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2012年01月12日

『生きる力を育てる教育』~遊びの効用(1)子どもにとって、「遊び」は最大の学習課題~

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新年、明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。

お正月は、3歳になる息子を福岡の実家に連れて帰りました。
福岡には少し年上の従兄弟が4人いまして、沢山遊んでもらっていました。
「鬼ごっこ」や「かくれんぼ」、「すもう」等々。
昔ながらの遊びにすっかり夢中になった息子でした。

さて、今週から幼稚園や小学校も始まりましたね~。

でも、

冬休みの宿題が溜まっている…
なかなか学校モードにならない…

でもって、

「いつまで遊んどんねん!」
「遊んでないで、はよ勉強しーやー!」
「勉強終わるまで、遊んだらあかんで!」

なんて感じになってませんか?
僕は近い事言ってました(笑)

前置きが少し長くなりましたが、今回のシリーズは、この「遊び」についてです。

どうしても、「遊び」は「勉強(=学習)」と、【対立するもの】【相反するもの】、と考えてしまいますよね?

しかし!!

実は!!

子どもにとって、「遊び」は、

最大の学習課題

なのです!!

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子どもたちの「遊び」は、本能に根ざしたものであり、同時に集団で生きる術を学ぶものではないかと思う。動物にとっても人類にとっても、遊びは子どもたちの最大の学習課題なのではないか。

■日本子ども学会「世界中の子供が鬼ごっこをするのはなぜか」より転載。

 鬼ごっこは世界中の子供たちが好んでする遊びである。もっとも単純なものであっても鬼ごっこには規則がある。しかし鬼ごっこが世界的に広まっている現状を説明するには「ヒトはもともと子供の時には鬼ごっこをする動物である」という仮説の方がそれが一つの地域から伝播したと考えるより合理的だ。餌付けされたニホンザルのコドモたちは一つの物を持ち手を交代しながら遊ぶ「枝引きずり遊び」をする。この遊びには「物の持ち手は逃げ、その他の持たない方は追いかける。物を奪ったら逃げ手になる」という規則があると考えられた。こうした規則とそれによって生じる構造上の類似性などから、枝引きずり遊びは鬼ごっこの原形の起源であると考えられるのである。規則のある遊びはサルでもヒトでも生得的にできるわけではないが、「ゆとり」がある集団では自然に生じると考えられた。枝引きずり遊びのような遊びが、ヒトという種が起源してからは様々なヴァリエーションを生じ、鬼ごっことして現在の世界的分布を保っていると考えられる。

●「古今東西、子どもたちはみんな鬼ごっこをする」。この事実は大きいと思う。そこには必然性があるのだろう。アメリカでは「鬼ごっこ」までが禁止され始めている…という話があるようだが(リンク)大人の勝手な都合は、子どもたちの本能に根ざした摂理を歪める可能性が高い。

●上記論文によれば、ルール化された(様式化された)遊びは餌付けされたサル集団でしか見つかっていないようだが、野生でも多くの霊長類の子どもは、「追いかけっこ」と「取っ組み合い」を繰り返す遊びを頻繁に行うことが知られている。

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■NHK教育 地球ドラマチック「よく遊び よく学べ!~動物たちはこう育つ~」より転載。

野生で生きる動物たちが最初に学ぶのは、「生き残る」コツ。インパラ(野生の鹿の一種)がぴょんぴょんと横とびをして遊ぶのも、野生のヤギが山の急斜面を駆け上がって遊ぶのも、自分たちをねらう肉食動物から逃げる方法を自然と学ぶためなのです。人間の子どもたちが遊ぶとき、女の子はお人形さん遊びが好きだったり、男の子はプロレスごっこが好きだったりと、性別によって遊びの好みが違っていることがあります。野生の動物たちも同じで、例えばチンパンジーのメスは、子ザルを抱っこして子育て遊びをしますし、オスはオス同士でレスリングをして力を競い、大暴れして遊びます。それぞれの群れでの役割を、遊びながら学んでいるのです。

ある動物園に、人間によって育てられたシロクマがいます。この若いメス、ティグワークはほかのクマを全く知りません。ある日、オスのシロクマ、エディと対面することになりました。ティグワークは警戒し、なかなか友だちになろうとはしません。しかし、母グマに育てられてクマ同士のコミュニケーション方法を知っているエディは、仲良くなるコツを身につけていました。おもちゃを持ってきたり、水に飛び込んで追いかけっこしようと誘ったりしたのです。そのうちティグワークはエディと一緒に遊ぶことがとっても楽しいと気づき、2頭は友だちになっていくのです。生きていくための知恵を、遊びならが身につけていく野生の動物たち。それはもちろん、人間の私たちにも言えることなのです。

●チンパンジーの例にもあるが、知能が高いといわれる動物ほど、同性同士で遊ぶor遊びも性分化する傾向が高いそうだ。これは大人になったとき、集団の中で果たす役割と連動している。子ども時代に遊ばなかった動物は、集団のルールが分からず、暴力的になったりして、群れから外されることもある。

●動物園のシロクマの例は、動物は集団の中で(遊びなどを通して)育たなければ、生来の機能をまともに発揮できないことを示していると思われる。

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以上、引用終わり。

「遊び」とは外圧に適応するための重要な学習課題だという事がわかりましたよね。動物も人類も「遊び」を通して外部世界に適応する術を自然と身につけてきたのですね。

子ども時代の遊びを思い出してみると、そこには常に「もっとみんなが楽しく遊べるには?」という「工夫思考」があり、年齢や能力が異なる仲間集団の中で、みんなで役割を共有し、ルール(規範)を共有し、評価(褒めあう指摘しあう等)を共有していた事が思い出されますよね。

そして、それら全てが、社会に出てから求められる能力に直結している事に気づくのです。

現在、都市化、核家族化、少子化、デジタル化等、子ども達を取り巻く遊び環境は大きく変化しており、また、近代以降の観念や教育が行き詰まりを露呈しています。

まず、私達親自身が、子どもにとって、「遊び」は最大の学習課題であるという認識を持ち、そのような視点から「生きる力を育てる教育」を考えていければと思っています。

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投稿者 noz303 : 2012年01月12日 List   

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コメント

 大昔、森の中で生きた人間と、現代、人の中で生きる人間とで生きる力に変化が・・・

 人と関わり続ける心の力を遊びを通して育てています。

 

投稿者 わたぼうし : 2012年1月25日 20:30

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