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実は「頭の良い子」ほど家でダラダラしている 将来子どもが幸せになる親の接し方

家でダラダラしている我が子を見て「そんなことで将来大丈夫なの・・・?」と不安になってしまうお母さん、それはリラックスできている証拠なのだと認識しましょう。

 

https://www.sankeibiz.jp/econome/news/170611/ecc1706111304001-n1.htm [1]

より引用します。

 

子どもが自立した大人となり、食っていけるかどうかは、「親の愛情」にかかっている。「大好きだよ」という無条件の愛情が子を伸ばす--。

 

◆なぜ、家でダラダラする子は優秀なのか?

 

「子どもが自分の願う方向に育たない」

教育熱心な親ほど悩むことが多い。「何度も何度も言ってきかせてるのに……」と。しかし、現役小学校教師の筆者はこうした親の考え方の前提である、「ウチの子は、言えば分かる・変われる」に実は根本的な間違いがあると語る。

「何度言っても、(自ら)変わらないものは変わらない」

子どもであっても、自分とは異なる存在。「他人と過去」を変えることはできない。といっても、親としての責任を放棄するわけではない。「力ずく」を脱することが子育ての原点だというのだ。

では、具体的にはどう子どもと接すればいいのか。キーポイントは子どもは「思い通りにならなくて当たり前」という気持ちで接することだ。前回に引き続き、筆者が提案する3つのアイデアとは。

 

(1)家で「ガス抜き」させ、心身を回復させる

親の言うことをよく聞き、素直に「はい」と答え、何でも真面目にやり、親の望むように育った子どもが実在します。当然、社会に出てもうまくやっていくはず。

と、考えたくなりますが、そううまくはいかないものです。相手は子どもである以前に、人間です。バランスというものがあります。

私の経験上言えるのは、学校で、成績だけでなく人格的な面も含めて「本当に素晴らしい」と賞されるような子どもは、実は家庭でダラダラしていることが多いということです。

家庭訪問や面談で担任がその子どもを褒めると「信じられない。家ではひどいんですよ!?」と愚痴を聞かされることもしばしばあります。

健全な子どもほど、実は家で「ガス抜き」をしているのです。子どもは本来自由で制約のない存在なのだから、ルールの多い社会では「不自然」の状態を求められることになります。誤解を怖れないで言えば、教育とは「自然のままにしておかない」ことです。教育の効果がよく現れる子どもほど矯正されるわけですから、より多くの負荷がかかります。その分、回復が絶対に必要です。

その回復の場が、家庭です。親には回復させる重要な役割があるのです。だから、当然(と言っては申し訳ないが)子どもが親の言うことを聞かない事態も起きます。これも、文字通り「家庭」が「安心のホームベース」という証拠です。

 

◆なぜ、抱っこされる小学生は自立するか?

一方、家庭内で親の思う通りの従順な子どもはどうでしょう。

一概には言えないかもしれませんが、これは危険な兆候といえるかもしれません。家の中でダラダラできない。そんな子は「お前は言うことを聞かないダメな子ども」という烙印を押されるのが怖いのです。だから「あなたに期待しているのよ」というプレッシャーに対し、ぴしっとします(もしくは、その振りをします)。実は彼らは、親が自分の思い通りになることを期待しているのを見抜いているのです。

そこで、ガス抜きをどこでしているかというと、外の社会です。家庭では真面目な子どもが「なぜ!?」と思うような危ないところに出入りするのも、ここに当てはまります。

ガス抜きが、学校でのいじめという行為で表出することもしばしばあります。

「厳しすぎる家庭」や「過度の競争社会」の生む「一見言うことをよく聞く子ども」「一生懸命やる子ども」の起こす弊害です。そう考えると、必ずしも親の言うことを聞かない、少しダラダラしているというのも、成長の過程において意味があるといえます。

「そんなものだ」と思って、ゆったりと構えたいところです。

 

(2)「抱っこ」で愛情チャージ。それが子の自立につながる

子ども自身にも、Iメッセージ(僕・私は~~だ、という発信)があります。読者のご家庭のお子さんは「こうしたい」という思いを表現できているでしょうか。自分を抑圧して思いを伝えられない子どもは苦しんでいます。

そこの判断基準となるのが「抱っこして」と言えるかどうかです(小学校中学年以降でも)。

突然、親の膝の上に寝転がってくるようならそれも同じことです。「抱っこして」は、甘えている証拠です。親に受け容れてもらえるという安心感を持ち、素の自分をさらけ出せている証拠です。

ここは、可能な限り十分に甘えさせてあげましょう。十分に甘えさせてもらった子どもは、エネルギーを蓄え、外の社会へ出て自立します。

これが出せない子どもは、危ないことがあります。本当に必要な要求が出せないということです。赤ん坊に例えるなら、お腹が空いているのに泣かないのと同じです。だから「抱っこして」と言ってきたらまずは、ひと安心。十分に甘えさせてあげます。

ちなみに、「甘やかす」のとは訳が違います。

これは例えば、買い物で欲しいものをねだって、だだをこねるので仕方なく買ってあげるような行為です。別の例でいえば、歩くのが疲れるからというだけの理由で、子どもを学校まで送迎してあげるような行為です。

見分け方は簡単で、それで将来子どもが幸せになるか不幸になるか考えるだけです。

甘えさせれば、人にも優しくなるなど人格が安定し、将来的に幸せになります。

甘やかせば、自分勝手のわがままになって、将来的に不幸になります。

「抱っこして」は決してわがままではありません。愛情エネルギーチャージの要求です。どんなに忙しい中であっても、たとえ数秒でもいいから、「抱っこタイム」を意図的に設けて、親子で心身をゆったりと回復させましょう。

 

◆中高生の子どもをぎゅっとハグする!

 

(3)中高生でも「大好きだよ」とぎゅっと抱きしめる

親の側にも絶対必要なIメッセージがあります。それが「大好きだよ」です。先の「抱っこ」と合わせて、ぎゅっと抱きしめて言えたら、効果倍増です。真面目にやるのが照れくさいなら、ちょっとふざけながらでもいいです。

幼児や小学生だけでなく、中学生でも、何なら高校生でもやるとよいでしょう。「気持ち悪いなぁ!」とか言いながら、内心喜んでいるものです(ただし抱きしめるのは、特に母親向きの手法です。思春期の娘に父親がやるのは本気で嫌がられる可能性があるので、実施の際は関係性を考慮した上での自己責任でお願いします)。

親に大好きと言われて、嫌なはずがありません。

ただ、注意点が1つあります。「大好き」が無条件であることです。「○○するから大好き」ではダメです(それを「条件付き肯定」という)。存在そのものを無条件で全肯定します。何はなくともあなたが大切というメッセージを伝えます。それが、子どもにとって、何よりも強力な心の支えになります。

中高生にもなれば、塾に部活にと忙しくなり、子どもが家にいる時間は急激に減ります。我が家がリラックスの場でなくなれば、寄りつかなくなります。代わりに外の刺激を求めて、外泊するようにもなるかもしれません。温かく、ゆったりとした空気が流れる我が家、自分を受け容れてくれる我が家であれば、自然に帰ってきたくなります。

 

別の事情として、例えば母子家庭で親が夜勤をしている場合、家に誰もいない場合があります。私自身が、そうでした。

しかし、親に愛されている感覚があれば、誰もいなくとも、安心する我が家に帰るものです。そのためには、言葉やスキンシップなどの具体的な形で伝える必要があります。親子間といえど、「以心伝心」とはいかないもので、努力が必要です。

その空気を演出するためのキーワードが「大好きだよ」です。親に心から愛されている感覚は、健全な自尊心を生み出します。これは、他の何を差し置いても最も大切です。

以上、子どもへの接し方をお伝えしました。

要は、「建前でなく、本音を伝える」という1点に尽きます。俗っぽいかもしれませんが、やはり伝えるべくは「愛している」ということなのです。

愛しているなら、思いは伝えても思い通りにしようとしない。愛しているなら、甘えさせても甘やかさない。

思い通りに動かすことも相手の要求通りに甘やかすことも、バランスの悪い両極端の行為であるとわかります。まずは本気・本音をきちんと伝えて、子どもの反応や変化についてはゆったりと楽しんで見守っていきたいものです。

 

(国立大学教育学部付属小学校教諭 松尾 英明)(PRESIDENT Online)

 

 

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