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子供の仕事は遊びである!11 ~なぜ子供に遊びが必要なのか

さらに、子供にとって遊びが必要な理由を探っていきますね。

遊びを剥奪すると子供にとって危険なのです。

イクジスト  [1]さんから

「子どもは、遊ぶのが仕事だ」

私が小さい頃に言われた言葉です。

でも、最近の子どもは、塾や習い事で遊ぶ暇もないくらい忙しいのかもしれませんね。

3歳児神話も相まって、子どもの将来を思う親心から、早期教育を望むお父さん、お母さんも少なくありません。

「子供の将来のことを考えると。。。」「周りの子も塾やら習い事に通ってるし。。。」なんて、心配事が尽きないですよね。私も子を持つ父親として、同じ心配を抱えています。
それでも、「子供は、遊ぶのが仕事だ」とはよく言ったものです。

子供にとって遊びは、やはり必要なもののようです。

「うちの子は、勉強もしないで遊んでばっかりだ!」なんて心配しているお父さん、安心してください。もしかしたら、その「遊ぶこと」が、将来の子どもにとって、もっとも良いことなのかもしれません。ペンペン草2 [2]

子どもは遊びを通して”世界”を知り、”社会性”を養う
赤ちゃんは、遊びを通して物事を認識していくようです。

初めて見る目の前のものを、叩いたり転がしたりなどして、それが何であるかをわかり始めます。

成長して他の子どもと遊ぶようになると、遊びを通して、他人とのコミニケーションの仕方を学びはじめます。列に並ぶことや、おもちゃの貸し借りにより、ルールを守ることや、相手を思いやる心を身につけていくのです。

「ごっご遊び」もそうです。子供は大人のやることをよく見ています。そして、真似をします。

大人の世界を、自分たちの世界に落とし込んで体験しているようです。そのように、遊びを通して周りの世界のことを学びながら、徐々に社会性を養っていくんですね。

”遊び”は”学びに向かう力”を養う

勉強が大好きで自ら進んで勉強する子ならばいいのでしょう。しかし、遊ぶことを我慢して勉強ばかり強いられたとしたら?

逆に苦手意識がついてしまうかもしれません。

遊びは、好奇心を養いますし、自ら面白いということは驚くほど吸収します。このような好奇心が、のちに学習意欲につながるのではないでしょうか。

実際に、小さい頃に”遊びこむ”経験があった子は、学習意欲が高くなるという調査結果があります。

ベネッセ教育総合研究所は、上記の調査結果から、

幼児期に「遊び込む経験」をたくさんした子は、そうでない子に対して、「学びに向かう力」が高い傾向がみられた,

と結論付けています。

この話は、私の息子が通った幼稚園の園長さんからも聞いたことがあります。

就学前は、”根っこ”の部分を育てておけば、いずれは自ら良い方向に成長するのだそうです。そのような遊びの重要性を理解して、その幼稚園は遊びを重視する方針を取っていましたよ。

遊びには「発想力」「想像力」「創造力」がつきものです。

子どもは、”ごっこ遊び”をしますが、それは想像力なくしては成り立ちません。

鬼ごっこの「みそっかす」は、小さな子でも鬼ごっこに参加できるように工夫した特別ルールです。これも、どうにかみんなで遊ぼうと工夫した、発想力の賜物ですよね。

そして、子どもは、たとえ遊びに必要なものが不足していても、創造力を駆使して何とかして遊ぶわけです。

 

将来、単純作業は人工知能やロボットにとって変わられると言われています。

「発想力」「想像力」「創造力」といったこれらの能力は、将来にも、良い仕事をするうえで最も重要な能力であるとも言われています。

そのような力を身に着ける習い事も人気のようですが、子供たちは普段の遊びの中で、ワクワクしながらその力を養ることができるのです。

遊びが不足すると、成長に悪影響を与える
子どもに、遊びが不足すると何が起こるでしょうか?

子供の遊びの重要性を、科学的根拠もまじえて説いている本『子どもの「遊び」は魔法の授業』の中で、著者はこんなことを言っています。

一部の専門家は、「遊びの剥奪」が憂うつや恨みをもたらす可能性があると主張する。(略)子どもは自分の身に起こることをほとんどコントロールできない。だから、休息が必要なのだ。学習したことを吸収し、新しい技能に精通し、恐ろしい情動体験を克服し、ただ単に楽しむための休憩である。

出典:キャシー・ハーシュ=パセック、ロバータ・ミシュ二コック デラウエア、ダイアン・アイヤー(2006)『子どもの「遊び」は魔法の授業』(菅靖彦訳)、pp.342-343、アスペクト.

遊びの剥奪が、憂うつや恨みをもたらす可能性がある。

そう聞くとちょっと怖いですね。

そして、下記のような研究結果も例に挙げて説明しています。

「遊びの剥奪は動物の脳に否定的な影響をもたらす可能性があることを、最近のいくつかの研究が示している。(略)オハイオ州ボウリング・グリーン大学のジャーク・パンクセップ名誉教授によるラットの研究は、(略)遊びを剥奪すると、脳の成長に遅れをきたすことを発見した。」

出典:キャシー・ハーシュ=パセック、他(2006)『子どもの「遊び」は魔法の授』(菅靖彦訳)、pp.343、アスペクト.

ラットでの研究ですが、人も動物。人ごとではありません。大人だって、完全に遊ぶことを奪われたら発狂します。

「ミネソタ州立大学のアンソニー・ペレグリーニ教授の研究で、学校の生徒に遊びの休憩をあたえると、考えることを含め、勉強への注意力がいちじるしく高まることもすでにわかっている。」

出典:キャシー・ハーシュ=パセック、他(2006)『子どもの「遊び」は魔法の授』(菅靖彦訳)、

とにもかくにも、子どもの健全な発育には、遊びという休憩が必要のようです。
さいごに
子供の健全な成長にとって、とても大事な効用が、遊びにはあるようです。

子供がまったく勉強しない。。。なんていうのも考えものですが、勉強勉強と詰め込みすぎるのも良くないようですね。要は、バランスが肝心でしょうか。

 

いや、遊べばいいんじゃない?したくない勉強なんかしなくていいよ、どうせ社会では役に立たないから。

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