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遊びと脳回路3~脳の構造、体とこころをつかさどる脳を作らないとおりこうさんにはなれない

次に脳の構造です。
引用記事では、からだの脳⇒おりこうさん脳⇒こころの脳となっていますが、からだの脳=本能の部分が基礎であるところはその通りとして、おりこうさん脳=観念の部分(人間固有の抽象化した思考の出来る回路)よりも、こころの脳=共認(サル以降の他者と分かり合える回路)の方が基礎だと思います。その意味でイラストの2階建ての絵のイメージはその通りで、からだの脳、こころの脳がしっかり形成されないとおりこうさん脳は発達しないということです。つまり、小さなころからお勉強するのは全くの間違いで、体を使って遊ばないとおりこうさんにはなれないということです。

おけいこラボ [1]

3歳までにやっておきたい「育脳」! 脳の発達には、基礎となる“生活”が大事

「育脳」という言葉を聞いたことがありますか? 子育ての世界でも、脳科学が注目を集めています。

子どもの脳は、生まれてから3歳頃までに急激に成長するということがわかってから、「子どもの脳をどのように育てていけばいいのか?」という、情報がいろいろと取り上げられてきました。

今回は、小児科医であり発達脳科学者、そして一児の母としての子育て経験も踏まえ、子どもの脳の成長について研究されてきた成田奈緒子先生に、3歳までにできる育脳についてうかがいました。

お話/成田奈緒子(小児科医・発達脳科学者)

神経回路を作る「シナプス」の数は1歳頃がピーク!

まず、脳の仕組みを簡単に説明します。

生後間もない赤ちゃんの脳は400~500グラムで、大人の4分の1くらいの重さ。

ですが、脳の形や脳細胞の数は、大人とほぼ同じくらいあります。

では、なぜ生まれたての赤ちゃんは、話すことも立って歩くこともできないのでしょう?

それは、脳が未熟で、脳内での情報伝達がほとんど行われてないためです。

脳内には、情報処理をする神経細胞(ニューロン)が、140億~200億個あります。このニューロンが、複雑に結びついて情報伝達することで、脳は成長します。このニューロンを結びつけるために必要なのが、刺激です。

何かを見たり、聞いたり、触ったりといった五感を通した刺激が、電気信号となってニューロンに送られます。この刺激によって、ニューロンとニューロンの間に「シナプス」という接続点が生まれ、さまざまな情報が伝達されていくのです。

生後間もない赤ちゃんの脳には、このシナプスがほとんどありません。

生まれてから、刺激を受けることでシナプスが増え、神経回路がつぎつぎと作られていきます。

シナプスは、生後6か月頃までに急激に増加し、1歳頃にその数は最大になります。これ以降、不要なシナプスは刈り込まれ、徐々に脳内が整理整頓されて、効率よくスピーディーに働くようになっていくのです。

3つの脳「からだの脳」「おりこうさん脳」「こころの脳」をバランスよく育てることが大事

では、脳を育てていくためにはどうすれよいのでしょうか?

それには、順番とバランスがとても大事です。

脳の発達は、その働きにより「からだの脳」「おりこうさん脳」「こころの脳」の3つに分けられます。

 

❶からだの脳

位置…「脳幹」「大脳辺縁系」

役割…食べる、寝る、呼吸する、姿勢を保持するなど、生きるために必要な機能を担う

発達年齢…0歳~5歳くらい

 

❷おりこうさん脳

位置…「大脳皮質」「小脳」

役割…言葉や微細運動、勉強、スポーツなど、知能を発達させる役割を担う

発達年齢…1歳頃~18歳くらい。成長のピークは6歳~14歳頃

 

❸こころの脳

位置…「前頭葉」

役割…人を思いやる、想像力を働かせるなど、人間らしい脳の働きを担う

発達年齢…10歳~18歳くらい。成長のピー18~14歳頃

 

脳は、この❶❷❸の順番に成長していきます。

脳は、この❶❷❸の順番に成長していきます。

幼児期は、もっとも大事な「からだの脳」をしっかり丈夫に育てる時期!

脳が育つ順番がイメージしやすいように、2階建ての家を作ることに置き換えて説明します。

1階が最初に作られる「からだの脳」で、2階が「おりこうさん脳」です。

家を作る際は1階から作り始め、1階がある程度できあがってから2階を作り始めます。そして、1階と2階ができあがったら、それをつなげる階段をつけます。この階段が「こころの脳」です。

丈夫な家を作りたいと思えば、土台となる1階部分を頑丈に作っておきたいもの。同様に、「からだの脳」をしっかり育てることで、その後の「おりこうさん脳」「こころの脳」の成長もスムーズになります。

この時、「賢い子に育てたい!」という思いが強くて、1階の「からだの脳」ができあがる前に、2階の「おりこうさん脳」を育てようとしてしまう、という親御さんもいらっしゃいます。しかし、1階が貧弱なままだと、バランスが悪く、長持ちはしません

脳を育てていくのも同様で、順番が大事なのです。

では、「からだの脳」をしっかり丈夫に育てていくためには、どんなことをすればよいのでしょうか?

 

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