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子供の仕事は勉強ではない、やっぱり仕事!

最近の学校では、宿題で「お手伝いをする」というのがあるらしいです。

なんか違うだろ!と突っ込みたくもなりますが、学校教育でも手伝いの大切さはわかっているのかもしれません。

そこで今回はお手伝いについて考えてみましょう。

以下(https://coeteco.jp/articles/10316)より引用します。
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「お手伝い」から学べる4つの効果

〇実物に触れることで五感が磨かれる
家事は『視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚』といった五感を使いながら行うものですよね。

現代では小学生の国語の宿題で音読が出ることが多いですが、勉強をする上でも五感を使うと、脳の働きが活性化したり記憶が定着しやすくなるのです。

音読の他にも、九九の歌を歌ったり、図形や地図を見たり、生き物と触れ合ったり、社会問題について議論したり、英会話をしたり。五感を使いながら勉強をすると、勉強が楽しくなるというのもメリットの一つです。お手伝いは何気ないことですが、毎日五感を使うと考えると侮れません。

〇自ら段取りを考え、工夫するようになる
家事を行うには、段取りを考える必要がありますよね。

たとえば配膳の場合、配膳のタイミングを考え、テーブルの上を片付けて、布巾で拭きます。それから箸やお茶碗、コップなどをそれぞれ並べ、大皿を中央におくといった段取り通りにやるのが家事というものです。

毎日お手伝いをしていると、次第にどうやったら早くできるか、やりやすくなるか、楽にできるかなどの効率も考え始めることでしょう。キッチンカウンターにお皿や茶碗を用意しておく、お盆を使うなど、工夫をするようになります。

段取りを考えたり、効率を考え工夫することは、勉強をする上でも重要です。こういった経験を家事でしておくと、勉強をするときにも応用しやすくなります。

〇責任を持つことで自主性がつく
お手伝いを任せれば、『自分の仕事』として責任を持つようになります。自分がやらなければ家族が困るので、自主的にやるようになるでしょう。

また、たとえば洗濯物を畳んでいただけなのが、畳みやすい干し方を考える、畳みやすい場所を考えるなど、断片的ではなく流れとして考えるようにもなります。

こういた自ら考える自主性も、勉強をしたり、将来を考える上ではプラスになりますよね。

〇社会の一員として働く意識が持てる
お手伝いをすると、家族のためになります。

『家族の一員として働く意識』を持つことは、やがて社会に出て『社会のために働く意識』を保つための架け橋となってくれます。ある意味、社会勉強とも言えるのですね。

大人になって仕事・結婚・子育てをする際にも、友人関係や趣味においても、『誰かのために動く』という意識は重要です。

『誰かのため』を考えることで仕事でも意義が見出せ、良好な人間関係を築けるようになり、人生が豊かになるでしょう。

〇ポイントは『長い目で見て見守る』
お手伝いにメリットがあるとわかっていても、忙しい中家事を教えるのは一苦労ですよね。

適当なやり方にイライラしたり、危なっかしくて怒ってしまい、結局「もういい、私がやるわ」なんて言ってしまいがちです。

子どもが初めてやることですから、下手だったり、適当だったり、危なっかしいのは当たり前でもあります。目先だけを見るとイライラしますが、長期的な目線で見ると、怒りも次第に治まってくるでしょう。

「いつか上手になる」と信じ、やり方を教え危ないことは注意するものの、基本的に見守るスタイルをとると親子共に楽になります。

子どもは自分で考えて試すことが好きなので、やる気がそがれず、ゆっくりでも上達していくでしょう。長期的には期待しつつ短期的には期待しないでおくと、親の気持ちも楽になります。

大人にとっては何気ないお手伝いですが、『毎日、繰り返しやる』からプラスの影響も出やすいでしょう。子どもが自ら勉強し、将来を考えるという姿勢を築くためにも、お手伝いを取り入れてみてくださいね。
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様々な効用がある「お手伝い」ですが、大人になってその違いはより顕著になるようです。

以下(https://president.jp/articles/-/8579)より引用します。
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使い物にならない新人の共通点とは?

私の知人がある会社の人事部で採用を担当したときのこと。面接、テストと段階を重ねて採用した十数人を社内に配属したところ、しばらくして配属先の上司が人事にねじ込んできた。

「使い物にならん。気が利かず感謝を知らない、自ら学ぼうとしない奴らばかりだ」というのだ。

困惑した人事部では改めて社内調査を実施、「使える人材」と「使えない人材」を分けるポイントを探った。そしてわかったのは、「使える」と言われた新人はみな子どもの頃に親の手伝いをした経験があり、「使えない」新人はしたことがない、という事実だった。つまり「小さい頃お手伝いをしていたかどうか」が両者を分けたのだ。

以後この会社では、「子どものときに親の手伝いをしたことのない人間は、採用してはならない」と決めたという。

国の調査によれば、お手伝いをよくする子どもは非常に正義感・道徳心が強く、お手伝いをしない子はその逆だった。また東京都の調査では、お手伝いをしている子は、していない子より問題解決能力が高かった。

他人とのコミュニケーション能力、判断力、洞察力など、企業に採用され評価されるにしても他の仕事につくにしても、共通して必要とされる能力がある。仕事に困らない人間になるためには、そうした能力を早いうちから身につけねばならない。そのために「お手伝い」に勝る経験はないのである。

現代の日本で親が子どもに第一に求めることは「勉強」だ。「勉強しなさい」と言われ続けた子どもたちは、「一番大事なのは勉強だ」と思い込む。たまに「お手伝いしなさい」と言われても「家事はお母さんの仕事でしょ」と反論する。受験生の親などは「子どもに勉強以外何もさせないことが自分の仕事」と心得ている。親子とも悪しき「勉強至上主義」に毒されているのだ。

しかし子どもの勉強も、家あってのもの。生活のために親のしている仕事こそ、何より大事なもののはずである。私に言わせれば子どもが一番にすべきことは勉強ではなく、親の手伝いである。つまり「お手伝い至上主義」だ。

私は福井県の八百屋の子として育った。子どもが商売を手伝ったり家事を分担したりするのは当たり前のことだった。その経験からしても、最も子どものためになるお手伝いは、家業を手伝うことだと実感している。

とはいえサラリーマン家庭ではそうもいかない。私は次善の策として家事を手伝わせることにした。3人の娘全員に、物心つくかどうかという時期から家事の手伝いを始めさせたのだ。掃除、洗濯、お使い等々……。

ただ、お手伝いといっても、小さな子にやらせれば親の手間はかえって増える。自分でやってしまうほうがよっぽど楽だが、夫婦で我慢し、子どもにお手伝いをやらせ続けた。
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子供にとって手伝いは、社会への入り口、仕事そのものへとつながっていくのです。

今では農家の手伝いや、自営業で手伝いをするようなケースは少なくなってしまいましたが、子供の仕事は勉強ではなくやっぱり仕事、生きる力を育む最善の方法であることは間違いなさそうです。

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