経済破局間近・・・家庭という枠組を超えた問題をどう突破する!?-3~縄張り意識の上昇と集団自我による略奪闘争 |
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2009年10月22日
どうする?!家庭と未来 ~起点は、私婚⇒私権の共認と私権闘争~
😯 紹介1:「固定一対婚が主流」という幻想
※写真は、福岡県(百道浜)のWEDDING ISLAND MARIZON(ウェディングアイランドマリゾン)~美しい /ジョージ・マードックという文化人類学者の調査によると、世界の849’種類’の社会のうち、一夫一妻制はわずか16%、一夫多妻制が83%、一妻多夫制は0.5%という結果になったそうです。確かに人数的には一夫一妻制が多いとか、いわゆる「欧米先進諸国」がそうだから、という理由で、単純にそれが「主流の」あるいは「望ましい」婚姻形式だなどと思いこんでいる人は多いでしょう。(「固定一対婚が主流」という幻想 – るいネット)
😛 大変ご好評をいただいております『どうする?!家庭と未来』(実現論の紹介)シリーズの第4回目です。
1.どうする?!家庭と未来~徹底した現実直視と事実の共認~
2.どうする?!家庭と未来~肉体破壊・精神破壊と市場の拡大停止~
3.どうする?!家庭と未来~人類はどこで道を誤ったのか?~
😮 今回は、普段余り耳にしない(まともに追求してこなかった )婚姻制度についての事実認識をお届けします。最近、「夫婦別姓」の議論が浮上しておりますが、認識が浅く価値観念でしか捉えることができないために、収拾がつかず賛否両論となっているように見受けられます。
亀井氏VS.千葉氏 夫婦別姓めぐりバトル(産経新聞) – Yahoo!ニュース
「【私も言いたい】夫婦別姓 「賛成」5割「導入活用」4割強」:イザ!
夫婦別姓 – Wikipedia
選択的夫婦別氏制度に関する世論調査(平成13年5月)
:confused: より根源的な事実認識が必要だと思いませんか 現在当たり前のように受け入れている婚姻制度(一夫一婦制)はそもそもどのようにして誕生したのでしょうか?そして、一夫一婦制=私婚(私有婚)に基づく家庭の行方は?
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本題に入る前にもう一つ驚きの日本婚姻史
😯 紹介2:日本婚姻史~支配層は父系だが被支配層(村落共同体)は母系~
※身分(階級)によって、婚姻制度が異なっていたなんて知ってました?それもほんの少し前まで…知られざる人類婚姻史と共同体社会 | 日本の婚姻制、外圧変化でどう変わってきたか?/『日本婚姻史』の概略 – るいネット/夜這いの解体と一夫一婦制の確立1・確立2・確立3・確立4 – るいネット
それでは、 :tikara:
私たちは、こう考える。全ての生き物は、闘争も生殖も全てを包摂した集団(=本書ではそれを本源集団と呼ぶ)の中で育まれ、進化してきた。人類も同じであって、人類五〇〇万年の歴史の99.9%は本源集団のもとにあり、過酷な闘争=生産の営為も、心を開き合う仲間との親和も、あるいは喜びを与え合う男女の和合も、それら全てが包摂された集団の中で人類に進化してきた。そこでは互いの性充足や親和充足を母胎として、皆で課題を共認し、規範を共認して(正確には、これらの共認に収束することによって)集団を統合し、他方、人類の命綱とも言うべきこれらの共認充足を破壊する性闘争や自我(エゴ)は、固く封印されてきた。
●注目1:母系集団の採取部族・農耕部族⇒豊かで平和な共同体生活→自我封印
※モソ人は、母系制社会によくあるように、平和を好みます。争いを嫌い、よけいな競争を避けます。「もし万一、彼に新しい女性ができても、喧嘩をしたり、追いかけたりはしない。彼のためにその事実を受けいれる」( 官能の大海/エロ民俗:講座:モソ人(4)恋愛観/モソ人(3)男は弱い?/モソ人(2)確かに女は強い!母系制と妻問い婚/モソ人(1)「女人国」)/知られざる人類婚姻史と共同体社会 | 「摩梭人走婚」(モソ人の妻問い婚) 5
だが、約1万年前、弓矢が発明されて人類が洞窟から山野に進出した頃から、自然圧力その他の外圧が低下してゆき、それに伴って規範その他の集団収束力も低下していった。しかし、多くの哺乳類がそうであるように、人類も母系集団を踏襲し、採取部族から農耕部族に変ってからも、豊かで平和な共同体生活を営んでいた。ところが、父系集団に転換した遊牧部族は、女たちの持参財を契機に私有意識を蔓延らせ、しだいに私権集団化してゆく。そして遂に、6千年前、遊牧部族によって、掠奪闘争の幕が切って落とされた。掠奪闘争は部族から部族へと玉突き的に拡がり、数百年もしない内に本源集団(=母系集団)は悉く解体されて、武力支配の巨大国家の下にバラバラの個体として組み込まれていった。(注:西洋人は皆殺しの掠奪闘争によって警戒心と自我の塊となっていったが、東洋の方は、皆殺しではなく概ね服属の形をとったので、氏族集団の色彩が強く残っている。中でも掠奪闘争が始まる前に日本に漂着した縄文人≒日本人は、2千年前まで掠奪闘争を知らずに人類本来の本源集団を維持していた、先進国には稀有な本源性の強い民族である。)
●注目2:父系集団に転換した遊牧部族⇒頭脳的な征服戦略→征服王朝国家
※戦をせずに勝つ。「われわれは最初7人だった。そして70人になった、そして1000人になった。一代にして1万の兵を持つようになった、その次には10万になった。そして大きな国ができた」(知られざる人類婚姻史と共同体社会 | 騎馬民族は来たのか?③ 江上氏騎馬民族説のバックボーン~遊牧民族・騎馬民族の文化的特性・民族的気質~)
国家は、遊牧部族の父系制=私婚制度(一夫多妻→一夫一婦(妻))を踏襲した。この私婚制のもとでは、自分たちの住居や食物などの私有要求が強くなり、当然の如く、私有権が共認されてゆく。だが、私有権が共認されると、社会の全ての物財は悉く私有の対象となり、人々は私権を確保しなければ生きてゆけなくなる。つまり、私権の共認は、否も応もない私権の強制圧力を生み出し、誰もが私権の獲得を目指して私権闘争に駆り立てられることになる。こうして個体も、集団も、国家も、全てが私権の獲得に収束することによって統合された、私権統合社会が出来上がった。
●注目3:6千年前、掠奪闘争の幕開け(私婚制⇒私権の共認→私権闘争)
※縄文と古代文明を探求しよう! | 西アジアにおける戦争の起源と拡大 ~ 『都市誕生の考古学』より~/ウバイド後期と呼ばれる6200~6000年前頃のメソポタミア地方において、集落入口を防御する軍事施設や土製投弾などの武器が、5500年前には明らかに防衛のためと見られる、集落全体を囲む城壁跡が発掘されています。(戦争の起源時期について – るいネット)/戦争の起源関連の書籍 – るいネット
やがて国家に集積された巨大な富を原資として、とりわけその富を消費する宮廷サロン=性市場を彩る為の金・銀・宝石・毛皮・絹織物・胡椒等の交易市場が生まれ、その後、近世(ルネッサンス)、「恋愛至上」に導かれて、性市場が都市全域に広がるのに応じて、商品市場が急拡大していった。この、性の自由→性市場→商品市場の拡大の流れは、近世から近代を貫いて現代に至るまで、全く変わっていない。こうして、市場は世界中に拡まり、先進国の人々は豊かさを手に入れると同時に、環境を破壊し、肉体を破壊し、精神を破壊し続けてきた。
●注目4:女移籍の持参財が集団に私有意識をもたらした
※写真館:モンゴル:家畜/遊牧は生産力が家畜だけであり、さらに、小集団に分かれていることから、家畜が増えないで女が移籍してくると、食料の配分は厳しくなる。(女移籍の持参財が私有意識の原点 – るいネット)/嫁いだ女が母親になると、「自分の娘が移籍する際は肩身の狭い思いをさせたくない」「持参財(家畜)は少しでもいいものを」という親心になるのは当然で、そのためにも、男たちにもっと家畜を増やすように、もっと縄張りを拡大するように期待してゆくことになる。この期待は必然的に、氏族内の蓄財意識を生み出し、しだいに自集団の私益第一の様相が強くなってゆく。(遊牧部族の父系制転換 – るいネット)
引用は以上です。
😯 誰もが持っていた「お金や地位やいい女を(他の人以上に)獲得したい」という私権意識は、人類の本性ではなく、『遊牧民族(人類の新たな生産様式)誕生時に作られた“婚姻制度”に起因している』という事実に驚きですね。
😛 また、人類500万年の歴史(母系社会)を知るにつれて、女性が「本来の充足や安定」を求めるのならば、現在の婚姻制度(自由恋愛→核家族)では答えにはならないのではないか?と思うと同時に、もっと人類500万年の歴史(母系社会)を追求する必要がある と思いました。
:confused: 現在は、「貧困の消滅→私権の衰弱」の時代。例えば、持参財=嫁入り道具も結納金も無意味になりつつあります。家族や名字(姓)に対する意識が、若い世代ほど「先祖から受け継がれてきた名称<他の人と区別して自分を表す名称の一部」へと変遷している(図表・概要)のもうなずけます。さらに、子育てママが自分の実家に戻って育てるケースが増えており、父系から母系への転換も感じられますが、そもそも結婚しない男女が増えている点を考慮すれば、もしや結婚(私婚)そのものが無意味になっているのでは 😯 と予感させられました。
母系社会の予感
母系の婚姻様式なら女はすごく安心出来る
親元収束は母系社会の入り口にならないだろうか?
ネット上では女性を中心とした母系集団が再生か!?
「性」を巡る意識潮流の変化に、「性再生」の可能性を感じる
今回は以上です。次週に、次章『ホ.私権闘争の終焉から本源集団の再生へ』を、つまり「貧困が消滅し、私権が衰弱したらどうなる?そしてどうする?」をお届けします。お楽しみに~
投稿者 toya : 2009年10月22日 TweetList
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コメント
投稿者 DDD
私婚制度という制度が所有意識・私有意識を生み出したというのが、大きな気付きです!
遊牧部族に嫁いできた(=移籍してきた)女の持参財が、遊牧部族集団内で「あの女が持ってきたモノ」として人とモノがセットで認識・評価され、次第に「だれかが所有するモノ」という所有意識→私有意識へとなっていったんですかね?
投稿者 shushu
>国家は、遊牧部族の父系制=私婚制度(一夫多妻→一夫一婦(妻))を踏襲した。この私婚制のもとでは、自分たちの住居や食物などの私有要求が強くなり、当然の如く、私有権が共認されてゆく。だが、私有権が共認されると、社会の全ての物財は悉く私有の対象となり、人々は私権を確保しなければ生きてゆけなくなる。
私婚制度が確立すると、ありとあらゆるものが私権の対象となるのですね。これは結構な気付きです。
私権原理が崩壊した今、この原理の最基底をなす私婚制度そのものを見直す段階にきているように感じます。