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家庭(集団)崩壊の危機⇒既存の家庭像にしがみつくのか?新たな集団の可能性探索に向かうのか?

誰もが直面している「家庭と子育てどうする?」をテーマに、問題事象を整理していくと、現代の家庭は、親も子も悩みやストレスを抱え、集団として充足や活力を生み出せていない=機能不全を起こしていることが見えてきました。

◆【データで見る現代の家庭①】結婚しても3組に1組は離婚する時代 [1]
◆【データで見る現代の家庭②】激増する家庭内問題(DV・児童虐待・自殺やうつ)  [2]
◆監視カメラ、GPS、SNSチェック…こんなにも子供への監視圧力が強まってきている [3]

改めて、時代状況と家庭の存在理由、活力の変化などを整理してみると、
【家庭崩壊(結集軸の喪失)】
家庭の崩壊2 [4]

◆戦後~60年代:社会全体が貧困の圧力からの克服を課題として、国も企業も家庭も私権統合されており、親も子も私権獲得の目的が一致していた。またその逃避先として性も娯楽も盛んだった。

◆70年代から80年代:豊かさを実現(私権圧力が衰弱)すると家庭から生産課題が消えていき、娯楽収束。バブル景気も重なり家庭はますます消費の場へと化していく。(核家族化の進行、マイホーム主義)

◆90年代から00年代:バブルがはじけ、世の中では私権エリートとされた企業の破綻が続き(私権の終焉)、今までの浮かれた状況から一気に先が見えない時代に突入。豊かさ追求も娯楽追求も無くなり家族の収束軸が喪失。(離婚率や未婚晩婚化の増大、セックスレス、家庭内トラブル多発。)

◆10年以降:私権の終焉で収束軸を失った家庭に残る唯一の課題となった子育てに異常なエネルギーが注がれ、子供たちは大きなストレスを抱え、家庭から充足や活力がますます消えて崩壊寸前。

戦後~現代までの間にも「家庭と子育て」の状況はずいぶんと変化していますが、重要なポイントは私権で統合できなくなったとたん、生産課題、解脱課題、生殖課題と次々に収束軸が喪失し、集団崩壊の危機を迎えてしまったという点。しかも根底の社会構造の変化に起因している以上、これは個別の事象ではなく誰もが直面している問題であるとの認識が必要です。(だから私の家庭だけなのでは?と閉じこもる必要はないのです)

では、家庭(集団)崩壊の危機を前に私たちはどうしていけば良いのか?

  1. 集団と距離を置き引き籠る?(ひきこもり、ニートなど・・)
  2. 何とか既存の集団を維持するために無理やり結集軸にしがみつく?(現代の異常な子育て課題)
  3. 充足や活力のある新しい集団の形=可能性を柔軟に探索していく?

集団の中での充足こそが活力源となる我々人類は、やはり新たな集団の在り方の可能性探索が必要!!

家庭の収束軸が構造的に失われてしまった以上、現代の価値観の枠に囚われず、歴史に学ぶことが重要。私達の先人達は、数千年も反映した縄文時代や、数百年続いた江戸時代など、豊かで活力のある時代を築いてきた歴史があります。当時彼らは、どのような家庭を築き、どのような環境で子育てをおこなっていたのか?次回からは、そこに学び、家庭を「充足・活力を生み出す場」として再生するヒントを探っていきたいと思います。

そして、その新たな可能性の探索自体を、聖域化した家庭や世代ギャップを超えて、一緒に考える場をつくっていくだけでも、「家庭と子育て」の新たな可能性が広がっていくのではないでしょうか。

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