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江戸時代の日本の子育て ~西洋人からの報告~

今年の4月から子供への体罰が法律でで禁止されたとか。

子供への体罰は以前から、是非をめぐって議論がありましたが、意外と知られていないのが昔の日本の子育てには、もともと体罰がなかったということ。

体罰の考えは、明治以降西洋の教育制度を導入する中で定着したものなのです。

以下(https://blog.canpan.info/feuille/archive/42)より引用します。
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日本は昔から子どもを殴ったり、文字通り“鞭打って”育てていたかというと、歴史的に見るとそうではないのですよ。

子どもを叩いたりする躾は、明治以降の西洋式子育てが伝わってからのことです。

その子育て法が庶民にまで広がったのは、ひとつは明治以降の学校教育によって。
そして太平洋戦争後であるとわたしは考えています。

では、明治以前はどのような子育てをやっていたかというと、江戸時代後期に来日したカール・ツンベルクというスウェーデン人は、その紀行文のなかで、

「注目すべきことに、この国ではどこでも子どもをムチ打つことはほとんどない。
子どもに対する禁止や不平の言葉はめったに聞かれないし、家庭でも船でも子どもを打つ、叩く、殴るといったことはほとんどなかった」

という日本古来の子育て法をヨーロッパに伝えています。
さらに明治維新後、すぐに来日したアメリカ人の動物学者エドワード・シルベスター・モースは、大森貝塚の発掘や、日本の文化を写真におさめたり、民具を収集したりしたことで知られている人ですが、その紀行文である『日本その日その日』にこう書いています。
「また私は、いままでのところ、お母さんが赤ん坊に対してかんしゃくを起こしているのを一度も見ていない。

私は、世界中に日本ほど赤ん坊のために尽くす国はなく、また日本の赤ん坊ほどよい赤ん坊は世界中にいないと確信する」

「いろいろなことがらのなかで、外国人の筆者たちがひとり残らず一致することがある。

それは「日本が子どもたちの天国だ」ということである。

この国の子どもたちは親切に取り扱われるだけでなく、他のいずれの国の子どもたちよりも多くの自由を持ち、その自由を濫用することはより少なく(中略)

日本の子どもたちが受ける恩恵と特典から考えると、彼等はいかにも甘やかされて増長してしまいそうであるが、しかし世界中で両親を敬愛し、老年者を尊敬すること日本の子どもほどのものはいない」

と、書き残しています。
ここで二人の西洋人が述べているのは、

「子どもに体罰を与えない」

「親がかんしゃくを起すことはめったにない」

「一見、甘やかしているようであるが、日本の子どもは、両親を敬愛し、老人も尊敬している」

ということでした。

明治時代、日本が見習った西洋式教育法というのは、キリスト教式の教育法で、それがどのようなものであるかというと、旧約聖書にはこうあります。

「まだ望みのあるうちに、あなたの子を打ち懲らせ」(箴言19章18節)

「あざける者をあなたは打つべきである。それは経験のない者が明敏な者となるためである」(箴言19章25節)

これがキリスト教的教育法。
(他にも子どもを鞭打てという文言があったと思うのですが、いまちょっと思い出せない)

欧米に比べると、日本における凶悪犯罪の少なさは、こういった子どもを可愛いがる日本文化と、子どもを家畜のように鞭打って躾る西洋文化にあるのではないかと言う識者は、多くいます。

かつて、子どもに暴力を振るうことが少なく、そうやって育てられた子どもは、親や老人を敬愛し、尊敬していた文化は、だんだんと消えつつあるように思えます。

人間は、幼少期・少年期に親や周囲の人に愛され、可愛がられることによって、他人を信用し、うまくコミュニケーションできるようになり、愛し愛されることが出来るようになると言われています。
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