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2012年04月12日

『生きる力を育てる教育』~日本語の力(1)日本語が生み出す思いやり社会~

 最近めっきり暖かくなり、公園の桜も全体がほんのり色づいてきました。
いよいよ桜の季節ですね 😀 %E6%A1%9C%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%97.jpg  ところで、みなさんは「桜」の語源をご存知ですか
 諸説いろいろあるようですが、その一説を紹介します。

「 さ 」=穀霊を表す古語
「くら」=神霊が鎮座する場所

 つまり、「さくら」穀霊が鎮座する場所を表すとされています。春には、穀霊が「御田植えの神」になるために山から里に降りてきて、その途中で桜の木に宿るとされているのです。
 日本語は、自然や精霊をも対象化した、実に奥が深くて美しい言語なんですね。

 今後の教育のあり方を追求している「生きる力を育てる教育」シリーズですが、今回からは、この日本語について、学校で学ぶ「国語」とは違う角度、違う視点から改めて見つめ直し今後の教育のあり方のヒントを探っていきたいと思います。

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(1)世界的に見ると特殊な言語である日本語

 まずは、日本語の特殊性について書かれた記事をご紹介します。これを読むと、日本語は、世界的に見ても類まれな性質を持つ特殊な言語であるということがよくわかります。

なぜ自分の息子を「お兄ちゃん」と呼ぶのか?

%E3%81%93%E3%82%93%E3%81%AB%E3%81%A1%E3%81%AF%E3%81%8A%E5%85%84%E3%81%A1%E3%82%83%E3%82%93.jpg 前述のように親が「太郎は何にする」などと名前を直接使うことはできるが、たとえば太郎に弟がいたら、「お兄ちゃんは何にする」と親族用語を使うことができる。自分の子供「お兄ちゃん」などと呼ぶのは、外国人には理解不能な言い方であろう。この言い回しを鈴木氏は「親族用語の原点移動」という概念で説明している。家族のうちの最も目下の者(この場合は弟)に原点を移し、その弟から見て「お兄ちゃん」と呼ぶのである。これなら親族用語を使った親しみと共に、兄としての敬意も込められている。子供を持った夫婦が、互いを「お父さん」「お母さん」と呼ぶのも、子供に原点を移した「親族用語の原点移動」の例である。

 目上の人に対して、敬意の籠もった親族名称を使うという原則は、職場や学校でも拡張されて適用される。職場では「部長、お電話です」、学校では「校長先生、おはようございます」などと職名をそのまま使うのが、丁寧な用法である。知らない人に呼びかける時はどうだろうか。子供が、通りがかりの中年の婦人「おばちゃん。ハンカチ落としたよ」などと言う。甥-叔母の関係でもないのに「叔母さん」という親族用語を使うのは、よく考えるとおかしい。しかし、これは相手を疑似親族と見なして、相手に親しみと敬意を込めた呼びかけ方なのである。

 逆に、中年の婦人子供に声を掛けるときは、目下だから親族用語を使えない。だから、「親族用語の原点移動」を適用して、「そこのお兄ちゃん、ハンカチを落としたわよ」などと言う。相手の子に弟を想定し、それを原点として「お兄ちゃん」と呼ぶのである。親子の間でも、職場でも、通りがかりの人に対しても、「I」「You」の一本やりで通す英語に比べれば、相手への呼びかけ一つとっても、親しみ敬意など細やかな思いやりが我が国語には込められているのである。

国際派日本人養成講座「国柄探訪:日本語が生み出す思いやり社会 日本語では子供が親に向かって「あなた」とは言わないのはなぜか。」からの引用です。)

(2)人類史的に見ると普遍性を持つ日本語

 たしかに、自分の息子を「お兄ちゃん」と呼んだり、見ず知らずの人を「おばさん」と呼ぶのは、なんとなく不自然な感じもしますね 🙄
もう一歩踏み込んで考えてみましょう 😉

 「I(私)」や「YOU(あなた)」特定の個人を指す言葉で、一対一の個人の関係を前提にしています。
 これに対して「お兄ちゃん」や「おばさん」は、特定の個人を指す言葉ではなく、集団的な繋がりを意識した言葉です。たとえ初対面であっても、瞬時にその場に仮想的な集団を設定し、集団的な繋がりを意識した言葉で呼びかけることで、集団を前提にした人間関係を作り出そうとしているのです。

 遠い昔の原始共同体社会では、人々には「個人」という意識が無く、皆「集団で生きる」ことを前提として生活してました。現在私たちが何気なく使っている日本語は、この「集団で生きる」という共同体社会が持つ本源的な意識を、長年に渡って継承し続けている貴重な言語なのです。

 実は、日本語は人類史的に見ると普遍性を持つ言語なんですね 😀

 正直に申しますと、学生時代「国語」という教科をあまり好きではなかったのですが、今回この記事を作成していくうちに、「日本語」の素顔を少し垣間見れたような気がして、不思議と「日本語をもっと学びたい!」と思うようになりました :tikara:

 今回はここまでです。次回も、日本語の特徴や他の言語にない良さを紹介していきますので、楽しみにしてて下さいね

投稿者 isgitmhr : 2012年04月12日 List   

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コメント

しっかり勉強をしてみたいです。

投稿者 ふーみん : 2013年8月8日 21:41

コメントありがとうございます^^*

今月スタートした新シリーズ『子どもたちに伝えたい日本人のこころ』でも
日本語を扱ってゆきますので、一緒に学んでいけたらと想います☆

どうぞよろしくお願いします♪

投稿者 副管理人 : 2013年8月22日 16:22

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