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2020年04月02日
【小学生】作文の苦手な子が必ず書けるようになる6ステップを小学校教諭の技を伝授
>一番良くないのは、周りの大人が焦って急かすことです。<
小学校のカリキュラム通りに達成できていないとヤバいと思ってしまうのが落とし穴なんですね。〇年生で□□を習うって・・・カリキュラムって一体なんなのでしょう。
https://dylansensei.com/sakubun-jyoutatsu/
より引用します。
今回は、作文が苦手な子がすらすら書けるようになるまでの6つのステップについて書いてみました。
これまで10年間ほど小学校教師として勤めてきた中で、特に国語の研究を熱心にしてきました。
全ての子が作文をすらすら書けるようになるために、あらゆる書籍を読み、研修会にも参加してきました。
その結果、私が指導してきた学級では、4月当初は全く鉛筆が動かなかった子が、作文用紙6枚に物語文を書けるようになりました。
また、学年で新聞社に投書を応募したところ、ディラン学級の児童が立て続けに入選されたこともありました。
経験と研究の成果があり、毎年、文章を書くことが得意な子を育てることができるようになりました。
その教育活動の中で、特に効果があった6つの指導法をまとめました。
ぜひ最後まで読んでいただき、ご家庭での指導の参考にしていただけたらと思います!
①作文の概念を捨てる
【これまでのルールを捨てる】
作文を書く際の決まり事を全て捨てて、無しにしてください。
たとえ漢字が使えていなかったり、句読点がまちがっていたりしても、オールオッケーにしてください。
とにかく書けていれば良し。書こうとしていればその姿を認めて喜んでください。
作文や文章を書くのが苦手だと感じて鉛筆が止まってしまう子は、元々生まれもって書くことや表現することが嫌いだったわけではなく、成長してくる過程で、苦手意識を埋め込まれたり、書き方を学んでもいないのに求められた経験が影響している可能性があります。
子どもの大半は表現好きで、おしゃべり好きです。
昨日の出来事や流行のキャラクターについて話し合いをさせれば、取り留めなく話し続けます。
思っていることを話すことはできるのに、書くことになるとできなくなるのはなぜか。
それは、間違ったらいけない。やり方が分からない。
のに、できることを求められるからです。
痛みを感じることは、本能的に避けようとします。
もし、文章の書き方が分かって、思うように書けるようになったら、子どもは自分から積極的に作文を書き出すようになります。
そうなるためには、これまで子どもを動けなくさせてきた、作文の窮屈さ、つまらなさ、堅苦しさを取っ払う必要があります。
一番ダメなのは、書いてる横で、漢字を使っていない!とか、「お」「を」の使い方が間違ってる!とか、段落を変える!!とか、子どものやる気を削ぐサポートをすることです。
作文が苦手な子は段階を追って、書くことの楽しさに気づかせてあげる必要があります。
すぐには変化しないかもしれませんが、長い目で信じて見守れば、必ず書けるようになります。
②簡単な内容をたくさん書く
【簡単な文で書くことに慣れる】
簡単な内容の文を毎日書いて、習慣化し慣れることが、痛みを感じなくさせる近道です。
はじめは、一行日記のようなものでも良いです。
・今日は公園でサッカーした
・小遣いでおかしをいっぱいかった など。
おうちでお子様を相手に交換日記をするのであれば、感想を書いてあげたり、書いてくれたことに対しての質問を投げかけても良いですね。
答えが返ってくるかもしれないし、スルーされるかもしれないし、短く途切れてしまうかもしれないですが、何かしらのリアクションは書き手のやる気を引き出します。
リアクションがそっけなくても、案外コメントを待っているものです。
コメントのコツとしては、書いていることに共感し、否定はしないことです。
共感した後で、お母さんがどう思うかを書きます。
『〇〇なんだね~。そっかー。お母さんは▢▢と思うなぁ。▢▢についてどう思う??』
のようなやり取りはやる気を引き出します。
否定や説教が入ってしまったらそこでジ・ エンドですので気をつけてくださいね。
短い文を書く期間に特に決まりはなく、お子様の実態に合わせてあげるのが一番だと思います。
なにより、文を書くことが楽しいなと思えるようになることが大事ですから、1週間やってみて、手応えがなかったり、マンネリしてきたりしたら、次のステップに進んでも良いかと思います。
ノルマにしても効果がないことはないですが、無理強いしても伸び率は低くなるように思います。
逆に、気に入って交換日記を続けたい様子であれば、数か月でも続けられたらよいかと思います。
会話ではできない親子のコミュニケーションが取れれば、思わぬ副産物になります。
③子どもの好きなキャラクターを主役に書く
【主語はキャラクター】
ここから、少し現実の世界を離れて、物語を書くことにチャレンジしていきます。
例えば、子どもがピカチュウが好きであれば、ピカチュウ物語を自由に書かせます。
子どもには大人が思っている以上に、自由で豊かな発想力があります。
それを出させないようにしてしまっているのが、大人なだけです。
ピカチュウがどんなことをしてもいいし、どこへ行っても、戦っても良しとします。
文章の内容がバラバラで意味が分からなくても、全く問題ありません。
書き方を教えるのは、一番最終段階です。
ここでも大切なことは、なんか分からないけど作文って意外と楽しいなと思えることです。
昨日の自分を主語にして作文を書こうとしても、過去の情景を思い出して順序立てて書くのはけっこうハードルが高いです。
それよりも興味のあるキャラクターであれば、アニメの内容からヒントを得ながら書くかもしれないですし、内容が同じようなことを書いても、それで全く問題ありません。
短くてもかまいません。
この段階でも、とにかく楽しいと感じるのが一番です。
そして、一日二日だけやって終わりにするのではなく、継続してやることに意味があります。
④話の内容をおもしろ写真から連想して書く
【面白写真から連想】
キャラクターを主役にして物語を展開するステップから、次は少しだけ具体的な制限を設けてチャレンジしてもらいます。
ステップ③に苦戦して相性が悪そうだったら、ステップ④に行ってもよいですし、③と④を逆に始めても問題ないです。
子どもが痛みなく、楽しめる方から試してみてください。
この面白写真は、子どもにはものすごく受けがよいです。
ネットで「面白写真」と検索すれば、いろいろな面白い写真が出てきます。
写真の加工や写真自体の面白さによりますが、授業の冒頭でこの作文トレーニングを取り入れると、子どもたちは喜んで集中して物語を考えてくれます。
今日のお題として1枚写真を選び、そこから自由に話の内容を広げて書いてもらいます。
繰り返しますが、ここでも否定・修正・説教はマイナスでしかありません。
とにかく書けたこと、書こうとしたこと、少しでも前進していることをしっかり承認してあげてください。
無理やりにでも、めっちゃ面白い!と笑ってあげたり、ここの部分が分かりやすくて上手だねと具体的に承認してあげたりすると効果倍増です。
最終的に上手に書けるようになったことを褒めるよりも、過程の頑張りを認める方が子どもにとって良い関わりです。
結果は不確かですが、努力の過程はどの子にでも存在するからです。
「ここまで書けるようになって成長したね。コツコツ積み上げてきたもんね。〇〇がこんなに文章を書けるようになってお母さんすごく嬉しいよ。」
といった声かけが子どものやる気を加速させます。
⑤視写をする
【視写で正しい文を真似る】
文章が上手に書けるようになる近道は、上手い文章を真似ることです。
そこで効果的なのが視写です。
視写とは字のごとく、みたままを写し取る作業です。
長時間、延々とやるよりかは、5分~10分と時間を決めて書く方が集中力が持続し、マンネリを防ぎます。
書き写す素材として、教科書の文章でも良いですし、市販の教材(写真はうつしまるくん)や、子ども作文コンクールなどに応募されている作品などを視写してもよいですね。
私の勤めていた学校では、朝日新聞の天声人語を作文用紙に書き写す活動を学校全体で行っていました。
視写をするうえでの狙いは2つあり、
①ひたすら集中力を高めて書く力を養うこと
②正しい文章の書き方を体得すること
です。
これらを同時に習得するのは結構ハードルが高いですので、あまりお勧めしません。
それよりも、①の狙いでやるときは、タイマーをセットして10分間でどれだけ書き進められるかに重きを置きます。
目標よりも進めたら合格シールをあげたり、前回よりも速く丁寧に書けるようになっていたら一緒に喜んであげる関わりが有効的です。
②の狙いでやる時は、書き写す見本に、教えたいルールのしるしをつけておきます。
段落を意識させたい時は、見本の段落個所に赤丸や星印をつけて、<段落>と書いておいてあげます。
書き写すスピードは①と違ってゆっくりで良いので、
「この文章にはどんな決まりがあると思う?意識しながら書こうね」と書き始める前に問いを投げかけておきます。
問いのヒントは、先ほどの赤丸や星印です。
「文の先頭が1マス下がっている」ことに気づくことができたら、ここでの課題はクリアです。
何かしらのルールがあることに、子ども自らが意識して気づくことが大切です。
気づいたら子どもの中に、「なんではじめだけ下げるんだろう?」と疑問が生まれますから、その時に段落について教えてあげると頭に入りやすくなります。
カギかっこでも、句読点でも、[お]、[を]でも同じです。
意識させたい部分に気づかせて、なんでだろう?と疑問を持たせることが大事です。
いきなり「段落は下げないとだめなの!」「1マス下げる!!」と教え込まれても定着は弱いです。
それは、子どもの中に聞きたい、違和感を解消したいという欲求が生まれていないからです。
この⑤までのステップをじっくり丁寧に積み重ねていきます。
大事なのは楽しみながら取り組ませることです。
励ましながら、時に大いに認めて勘違いさせながら継続させることが力になります。
これを2~3か月くらい取り組めば、必ず変化が生まれてきます。
子どもは一人一人違いますから、1年かかっても遅くはありません。
一番良くないのは、周りの大人が焦って急かすことです。
子どもに能力がないのではなく、大人が能力をひき出すスキルを身に付ければ解決します。
ぜひご家庭でもチャレンジしていただきたいです。
⑥1つずつ作文のルールを教えていく
【1つずつ教える】
ここまできてようやく、作文の書き方について教えていきます。
⑤が終わって⑥というよりは、⑤をやりつつ並行して⑥を織り交ぜていくほうが良いかもしれません。
⑥のステップ単体になると苦痛に感じ出してしまうかもしれないからです。
先ほど書いたように、段落の存在を意識させたあとに、段落はどんな時に使うのかを教えます。
ただし、段落については教えたとしても、すぐにマスターできる子はほぼいません。
6年生でも理解できていない子はたくさんいますし、そもそも段落の説明自体が抽象的で曖昧なので、大人でも正しく書けない方もたくさんいます。
段落の説明でよくあるのが、『意味のかたまりが変わったら段落を変える』『事がらが変わるときに変える』というのがあります。
なんとなく分かりますが、抽象的な感じもします。
意味的には正しいのですが、抽象度が高いほど苦手な子には理解できず、苦痛になります。
なので、教える際に気をつけたいことは、『できなくて当然』のスタンスで臨むことです。
すぐに変化や結果を求めず、繰り返し修正して体得していってもらうことが大切です。
段落の教え方については、あらためて別の記事でまとめたいと思いますが、段落の必要性に気付かせるには、段落の全くない文章を提示するとよいでしょう。
この文章のどこを直せば読みやすくなるかを考えさせると、段落の必要性について意識がいきます。
漢字の必要性について気付かせるには、漢字の全くない文章と読み比べさせると漢字の良さに気づかせることができます。
話が逸れましたが、「」(かぎかっこ)について教える際はかぎかっこのルールだけ、【を】【お】、【が】【は】【わ】を教えるならそれら1組に絞って教えることが効果的です。
欲張って的をいくつも用意しても逆効果になってしまいます。
間違えても繰り返し教えていくことで、感覚的に分かってくるようになります。
これらのステップを焦らずに丁寧に積み重ねることによって、これまで作文を毛嫌いしていた子が書けるようになってきます。
作文をルールに従って上手に書けるようになるには、さらに順序立てて決まりを教えていく必要がありますが、まずは書けるための土壌ができていないと子どもは動き出してくれません。
親御さんからすれば心配になって焦る気持ちもあるかと思います。
そしてなにより、書けなくて辛い思いを重ねてきているのは、お子様ですから、ぜひともこの記事を参考にしていただき、楽しい学校生活を送っていただけたらと思います。
何かしらのお力になれれば幸いです。
最後まで読んでくださりありがとうございました!
投稿者 hoiku : 2020年04月02日 TweetList
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