聞き、父親も仕事の話をしたり、ニュースを話題に世の中のできごとや仕組みについて話したりしましょう。

幼い子供にこうした話を聞かせても仕方がないと思うかもしれませんが、父親のこうした話によって、子供は社会を知り、視野を広げ、職業観を持つことにつながるのです。

 

このとき、できるだけわかりやすい言葉で話すことを心がけましょう。どこまで理解できているかはわかりませんが、父親のこうした話を通じて社会を知った子供は、父親の仕事を尊敬し、自分が将来就きたい職業を具体的に語るようになるのです。

 

また、一緒にお風呂に入ることもおすすめします。夕食には間に合わなくても、お風呂の時間なら帰宅できるという方は多いはずです。お風呂は子供と話しながらスキンシップもとれるので、まさに一石二鳥なのです。

仕事のシフトの関係や単身赴任など、どうしても一緒に夕食がとれない場合、さきほど紹介したテレビ電話をかけましょう。小学校低学年になると、父親が忙しいことはなんとなく理解しているものです。

 

そんな父親が、仕事の合間を縫って電話をかけてきてくれると、子供は「自分のことをちゃんと気にかけてくれているんだ!」と自分への強い愛情を感じるのです。愛情を感じれば、子供の心は充足感、幸福感で満たされます。幼少期のこうした経験が、のちの親子関係にもよい影響を与えるのです。

 

子供はその日にあったことを話したくてうずうずしているもの。そんなとき、父親から電話があっていろいろ話すことができると、心が安定します。逆に子供を顧みずに、仕事一辺倒でろくに話もしない父親だと、子供の心は愛情不足に陥り不安定になってしまうのです。

 

〇子供は“ほめる”のが基本

 

◆子供との会話で気をつけたいこと

子供との会話では、基本的に「ほめる」ことを意識しましょう。子供は親に評価されると喜びを感じ、やる気が生まれます。逆に叱られると萎縮してしまいます。

 

ほめるときは、具体的にほめるとさらに子供の喜びは増します。成績が伸びたら「がんばったね」ではなく、「毎日勉強した成果だね」といった具合に、理由もつけてほめるようにします。

 

そして、気をつけたいのが、「頑張れ」という言葉です。励ましのつもりで使っている方が多いと思いますが、子供は父親に「頑張れ」 といわれるとプレッシャーを感じてしまうのです。同じ理由で「勉強しなさい」「宿題は終わったのか」といった言葉もプレッシャーになるので避けたほうがいいでしょう。

励ますのであれば「思い切りやってこい」「楽しんでこい」といった方が効果的です。宿題が気になるのであれば「今日の宿題はなに?」と会話を切り出し、たとえば漢字の書き取りだったら「もうそんなに漢字を覚えてるんだ。すごいね」というように、やる気を引き出す会話を心がけましょう。

 

また、基本的に子供の能力を信じる姿勢も重要です。特に自分が高学歴で優秀だった方は、自分が子供時代にできたことをできない子供に対して「お父さんはこんなことかんたんにできたぞ」「ダメな子だ」などと言ってしまいがちです。こうした言葉は、子供を深く傷つけますので絶対に使わないようにしてください。

 

子供時代の自分と比較するのと同様に、兄弟姉妹と比較するのも厳禁です。子供は兄弟姉妹と比較されることを大変な屈辱だと感じます。場合によっては、兄弟姉妹の仲が悪くなる原因になってしまいますので、絶対にやめてください。

 

◆子供のイベントとの関わり方

子供のイベントの関わり方も大切です。父親参観や運動会などの学校行事には、会社を休んででも参加しましょう。子供は、父親が仕事で忙しいことは理解しています。そんな父親が自分のために会社を休んで来てくれたということに、子供は自分への大きな愛情を感じるのです。

 

逆に積極的に参加しない方がいいイベントもあります。それは、子供の習い事に関するイベントです。たとえば、サッカー大会やピアノの発表会といったものに、毎回毎回行っていると、逆に煙たがられてしまいます。

子供は親や学校を離れ、新しいコミュニテイーのなかでコーチや指導者のもと、自分で上達しようと努力しているのです。

そこに、毎回父親が現れては台無しというほかありません。

最悪なのは、大声でアドバイスをしたり、コーチや指導者のやり方に口を出したりすることです。子供はそんな父親を恥ずかしく思い、嫌われる原因になってしまいます。

 

ただし、子供が上達せずに悩んでいたり、失敗して落ち込んだりしていたら、優しく慰め、励ましてあげるのも父親の役割です。子供の習い事との関わりはこの程度で十分です。自主性を重んじ、子供のやりたいように自由にやらせることで、いい結果につながるでしょう。

 

(後略)

投稿者 hoiku : 2020年11月26日 List   

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