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縄文時代の暮らしは、子育ても生死も全てが自然との一体化の上で成り立っている!

前回の記事では、縄文時代の子育ては、集落の子どもとして全員で育てていく「共同養育」という新しい集団の形であることを取り上げました!
今回は、「歴史に学ぶシリーズ」の縄文時代の子育てに学ぶ第2弾として、過酷な自然外圧の中での縄文時代の人々の暮らしや子育てを紹介し、その中での老人の役割についてお話しします!
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■縄文人の暮らし~自然との一体化~
縄文時代は、食糧を狩猟採取しているため四六時中食物を探し求めていた、という風にイメージすると思いますが…

実は、縄文時代はほとんどの地域で、豊富な食物があったと言われています!

これは、縄文人が自然を受け入れ、自然と一体となることで、時間の流れを把握することが出来たことが影響しています。なぜ縄文人が自然と一体化することが出来たのかについては、建設されたモニュメントや道具が自然エネルギーの象形化であり、時計としての役割もあったことから推測できます。(https://intojapanwaraku.com/culture/18809/ [1]

そして、季節に合わせて効率よく獲得することが出来るようになったことでこれまでの遊動的な生活に代わり、定住生活を行う事が可能になりました。

縄文人の生活カレンダー

(山岸良二著『考古学のわかる本』87頁より)

 

■自然との一体化を高めた老人は村の羅針盤!
自然との一体化により食糧は比較的容易に確保できるようになりましたが、自然は恵みを与えてくれるものであると同時に、大雨や土砂崩れ、雷などの災害をもたらすものとして恐れられていました。
いつ災害が起こるか分からない自然外圧の前では生死は常に死と隣り合わせであり、集落の存続は村の第一課題でした。

そのため、集落の存続には、自然現象から次どんなことが起こるかを予想する能力=自然との同化力が必要となり、村でその能力を持っていたのが老人であると考えられます。

老人の役割は、男は祈祷師、天候の予測、災害発生の予測、食料のありかの把握など、女は、助産師、子育て、全員の健康状態の把握などであり、自然との一体化=知能部分が高い老人だからこそ、村の第一課題(村の存続、子育て)を担う村の羅針盤となりました。

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■老人から子どもへ世代を超えた伝承
老人から子どもへ伝承されていたことは自然との一体化した老人たちにしかできないものでした。
縄文人に近いアイヌの子ども達は、
男子:漁猟の方法,弓矢や罠を作る方法,地形の形状と名称を学んだ後は,毒矢の製造法,器物の製作法,彫刻を習い,最終的に信仰するカムイの名や祈祷に用いるイナウ(弊)の作り方,祈祷文,儀式の進行,古来の伝説などを修めた。
女子:木皮より織物を作る方法,刺繍,料理,子育ての方法,舞踏,死人のための泣哭の仕方,分身の技術,男子に対する礼儀

などを学んでいたと言われています。子どもたちは、集団での遊びや老人からの伝承のなかで、自然と大人になるために必要な教養だけでなく、自然とともに生き抜く知恵を学びました。

■集団では、一人一人が役割があるからこそ存在している!
縄文時代の老人たちによる子育てを紹介しましたが、核家族の誕生によりこうした伝統的な教えを知る機会がなくなり、現代は、子育てに関して導く人がいなくなってしまいました。

社会情勢の変化により収束軸が失われてしまった家庭から、新たな活力源を探索し始めた現在、数千年も反映した縄文時代を「ただの歴史」として捉えるのではなく、私たちの先人たちがなぜ活力のある家族集団を築き、子育て環境を行うことが出来ていたのか学んでいきましょう!

 

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