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【子どもたちの意識】簡単に逃避してしまうのを、どうする?

文部科学省(R3年度)が発表する不登校の生徒は、「小・中学校ともに9年連続で過去最多」(リンク) [1]

となっています。30日以上登校していない、いわゆる不登校の子どもが小学生で1.33%、中学生で5.76%なので、休みがちな状態の生徒はより多いと言えるでしょう。

もし、自分の子どもが「学校に行きたくない」となったとき、親としてどうしてあげるのがいいのか、誰もが他人事ではない時代になっていると思います。

「少しぐらい嫌なことがあっても、学校ぐらいで休む癖が付いたら、社会に出たらもっと大変なんだから…」「でも無理強いして、もっと嫌になられたら…」、このような困惑の声が、頭の中を巡ってしまうのではないでしょうか。
また大人の世界でも、仕事をすぐに休んでしまう社員、体調を崩してしまうスタッフなど、「どう声を掛けていいものか・・・」と頭を悩ませる先輩や上司の方も少なくないのではないでしょうか。


仕事をしていれば、うまくいかない時や苦しい時は、誰にでも訪れます。さらに、仕事の大半はチームでの活動。誰かが休めば、必ず誰かに皺寄せがいきます。穴が開いたところをフォローしてくれる誰かが、必ずいます。

 

しかし、現代の子どもや若者は「しんどいから、いかんとこ」「誰かがやってくれるから、何とかなるだろう」と一旦逃避癖が身につくと、アッという間に逃避回路ができあがってしまい、簡単に逃避体質が身体に染みついてしまうようにも感じます。

では、みんなの中でいつも生き生きしている人は、何が違うのか。

そのような人たちは、「しんどい時、行きたくない時だって、もちろんある」、「それでも、仲間の期待は裏切れないし、乗り越えたら必ず喜んでくれるお客さんや仲間がいる」と、口を揃えて言います。この仲間との充足体験や、相手との充足関係こそが、次に向かう原動力になっていることがわかります。

たとえば、しんどい時や苦しい時には、うまくいかないことやできていないことを他の人に開き出す。もちろん相手にも、思いや気持ちも全部出してもらう。そうすることで、「自分だけが苦しい訳ではなかった」「自分にそんな気持ちを抱いてくれていた」などに気付ける。相手の期待や想いに気付くことができれば、自然と「裏切りたくない」という気や力が湧いてくるようになるようです。

辛い時も、しんどい時も、仲間との繋がりや通じ合っていることを感じていれば、逃避せずに立ち向かっていけるようになるんですね。

ところが、ここで大きな問題が横たわっているのは、学校の世界です。学校の課題は、テストも提出物も勉強も基本すべて『個人』の課題。それだけでなく、最近はコロナの影響もあって、運動会や学習発表会などチーム課題に取り組める場と機会も減少しています。さらには「休み時間に他のクラスに行ってはいけない」や「密は避けて、グループ活動はなるべくしない」など、集団(チーム)』課題や人との関わりを意識できる場が少なくなっているようです。

 

だからこそ、私たち大人が、子どもたちの関わりの世界を広げていくことを意識して、行動していくこと。

前回の記事でもあったように、(リンク [2]関係世界が狭すぎるのが子どもにとって大きな問題です。社会には、「様々な面白いことに、活力を持って取り組んでいる人たちが大勢いる!」「そんな場所がたくさんある!」と子どもたちに知ってもらうこと。

そして、「多くの人たちと課題を通じて、関係を創っていくことは楽しい」ということを、大人が背中で伝えることがまずは一番大事かもしれません。

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