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~子育ても人間関係も、肌感覚で掴む、肌感覚に学ぶ~

相手がほほ笑むと、自分もほほ笑みたくなる。
場の空気が、ピンと張りつめると、なんだが、ソワソワする。
仕事でも、遊びでも、仲間と息がぴったり合うと気持ちが良くなる。のってくる。そして、相手も同じように感じているだろうと、嬉しくなる。

人類は本来、言葉が無くてもまわりを感じとれる。そんな力を備えています。
いつから、そのような機能を獲得したのでしょうか。

やはり、生物史に学んでいきます。

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生きとし生けるものは、全て、外圧に対する適応態として存在しています。人類である私たちも同様です。

生命を遡ると、初めは単細胞生物の時代から、魚類、両生類と進化を続け、哺乳類に至ります。生物進化は、全休凍結などの自然環境の変化や、絶対的強者(例えば海の支配者であるサメ)の存在による生活環境の変化など、全て、外圧が変化することによって逆境に追い込まれてきた結果、進化を遂げています。海から陸上進出の実現や、産卵から胎生保育の実現など、まわりの環境変化に適応した劇的な進化です。

その中で、私たち人類が、祖先となるサルから進化してきた時の状況は、それまでの進化と様相が異なります。

人類は、足の指が先祖返りした(枝を掴めなくなったかたちの)サルから進化してきました。これまでの外圧変化による逆境ではなく、自らの樹上機能を「欠損」したことによって、逆境に追い込まれたのです。
サルにとって最大の武器である樹上機能。この機能を失って、最弱生物となった初期人類は、自らの存亡をかけて適応しようとします。そこで獲得したのが、まわりの存在への感謝、そして、まわりの存在への同期機能です。

 

外圧に全く適応できない、自分は、「無」に等しい

そんな状況の中で、まわりの(仲間の)存在そのものが生きる活力源
そうであるからこそ、相手の欠乏・期待は何か。全ての意識を相手に向けて、全面収束していきます。そして、互いに、「こんなにも想ってくれている」ことを感じ取り、一体化を深めて充足する方向へと気持ちを高めていきます。

そこには、言葉なんてなくても、同じように、生き残るための外圧を感じ取り、相手が存在してくれる嬉しさを感じ取り、洞窟からエサを取りに行くための気持ちの鼓舞を共有していました。自らの肌感覚を相手の感覚とも重ね合わせて同期していくのです。

現人類が、相手とピタリと重なり合って充たされるのは、一体となって充足できる回路が、この時代に形成されたからです。
そう考えると、奇跡的に生き延びてきてくれた、初期人類に感謝の気持ちでいっぱいになりますね。

 

さて、長くなりましたが、私たちは、この言葉以前の肌感覚の重要性を改めて追求したいと思います。
それは、子育て・親子の関係においても、同僚や上司・部下の関係においても、はたまた男女の関係においても。そして、家庭や職場の集団単位においても。人類進化をヒントに、現代のさまざまな課題を、少しでも解決していけるように。

そうは言っても上手くいかない、現実はまだまだ・・・、なんて弱音を吐きたくなることもたくさんありますが、その中で、どうする?を考えることが大切ですよね。初期人類は、もっと凄まじい外圧状況下にいたのですから。

さて、5月からは、新しいメンバーを迎え、7名体制で本ブログを進めていきます。次回からも、お楽しみに♪

生まれてきてくれてありがとう 〜出産エピソード [2]

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