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横並びの子育てをしない強さ 萩野公介選手

「だって表情がとても豊かでしたから。自分の意思を言葉ではなく、体や行動で十分すぎるほど示していました」

何と言われても平然としているお父さん、素敵です!

 

https://benesse.jp/kosodate/201802/20180223-2.html [1] より引用します。

 

リオ五輪競泳の個人メドレー400mで金、同200mで銀、フリーリレーで銅を獲得した日本競泳界のエース・萩野公介は、4泳法をこなす日本では稀なオールラウンダー。五輪で金23個を含む28個のメダルを獲得した米国の怪物マイケル・フェルプスに似ていることから、“和製フェルプス”と呼ばれている。

 

そんな“怪物”はどうやって誕生したのか。

栃木県小山市に住む父・洋一さんが首を傾げる。

「僕も妻も運動はしていなかったので遺伝的な要素はゼロ。親が一番びっくりしています」

設計士の父は東京勤務だが、満員電車に乗るのが嫌で、公介が生まれる前に縁もゆかりもない小山市に居を構えた。子どもの将来のために環境のいい場所を求めたのではなく、二人のライフスタイルを優先してのこと。7年後に公介が誕生。夫妻のゆとりを求める価値観は、子育てにも生きた。

 

母・貴子さんは公介を妊娠すると、未来のママ友を求めマタニティースイミングに通う。出産後は、公介の友だちづくりのため母と子のベビースイミングに出向いた。公介は初めから水を怖がらない子だった。母が言う。

 

「2歳になったばかりの頃、誰も教えていないのに犬かきのようにして泳ぎ切った。その時、この子水泳に向いているかもと思った」

だが母はそれ以上に、3歳になっても「トト(お父さん)」と「カカ(お母さん)」しか喋らないのが気がかりだった。保健所から家庭に問題があるのではと調査しにきたほどだ。心配する母をよそに、父は平然としていた。

「だって表情がとても豊かでしたから。自分の意思を言葉ではなく、体や行動で十分すぎるほど示していました」

 

横並びの子育てをしない強さが両親にはあった。二人は真っ白な状態で息子を育てようと、公介の興味をもったことは何でもやらせた。スポーツだけでなくピアノ、英語、学習塾…。

 

幼稚園は近所にある英才教育を謳うところではなく、車で15分ほどの自由な教育を実践している園を選んだ。父が言う。

「とにかく息子は枠にはめられるのが嫌いで、何かやりなさいと言われると反対のことをやる性格。もし何か公介が間違った方向に行こうとしたら、公介を納得させた上でその行動を止めさせる。“お巡りさんに怒られるから止めなさい”という、あの方式だけは絶対やらないようにしました」

 

幼稚園の時に“選手育成コース”に入らないか、と勧められた。だが、選手コースは毎日通わなければならず、他の遊びや稽古は出来ない。母が公介に問うと、即座に「やりたい」と告げた。母が述懐する。

「この時に、私の時間はすべてこの子に与えようと決めました」

 

以来10年以上、母は毎日往復4時間かけてプールまで送り迎えを続け、遠路帰宅した父は息子の水着の洗濯係を務めた。それが萩野家の日常風景。水泳と勉強に集中できる環境を与えられた息子は、学校の成績も常にトップクラスだった。

 

公介が20歳になったとき、「親には絶対言えないけど」とこう打ち明けられたことがある。

「僕は両親を世界一誇りに思っています」

 

 

 

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