- 感謝の心を育むには - http://web.kansya.jp.net/blog -

子供の仕事は遊びである!33 ~出来る子は遊んでいる!2

つづきです。

東洋経済オンライン [1] さん 事実!できる子は「遊びの質」が優れている より

こういった遊びをすると、どうなるかといいますと、次のようなことが無意識のうちに“学び”として備わってくるのです。

無意識のうちに“学び”へ変化する

【普遍的基礎力】(いつでもどこでも通用する「根本の力」という意味。私の造語です)
(1)想像力→イメージすることが自然と訓練される
(2)創造力→ゼロから新しいものを作り上げる。または新しいルールを自ら作る
(3)積極性→遊びへの参加は前向きである。後ろ向きに遊ぶ子はいない
(4)交渉術→問題があったときに口喧嘩をする。これはある種の交渉
(5)協調性→ひとりで遊ぶこともあるが、集団で遊ぶ場合は、これが育まれる
(6)挑戦意欲(探究心)→子どもは、遊んでいるうちに、さらに遊びの水準を上げる傾向がある
(7)集中力→遊びには夢中になれる。集中力の訓練が自然となされる
(8)心身の健康→いうまでもない

遊び [2]まだまだこれ以上あるかもしれませんが、あえて言語化すると以上のようになります。大人でも、よく遊び、仕事のできる人は、「遊びから得られたヒントがビジネスで応用されることが多い」といいます。これは大変興味深いことです。上記の8つは、ビジネスでも必要とされるエッセンスであることを考えると、“遊び”がいかに重要なことであるかおわかりいただけるのではないでしょうか。

このように考えると、遊びには「能力開発」という側面もあるのです。たとえば、高橋さんのお子さんのように秘密基地づくりをしたり、野山で自然と触れた遊びをしたりしているかどうか。また鬼ごっこやかくれんぼ、お人形さん遊びや昔からの伝統的遊びをやっているかどうか。

伝統的な遊びには、それだけ長く続くだけのよさがなんらかあったということです。遊びを通じて、トラブルからの学びであったり、人間関係の複雑さを学んだりもしていたのです。

では、このような遊びばかりをしていて、勉強についていけるのかどうかという問題です。先ほど、述べましたように、今後生きていくうえで非常に貴重な「普遍的基礎力」がついていく「遊び」ですが、では、勉強はまったくしなくていいのかというと、もちろんそれとこれとは別です。やはり、勉強はできないよりはできたほうがいいのです。子どもの自信にもつながります。では、高橋さんのようなお子さんで、中学受験を考えていない子はどうすればいいでしょうか。

この27年間、私は数多くの小中学生を見てきましたが、この10年で特に顕著なのが、「小学校段階で基礎ができていないために、中学1年の授業にほとんどついていけない生徒が明らかに増えている」という実態です。もっと正確に言えば、勉強ができる子とできない子の格差が年々大きくなっているという事実なのです。これは統計でも出ていることです。

小学校のときに基礎・基本がしっかり身についていれば、公立の中学校の勉強はスムーズに入っていけるのですが、掛け算の九九もあやしいという子もたくさんいます。それではもはや中学校の授業は成立しないことでしょう。もちろん、小学校の授業も重要ですが、集団で授業を行っている以上、すべての児童を個別で見ることは現実的には難しいことです。ですから、家庭においても最低限のフォローはしておかなくてはなりません。

「朝飯前」にドリル学習が効果的

石田先生の近著。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

私がいつも推奨しているのは、ドリル学習です。できれば朝、学校へ行く前に30分でやってしまう習慣をつけるとよいでしょう。いわゆる「朝飯前」というものです。

朝飯前ですから、多少早く起きなくてはなりません。ということは、夜は早く寝なくてはなりません。正しい生活習慣も身につきます。そしてドリルは、最低限、計算ドリル、漢字ドリルを1枚ずつぐらいはやりたいものです。運動における「筋トレ」みたいなものです。(習慣化が難しい場合は、「子ども手帳」を使って習慣化させてみて下さい。また、前回記事で中学校になったらドリル学習のみでは足りないという記事を書いていますが、小学生のうちのドリル学習は非常に有効です)

遊びで「普遍的基礎力」をつけ、ドリルで基礎学力を身に着けていくことで、その後の中学、高校への準備ができると思っています。もちろん、それ以上の勉強をすることも問題ありませんが、基礎・基本をコツコツと地道にやることが、勉強ができるようになる「王道」です。是非、高橋さんのお子さんは今の生活のよさ、外遊び主体の生活は続けつつ、勉強など気になる点については、このように補強されてみてはいかがでしょうか。きっと、ぐんぐん伸びる子になっていくでしょう。

えーっと、ドリルはいいです。人が育つ上で遊びが重要なのですが、学校の成績はどうでもいいです。

[3] [4] [5]