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子供に考える力を身につけさせるための親の心構え

考える力を身につけさせたいと思っている親はたくさんいると思います。

でも、熱心になればなるほど、考える力をつぶしてしまうこともあるのかも! ><

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より引用します。

 

◆考える力の原動力は考える意欲

フランスの哲学者パスカルは、「人間は考える葦である」と言いました。人は、葦に例えられるような弱いものであるけれど、考える特性を持っているとして、思考の偉大さを説いたものです。考えるという行為は、人間にしかできない優れたものです。

人は、日常的に考えを巡らせています。今日は何を着ようか、どの道を通って通勤しようか、お昼には何を食べようかと、自然と考えるという行為をしています。しかし、ここで言う「考える」という行為は、何気なく考えを巡らせることではなく、自分の頭で深く考える行為です。

考えるには、第一に意欲がなければいけません。やりたくない勉強を嫌々やっていては、考えることが楽しいと思えることはないでしょう。一方、考える意欲が湧いていれば、考えることが楽しくてたまらないという状態になります。

例えば、学校で先生が少し難しい問題を出したとします。頭の回転が早い子がすぐに答えを導き出して、正解をもらいます。そこで多くの子供は答えを知りたがります。しかし、中には絶対に答えは聞かず、自分で答えを導き出そうとする子がいます。その子にとっては、答えを知ることよりも自分で考えることが楽しいのです。

考える習慣がついている人は、大人になっても常に考え続けています。考えることが楽しく、考えが浮かぶたびにそこからまた新たな発想を得て、どんどん新しいアイディアが浮かびます。

答えを知りたがらない子供も、大人になっても思考力が衰えない人も、考えることが楽しくて仕方ありません。初めに考える意欲があり、考え始めるとエンジンがかっかたように、どんどんやる気が湧いてきます。子供の考える意欲を大切にし、伸ばそうとする親の態度が必要です。

 

◆親のエゴが子供の考える意欲を削ぐ

親が子供のためによかれと思ってしていることが、子供の考える意欲を削いでしまう可能性があります。早期教育に熱心に取り組んでいる親の多くは、幼いうちから知識を詰め込むのが良いと考え、文字や数字を覚えさせようとします。

しかし、子供にはそれぞれの発達段階があり、それを無視して知識を植え付けようとすることは、脳の発達からすると好ましくありません。

早期教育に熱心な親ほど、子供が幼いうちから、習い事をさせようとします。習い事をすること自体が悪いわけではありませんが、他の子供と比べて「どうしてできないの?」と叱ったり、「先生が言った通りにやってごらん。」と無理やり練習させたりすることはよくありません。

親に無理やりさせられたり、叱られたりすれば、子供はやる気をなくしてしまいます。

子供が自分からやりたいというのなら別ですが、親のエゴで無理やりさせてはいけません。幼いうちは、思いっきり好きなことをして遊んだ方が、意欲もやる気も引き出されます。自分で楽しんでする遊びには、いつの間にか集中し、自然と考えているものです。

子供は親が無理に与えなくても、考える意欲を持っています。親が何かを無理やりさせようとした途端、その意欲は削がれてしまいます。子供自身が夢中になれることや好きなことを思いっきりさせてあげれば、考える意欲はぐんぐん伸びていきます。

砂場で遊んでいる子供を観察していると、砂を1つ1つ、つまみながら、種類ごとに分けている姿を目にすることがあります。大人からすると、なぜそんなことをするのかと疑問に思うことですが、子供なりに考えを働かせています。

この砂は透明、この砂は黒と色分けをしたり、こっちは四角、こっちは丸というように形分けをしたりしています。子供なりに一生懸命考えている姿です。このような子供の考える意欲を大人がつまないように見守ることが、考える意欲を伸ばすコツだと言えます。

 

(中略)

 

◆子供に自分の考えを持たせる親の受容

子供に意見を言わせたり、作文を書かせたりする際に、周りの大人は「自分の考えを持ちなさい。」と言います。自分の考えを言ったり書いたりすることは、子供にとっては簡単なことではありません。

しかし、自分の考えを持つことは、社会では必要不可欠なことです。会議では常に意見を求められます。担当する業務、取引先との交渉、新商品についてなど、常に自分の考えを持っていなければなりません。就職試験では、志望動機や入社後の展望など、自分の考えを問われます。

自分の考えを持たせるには、親はどうすればいいのでしょうか。第一に、子供の考えを認めることが大切です。例えば、図工のある日に、「新しいTシャツを着ていきたい。」と子供が言ったとします。親としては、図工の授業で絵の具や粘土がついて汚れてしまうことが予想できます。

しかし、頭ごなしに「ダメでしょ!」と言ってしまってはいけません。考えを認め、なぜ着ていきたいのかを尋ねるといいでしょう。その上で、親の考えを伝えることです。最終的な判断は子供に委ねてほしいと思います。

親が、子供が自分なりに考えて発した言葉を認めることで、子供は自分の考えに自信を持つことができます。親の目線で見ると馬鹿らしく思えることも、子供の目線で見ると面白いことです。親が時には子供の目線に下がって物事を見ることで、子供の考えを認めることができるでしょう。

 

◆感情を揺さぶる体験が考える力を育む

感動や驚きなどの感情を揺さぶる体験は、子供の思考に大きな影響を与えます。ある日、小学生の男の子が母親に「考古学者になりたい。」と言ってきました。突然のことにびっくりした母親が理由を尋ねると、学校に講演に来た考古学者の話に感動し、自分もなりたいと思ったということでした。

「どうして考古学者なの?」と聞いても、「すごいから。」「かっこいいから。」と言うばかりで具体的な理由は出てきません。実際には、何ヶ月もかけて遺跡を発掘したり、何年もかけて研究をしたりして、歴史を覆すような発見をすることに衝撃を受けたのかもしれません。

すぐには言葉にできなくても、子供が受けた衝撃は大変大きなものだったのでしょう。このような感動体験は、時間と共に思考に影響を与えます。自分の将来を考えるときに、感動体験は力を発揮します。

そのときに、「なぜ考古学者になりたいのだろう?」(小学生のときに聞いた考古学者の話に感動したから。)「なぜ感動したのだろう?」(長年の発掘や研究が認められて大発見につながるから。)「考古学者になって何がしたいのだろう?」(世紀の大発見をして、歴史に名を残したい。)と、考えを深めるきっかけになります。

星空を見上げる体験や、水平線まで広がる青い海を眺める体験など、自然の中での体験は感動や驚きでいっぱいです。機会を捉えて自然学校に参加させるのもいいでしょう。家族で流星群を見に行ったり、海水浴に行ったりする体験も積極的にさせてほしいと思います。

感情を揺さぶる体験は、感動と驚きだけではありません。友達とケンカをして悲しい思いをしたり、スポーツで負けて悔しい思いをしたりすることも、感情を揺さぶる体験です。友達とどうやって仲直りをしようか、なぜ負けたのだろうかと深く考えるきっかけになります。

子供の感情が大きく揺さぶられているとき、考えを深めるような言葉かけをしてあげてほしいと思います。体験の中から考えたことは、後に振り返っても心に残る出来事になるはずです。

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