- 感謝の心を育むには - http://web.kansya.jp.net/blog -

子供をダメにするカーリング育児

「ほら前を見て!車がきたら危ないでしょ!」
「早く準備しなさい!急がないと遅刻するよ!」

先回りして口を出してしまうことありますね。
また、転ばぬ先の杖とばかりに何でも先回りしてやってあげたり・・・

でもこれって親の言葉には反応するけど、本当の危険を感じ取ることができなくなりそうだし、自分で必要性を感じて行動する経験が詰めないのではないかと思います。

最近、こういう親のことをカーリングペアレントと呼ぶのだそうです。

以下(https://allabout.co.jp/gm/gc/471162/)より引用します。
——————————————
●スポーツでは人気者、育児だとNGのカーリングペアレントとは?

「カーリング」というスポーツをご存知でしょうか? 氷上に投げられたストーンの進む道を、ブルームと呼ばれるブラシでゴシゴシとならし、ゴールでの得点を競う、あのスポーツです。オリンピック中継などで見たことがある方も多いと思います。とてもユニークなスポーツですよね。

見ていて面白いカーリング、でもそれが、「育児」に当てはまると困ったことになります。今、「カーリングペアレント」という存在が問題視されています。スポーツのカーリングでは、”ストーン”の進む道をならしていきますが、カーリングペアレントは、”子供”が進む道をならしてしまうのが特徴です。

この記事では、カーリングペアレントが、子供達に与えうる影響について、子育て心理学の見地からお伝えしていきます。
●親が地ならしをしてしまうことで子供が逸する経験

親が先回りして、子供の通る道をゴシゴシ。それによって作られる小石も水たまりもないスムーズな道は、子供達にとっては、なんとも快適です。スルスルっと人生が進むので、周囲にも「万事順調」という印象を与えるかもしれません。しかし、長い人生、ずっとスルスルと行くわけではありません。

親子で一緒に過ごす時間が多い幼少期は、親が先回りして子供の道を平らにすることは可能です。しかし、幼稚園、小学校、中学校…と進むにつれ、子供は一日の大半を親と離れて過ごすようになります。まっ平な道しか歩いて来なかった子にとっては、小さな石ころもちょっとした段差も、つまづきの原因になってしまいます。そして、大きな岩が目の前に出現したら、もうどうしていいのか分かりません。なぜなら、そんな大きな岩は見たことがないからです。

親が先回りし地ならしをする環境で育った子供達には、次のような経験が欠如してしまっています。

困難にぶつかる経験
自分で考える経験
プレッシャーに耐える経験
失敗する経験
辛い思いや不安な気持ちを乗り越える経験

「いや、こんな辛い感情、子供には必要ないでしょ」と思う方もいるでしょう。しかし、「レジリエンス」と呼ばれる”転んでも立ち上がれる力”は、このような経験で培われていきます。

アメリカ心理学会の会長をつとめたセリグマン博士も、

『子供には失敗が必要である。悲しみや不安や怒りを感じることが必要である。一時の感情に駆られて子供を失敗から守ってやれば、技能を学ぶ機会を奪うことになる。』

と言っています。
●大事な経験を逸してしまうと、その結果どうなる?
親が子供の進む道をならし続け、子供達がすべき経験をできないと、次のような状態に陥ることが考えられます。

主には、

我慢できない
待てない
いざというとき踏ん張れない
すぐにあきらめてしまう
自分で考えようとしない

そうです、よく聞く「育児の悩み」へとつながってしまうのです!

イギリスの大学が、70の研究を対象に行ったメタ分析では、過保護といじめのリスクの関連性も指摘されています(*)。

親が過保護に育ててしまうと、子供の自分力が十分に伸びないため、何か問題に直面したときに立ち往生してしまうことが増えます。もし、子供同士の人間関係で発生する諸問題に上手く対応できないと、どうしてもターゲットになりやすくなってしまうのだそうです。先回りして地をならすのは、子供のためにはならないのですね。

●親がすべきことは子供の道をならすことではない
親がやり過ぎてしまう傾向は、何も日本だけに見られる現象ではありません。そもそもモンスターペアレントやヘリコプターペアレントも、外から入ってきた輸入品です。アメリカやイギリスを始めとする諸外国でも、親が手を出し過ぎる傾向は強まっていて、問題視されているのです。現代の育児傾向と言っても過言ではありません。

先日、「フランスの子供は夜泣きをしない」の著者でもあるパメラ・ドラッカーマン氏が書いた「Curling Parents and Little Emperors」というタイトルの記事を読みました。訳すと「カーリングペアレントと小さな皇帝」。非常にインパクトのあるタイトルです。もちろん”小さな皇帝”は、子供達のことを指します。

親にとって、可愛い我が子の存在は、永遠のプリンス&プリンセスであるのは間違いありません。でも、いわゆる「王様状態」にしてしまうと、その子が将来困ってしまうことになります。どんなに可愛いプリンス、プリンセスも、自分の進む道上にある急坂や難所は、自ら乗り越えていかなければいけないのです。

親がすべきなのは、先回りして問題を解消することではなく、

どう解決したらいいかを教えてあげること
困難を乗り越える際に、あふれ出た感情を受け止めてあげること
失敗してしまったときには、次の策を一緒に考えて、励ますこと

このような接し方をすることで、子供たちは「平たんな道」では味わえない経験をし、それがその子の自分力になっていきます。はじめは、先回りをやめることに勇気が要ると思います。でも、お子さんの将来のためだと思って、「親は見守る、子は歩く」の体制に持っていきましょう。
———————————–
親は子のためを思って、何でもちゃんとできるようにと思って子供に接しますが、度を過ぎると何もできない、何も考えないようになってしまうのです。

本人は子供のためと思っているかも知れませんが、本当はそうして言うことを聞くようになったほうが楽だし、ちゃんと子育てしているような気になれる・・・親の都合なのかも知れません。

見守るには根気が要ります。勇気が要ります。あえて口を出さない、やってあげない、そして指示してやらせるのでもなく、子どもがやろうとしていることを援助してあげる。

でもそうすることで子どもは自立し、自分で生きていく力を育むのだと思います。

[1] [2] [3]