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「部下を成長させる上司」と「部下をダメにする上司」の5つの本質的な違い

これ、社会人の話ですが、
「上司」を先生、「部下」を生徒
「上司」を親、「部下」を子供
と読み替えても納得です。
(問題は、学校や家庭で外向きの課題や目標が設定できるのかということでしょうか・・・)

https://www.growing-labo.com/goodboss-badboss/   より引用します。
「人間はどこにいても学ぶことができる」は真実ですが、周知の通り「成長の早い場所」と「成長の遅い場所」があるのも事実です。
社会人は学校と異なり、定められたカリキュラムを行うわけではありません。したがって、「どこで働くか」、もっと言えば「誰と働くか」は、成長のスピードと大きな関連があります。
(中略)
そこで「部下を成長させる上司と、部下をダメにする上司の本質的な違い」について、書いてみたいと思います。

■人を成長させる上司とは
上司はあなたの成長を大きく左右します。あなたの仕事の裁量と人事権を持つ上司は、同僚よりも遥かに影響が大きいと言えます。
そして、あなたを成長させる上司は、次の要素を持っています。

1.結果にこだわる
これには2つの側面があります。
1つは「目標を持たされているか?」です。人は目標を設定したほうが、パフォーマンスが高くなることは経験的にも、学術調査でも明らかです。(Work Rules! 東洋経済新報社)
ところが、上司によってはあなたの目標設定をしないまま、漫然と仕事をするケースがあります。そして、それに甘んじてしまう自分……これでは大きな成長は望めません。
「どんな目標が望ましいか?」とあなたに聞き、「その目標に意味はあるか」「その目標を達成することで何が得られるか」を語る上司が、あなたを成長させる上司です。
もう1つは「設定された目標に対して、厳しく達成を促すか」です。
例えば上司が「目標は目安だから」と言っている人だったとしたら、どう思いますか?
おそらく、目標を真剣に考える人は少なくなるでしょう。「まあ、目安だし、達成しても達成できなくても良いかな」と皆言うに違いありません。
スポーツと同じように成長のためにはある程度の無理、ストレッチが必要です。
上司が「目標を達成することが何よりも重要だ。意地でも達成する」と言う人でなければ、大きな成長は望めません。「厳しい人のほうが人を育てる」は、真実です。

2.答えをすぐに言わない
能力を高めるためには、負荷が必要です。そして特に「頭脳への負荷」、すなわち考えることは、論理的思考、アイデア創造などの全ての能力を高めます。
ですから、良い上司は「部下に考えさせる」上司です。
具体的には「答えをすぐに言う上司」は部下に考えさせることが下手くそです。良い上司は部下に答えを言わず、ヒントを与えて部下が自分で考えるチカラを養います。
例えば、
「お客様への提案書の構成のアイデアがわかないのですが……」
と部下が聞いてきたとします。
そこで上司が、
「じゃ、この提案書の雛形に従って書いておいて。」
「この構成でやっておいて。」
というような人だったら、あまりよい状態とはいえません。
良い上司とのやりとりは、
「アイデアがわかない……なるほど。じゃ少し一緒に考えようか。」
「お願いします。」
「提案書はなんのために書く?」
「仕事を取るためです。」
「それは結果だな。仕事を取るためになぜ提案書が必要なのか?」
「……お客様にウチのやることを伝えるためでしょうか?」
「そうそう、何を伝えなければいけない?」
「まずはウチのサービスの良さ、価格、それからスケジュールですかね。」
「なかなかいいね、でも一つ大事なことが抜けてるね……。」
「何ですか?」
「何だと思う?」
「うーん……。」
「ヒントは、『お客さんが最初に知りたいのは何か』ってことだよ。」
「サービスでも価格でも、スケジュールでもないんでしょうか?」
「そうだね。オレが客だったら絶対に最初に確認することは別にあるね。」
「……なんだろう……。」
といった問答をできる上司の下についたら、ラッキーだったと喜ぶべきです。

3.過程を重視する
1.で結果にこだわる上司が良い上司、と言いましたが、だからといって「結果が全て」という上司は良くありません。
目標達成までの過程は一本道ではなく、やり方が色いろある上、試行錯誤が人を成長させるからです。
結果にこだわりつつ、過程で部下が何を学んだのかを見極め、時に会えて回り道をさせることも、人を育てる上司の条件です。
例えば、こんな会話です。
「セミナーの集客目標、達成できていないな。」
「……はい。申し訳ありません」
「ダメだろ、何やってんだよ。お前が努力しないから達成できてないんじゃないか?活動量を増やせって、あれほど言っただろう。」
「……」
「いいか、仕事ってのは御託をどれくらい並べても、結果が全てなんだよ。結果が出なけりゃクズだろ。全部無駄だろ。」

結果にこだわることは必要ですが、これでは進歩がありません。
「セミナーの集客目標、達成できていないな。」
「……はい。申し訳ありません。」
「すこし振り返りをしようか。」
「はい。」
「集客でやったことを教えてくれ。」
「DM、既存顧客まわりと、あとはセミナー集客をしてくれるwebサイトがありまして、それを使いました。」
「原因をどう考えている?」
「……それがあまり良くわかっていなくて……。」
「集客目標の内訳を教えてくれないか?」
「はい、DMから◯人、既存顧客から◯人、あとはwebから◯人です。」
「どれが達成できて、どれが達成できなかった?」
「圧倒的にDMです。当初の見込みよりも4割程度、参加者が少なかったです。」
「そうかじゃあ、……」
このように結果を責めるだけでなく、プロセスを明らかにして改善を促す発言ができる上司は、人を育てる上司です。

4.得意なことをやらせる
得意なことを重視し、不得意なことについてはあまり問題にしないのが、あなたを成長させる上司です。
なぜなら、人の大きな成長は、本来的に不得意を克服することで得られるのではなく、得意領域がますます得意になることで得られるからです。
書類作成の遅い技術者に、書類作成のスピードをあげるように要請しても、あまり大きな成長は望めません。
そうではなく「テストが早い」「交渉が得意」など、本人の特性を見極めて「誰よりもうまくできるようにする」指導をするのが、人を成長させる上司です。

5.あなたから学ぼうとする
良い上司は自分が完璧ではないことを知っており、また学ぶ事の本質を知る人物です。
上司が学ぶ姿を見て、あなたも「学ぶとはこういうことか」を知るのです。
そしてその姿を一番わかりやすく教えてくれるのが、「上司はあなたから学ぼうとしているか」です。部下から学ばない上司は、学びの本質を知っているとはいえません。
「じゃあ、今回の作戦はセミナー開催で。」
「待ってくださいリーダー。」
「セミナー開催は、今回の作戦としてはあまりスジが良くないと感じます。」
「なんで?」
「……今回のターゲットは、比較的忙しそうなお客様が多いかと思っています。皆、あまりセミナーに来たいと思わないかと。」
「うるさいな、前回うまくいったからこれでいいんだよ。つべこべ言わずに言われたことをやれよ。」
「……はい……。」
例えばあなたと意見が違っている時、意見を押さえつけようとするか、それともあなたがなぜそのような見方をしているのかを尋ねるか、どちらが学びの姿勢として優れているかは明らかです。

「じゃあ、今回の作戦はセミナー開催で。」
「待ってくださいリーダー。」
「セミナー開催は、今回の作戦としてはあまりスジが良くないと感じます。」
「なんで?」
「……今回のターゲットは、比較的忙しそうなお客様が多いかと思っています。皆、あまりセミナーに来たいと思わないかと。」
「前回はうまく言ったじゃないか。ターゲットが多少違っていても、セミナー以外の有効な手段があるかな?」
「……そうですね……。」
「ちょっと考えてみようか。ターゲットが違っている、をもう少し詳しく教えてくれないか?」
「はい、さっき資料を見たのですが……」

あなたに尋ねることで、上司は「あなたの意見を聞くことができる」と「あなたが上司に教えることによってあなたの学びになる」の両者を得ることができます。

■まとめ
人を成長させる上司は、前述したように優しい上司ではありません。
「成果に厳しく、自分で考えることを求め、学びの本質を知る」上司です。
あなたの側にもそれ相応の覚悟が求められますが、それを補って余りあるほどのメリットがあるでしょう。
転職や移動などで環境が変わったり、上司が変わった時はぜひ、こんな上司や先輩を探してみてください。

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