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2023年04月11日

“共創”が充足を生み出し、学ぶ意欲を高める

前回のブログでも紹介した通り、私たちの「学び」(教育制度)の中身は、社会の動き=生産様式の変化に合わせて変容しています。時代の変遷と学習指導要領
では、今、求められる「学び」とは何なのでしょうか。今回は、最先端の社会の動きとともに、学びの在り方を追求してみたいと思います。

新しい価値の創出が求められる現代では、“共創”というキーワードが企業における生産の場で注目されています。
“共創”とは「Co-Creation」。言葉の通り、共に創ることを指し、既存の枠組みに囚われずに、企業がもつ技術力や認識力を開き合い、学び合い、これまでにない新たな価値を生み出すことを指します。“共創”活動を進める企業ほど、活力も高く、成果も高いのです。

学歴がものをいう時代においては、相手は敵。競争力が求められ、如何にして個人戦を勝ち抜くかが重要でした。現代は違います。相手は新しい価値を生み出すための存在であり、その存在こそが充足源です。「仲間と共に創ることが最大の活力源であり、その方が、成果が出る」ことが、大きな社会潮流になっています。

上記の内容をふまえ、学びの場面において“共創力を最大限に活かした実践事例を紹介します。小学校低学年の事例です。


画像はこちらこちらからお借りしました。

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年長~小学3年生が混在する8名のクラスにおいて、それぞれの子どもに必要なプリント学習が組まれました。誰にとっても意味のある課題にしたい。という意思を持って先生が臨んだ授業 は、結果、子どもたちの集中力も上がり、正答率も上がったのです。何がポイントだったのでしょうか 。

1.みんな課題の設定
プリント学習というと、一人ひとりに課題が与えられ、個別に達成するイメージですが、今回は、「みんなで40枚を達成しよう!」という目標設定のもと始められました。
すると、みんなの成果に自分も加わっているという役割も明確に分かり、相互に期待をかけ合っていきます。途中で、「あと何枚なん」という声も出て、集中力は増すばかり。
具体的な数値目標が、しかも、全員でやりきる課題が設定され、達成に近づくにつれ、充足感も増していくのです。

2.やる気を継続する声かけ
プリント学習であれ、今やっている取組の内容が、他のところでも活用できる。他の授業で学んだ基礎認識を使えば、もっと早く解くことができる。そのような、声かけは、個別の課題ではなく、全体につながる感覚を持たせ、子どもたちのやる気に繋がります。
「今回の問題が解けるようになったら、〇〇でやった課題も簡単やな!」。「根幹メニューの認識を使えば、簡単やろ!思い出してみよう!」など、先生からもどんどん声がかかります。無駄ではなく、次につながっている。という期待感が、やる気を増幅させていきます。

3.空気をつくる「反応」の良さ
みんな課題になっているため、自分の成果だけでなく、相手の成果も気になります。上手く進んでいない友達を見つけると、「こういうふうにしたらいいんやで」と教えます。声をかけられた子どもは、すぐに素直に真似をして成果を出します。このやりとりを通じた充足感がクラス全体にいきわたり、空気をつくります。
反応が良く、相手の真似をして充足を増幅する。互いを認め合う空気感は、成果にもつながります。

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この事例からも分かるように、人との関わりが深まる課題設定・場づくりを意識するだけで、こんなにも成果、そして充足(一体になる充足感)が深まるのです。それらは、子どもたちだけでなく、大人でも同様です。
共創力を高めるためには何が必要なのか。そして、その力を発揮するために、どんな学びが必要なのか。企業における人材育成にもふみこんで追求したいと思います。

投稿者 oguma : 2023年04月11日 List   

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