過保護の本質的な問題 |
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2008年01月07日
二世帯同居
へーベルハウスでは、二世帯同居における意識と実態の変化を定点調査によって把握し10年間の変化を追っています。
当然対象となるのは既婚の二世帯となるわけですが、親元に同居する成人未婚者同様に増加傾向。
しかし、その同居の理由は、成人未婚者の親との同居であげられていた、経済的理由ということではではないようです。むしろ、「親の老後」「家事・育児協力」「三代出楽しく」が第一の理由としてあげられています。
根本的には、親と子が共依存の関係を続けているという点では未婚の同居と同じ関係のようです。
●同居の理由
1.三大同居理由は「親の老後」「家事・育児協力」「三世代で楽しく」
2.社会的・経済的要因は減少
3.子世帯から見て二世帯同居は親の老後の備え、でも親は現在健康
4.「家事・育児協力」が増加
二世帯同居・この10年によると
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1.社会的・経済的な制約が減り、家族の積極的な協力を期待し同居
同居理由として、「親の老後を考え」「家事・育児で協力」「三世代で楽しく」の3つが上位を占めました。94年に第2位(49.8%)であった「独自に家を持つことが困難」は減少し今回第4位(31.2%)となりました。同時に「親子が同居するのが当然」「親の資産の継承を考えて」も減っており、社会的・経済的に同居しなければならないケースは少なくなったと思われます。 代わって「家事・育児で協力しあえる」が大きく伸びて第2位(94年32.5%→今回46.6%)となりました。この志向はフルタイムの共働き子世帯や20代の子世帯に多く、同居満足度が「大変満足」の人に多いという特徴があり、多忙な子世帯とサポートする親世帯の組合せが二世帯同居ライフスタイルの一つの典型的パターンと言えそうです。同居生活の期待においても「子供の世話」(94年33.2%→05年46.0%)、「家事に協力」(94年20.9%→05年25.2%)が増加傾向であり、住んでみての実感でも「子供の世話」49.6%、「家事に協力」33.4%がそれぞれ期待を上回るなど、これを裏付ける結果が出ています。
「親の老後を考え」は10年間常に子世帯同居理由の第1位(94年65.8%→05年56.3%)を保っていますが、「老齢化・病弱化」 (94年30.5%→05年23.0%)と共に減少しています。同居への期待では「急病の時心強い」が親世帯で87.5%を占めますが、実際住んでみての実感では12.9ポイント下がるなど、「老後を考え」は将来を見越した備えの性格が強く、現在それほど健康状態が深刻ではないことをうかがわせる結果となっています。**************************************
忙しく働く子供の為に(祖)父母がかいがいしく家事・孫の面倒をみる事が二世帯住宅では期待されているようです。結局は、親元に同居する成人未婚者が、結婚後も同様の関係を続けているともいえます。
子供の囲い込み+孫の囲い込み が行われ、成長に合わせて、同化対象世界を広げていく事を阻害しているのかも知れません。逆に言えば、旧い価値観を引きずっている(囲い込まれている)から親元べったりといったら言い過ぎでしょうか?
子育てには、協力者が必要で、親の手助けはありがたいものです。でも、その世界が第一となって、みんなの意識を対象化できなくなったり、“期待=応合”の共認充足体験の可能性を閉ざしてしまう意識状況を作り出すとしたらどんどん活力衰弱するしかなくなってしまいます。
親だけに子育てサポートを期待するより、地域社会に期待する、子育て仲間を作っていく、子供がいなくってもそうした活動に協力するなど、新しい子育てサポートの形を模索していかなくてはならないように感じます。
投稿者 shijimi : 2008年01月07日 TweetList
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