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人類が子育てする意味~周りを生かし、周りに生かされる能力・感覚を親子で磨く~

私たち人類は生物進化上、同類(=人類)を活力源とすることで生き残ってきました。
「同類に生かされている」存在なのです。リンク [1]

一方「お互いに生かされている」はずの存在でもありますが、悩みも多いのが親子関係。とりわけ、娘や息子の成長を感じる嬉しい場面も多い一方で、これで良かったのか?といつになっても尽きないのが「子育て」の場面です。

今回はこの「子育て」に焦点を当てて、
人類の子育てとは本来何をすることなのか?を探っていきたいと思います。

私たち哺乳類は人間も、猫もイルカもある程度の大きさになるまで親子で一緒に行動しますよね。

しかし、もともと生物には親子関係というものは存在しないのです。

例えば単細胞生物は、どんどん分裂して新個体が環境の中へと拡散してゆくだけです(彼らは互いに仲間であることを認識する機能は持っていますが、親子であることを認識する機能など、持っていません)。
それは魚類や両生類でも同じです。つまり新個体は放っておけば新世界(環境)へと泳ぎ出してゆくのが、当然なのです。

では哺乳類の親子が一緒にいるのは何ででしょう?

親子が一緒に居るとしたらその「同棲」の理由こそが必要なのです。実際、生命体が複雑化≒高度化してゆくにつれて、保育の必要が高まってゆき、親に保育本能がセットされてゆきます。
この保育本能が親子をつなぎ留める訳ですが、この本能は保育必要期のみ作動する時限本能であり、保育本能が作動しなくなれば、新個体がさっさと新世界へ出てゆくという基本形は変わりません。

体の声は、祖先からのメッセージ~生物的には親子が一緒にいる方が、意味が必要~ [2]
「もともと、生物には親子関係など無かった」 [3]

私たち哺乳類は胎生(胎内保育機能)を獲得してから、後天的に生き残る方法を親から学ぶ期間=保育期間をとることで適応力を高める戦略をとってきました。

・例えば、キリンの赤ちゃんは生まれ出た後すぐに立ち上がり、母親と一緒に行動しながら、群れで逃げる方法、えさの取り方を学んでいきます。

・オランウータンの赤ちゃんは、生まれた後はひたすらお母さんに密着。張り付いていかないと木の下に振り落とされます。木の上で激しく移動する母親の体の使い方、バランス感覚を肌で学んでいきます。

人間の赤ちゃんは他の生物とくらべても、目も見えない、歩けない、掴まれない、、という機能上不完全(真っ白ともいえる)な状態で生まれてきます。
そこから赤ちゃんは何を掴んでいくのでしょう?

人間の赤ちゃんとお母さんが一緒にいるのには、他の生物にはない大切な意味があります。

⇒それは将来、集団=仲間の中で生きていけるように、【周りに生かされる能力】、【相手と相互に生かし合っているという感覚】を獲得すること同類の存在が最大の活力源(リンク [4])である人類の武器を磨く期間なのです。

①まず本能の視点から重要なのは、
スキンシップを通じて、肌感覚を通じてお母さんと子供がお互いに充たされる。赤ちゃんが気持ちいいだけでなく、お母さんも気持ちいいというのがポイントです。(授乳の時はお母さんの方が気持ちよさを感じているとも言われています。子供が近くにいる、気持ちよさそうに飲んでいる、おっぱいの張りがとれていく・・・諸々が重なって慣れると気持ち良いそうです✨)
体の声は、祖先からのメッセージ~知能を養うなら、まずは皮膚感覚を磨こう! [5]

②次に重要なのは心、
赤ちゃんがお母さんと目を合わせた時に、ニコッと反応してくれる。それをみたお母さん側も嬉しくなってニコッとなって、、、表情のやり取りをしながら、笑顔に限らす、焦っている時、違う事で怒っている時、、お母さんの様々な表情、波動を感じて赤ちゃんは感情や相手と心を合わせる能力を獲得していきます。

こうやって、赤ちゃんにとってはお母さんという全面的に自分を受け止めてくれる存在、お母さんにとっては赤ちゃんという全面的に依存してきてくれる存在。お互いが充たされていく時間が、赤ちゃんにとってもお母さんにとっても大きな安心基盤になります。だからこそ、そこで安心基盤をつくった赤ちゃんは、外の世界=お母さんの腕の外、他の人達、新しい仲間関係に踏み出していけるのです。
【知能進化を紐解く】愛着の発達の4段階~人見知りとは?人間関係の基盤を作る乳幼時期の4段階(1~3)  [6]

人類の子育ては、周りに生かし生かされる感覚をお母さんと赤ちゃんで磨くということ。

お母さんが子供に何かしなきゃいけないのではなく、一緒に充たされ磨き合う。そんな関係になれるように身体もセットされているのです。

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