子育て心理学から見た「一人寝」と「自立心」の関係 |
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2019年03月19日
子供の仕事は遊びである!15 ~自主性を育む・遊びは考えるところから1
遊びって、教えられるものじゃ無いですよね。
(2)自主性を育む
①地域の自然・くらしとのかかわりの中で自主的に活動する幼児周囲が広々とした田んぼ、その遠く向こうに連なる山々が抱きかかえているような場所にある保育所、澄み切った空に子どもたちの遊び声がひびく。
中央に小さな山のある原っぱのようなグラウ ンド(意図的にクローバーや雑草を植えたとのこと)で50数名の子どもたちが思い思いの遊びに夢中になっている。
来週から始まる収穫祭に向けての活動をしているのだ。ある子どもたちはお店を開くために野菜や果物を、ある子どもたちは社の奥におさめる神様の製作、そして掛け声をかけて歩き回るための御輿の製作など、山形県内の幼児教育機関等ではどこにでも見られる光景である。
しかし、この保育所には他の幼児教育機関等とは大きく異なる保育者たちのこだわりがある。まず第一に、企画提案を小さい子どもたちにしたのは保育者ではなく、年長児なのである。保育者たちは、米の収穫ができたのは、田んぼの守り神様のおかげであり、村人のおかげであることを話し、「ありがとう」を込めたお祭りであることを伝えただけである。
では、何をするのか。年長児は時間をかけて話し合いをし、年中児以下の子どもたちに提案する。年中児以下の子どもたちは、やりたいことを更に年長児に要望する。 「綿あめ屋さんをやりたいです。」 「田んぼの神様の鳥居があるといいです。」 自由な雰囲気であるが、小さい子どもたちもしっかり話し合いを聞いている。楽しかった生活の中で経験したお祭りをイメージしている笑顔だ。自分で考え、自分で決める。
「神様作り、鳥居作り、お店屋さん、御輿作りの中から一つ選んでやりたいところに集まってください。」 実に見事な自主的活動だ。保育者はなるべく口出しをしない。じっと見守っている。自己決定ができず、困っている子どものそばに膝立ちになって寄り添い、その子が何をやりたいのかを丁寧に聞き出している。田んぼの神様をつくるグループは、「もう一度しっかり見てくる」とスケッチノートを持ってくる。保育者が最後尾につき、田んぼのあぜ道を一列になって出掛けていった。この収穫祭に関する遊びは、それぞれのグループでバケツに稲を植える前に、近所の農家の人々が保育所にやってきて、種も みをまくことから始まっている。
この保育所では、地域のくらしや仕事、自然に、子どもが主体的にかかわっていく遊びを大切にしている。また、このような活動を通して地域の人たちと幼児のコミュニケーションを豊かにしている。幼児が地域のくらしや仕事、自然に興味・関心をもつことは、地域の人たちにっても大変うれしいことであり、地域の人たちも幼児に、そして保育所に対して関心をもち、積極的に協力してくれる。このような関係性の中で幼児の自主的な遊びが生まれてくるのである。
また、ここでは幼児の思いから生まれる自然な遊びを大切にしている。 本来、子どもの物事を為す衝動は、いろんな遊びから始まる。その遊びを通して友や保育者や家族や地域の人たちとかかわり、その中で、遊びがいろんな方向に発展していく。 その一つに製作(~つくる)活動がある。そして、子どもは何かを製作するとそれを生かしたくなり、多くの人に伝えたくなる。そこに子どもたちの表現活動への欲求が生まれる。
この保育所の幼児は、先に述べた「収穫祭の遊び」の後に、米作りのいのちの源である「水」をテーマにした表現活動に向かうことになる。
遊びを考えることが楽しかったよな~、その時の段取り思考が仕事で使うのと同じように思える。
投稿者 hoiku : 2019年03月19日 TweetList
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