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子育てで大事なのは、親自身が社会に生き、次代を洞察すること。

たいていの親御さんは「この子が社会に出ても自立して生きてゆけるように」という思いで子育てしていると思います。

でも、その子供たちがどんな社会で生きていくことになるのか?
となるとたいていは自分が生きてきた社会の延長でしかイメージできず、自分の体験や常識?に立って子供に接しています。

しかし現実の社会はどんどん変化しています。私たちが生きてきた時代からは想像もつかないくらいの大転換を迎えているといってもいいでしょう。

社会はどう変化しているのか?これからどのようになって行くのか?
がわかれば、漫然と子供を学校に行かせている場合ではない、ということに誰もが気づくはずです。

今回は日本の現状と可能性について考えて見ます。

以下(http://homeshoolclub.blogspot.jp/2017/11/blog-post_26.html)より引用します
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日本のカエル
50年前最初に入った会社の研修で、「いずれコンピュータがほとんどの仕事をこなすようになるだろう」と言い放った先輩の課長に、「いくらなんでも営業は無理でしょう」と聞くと「いや、いずれ営業もコンピュータができるようになるだろう」と答えたのに驚いた覚えがある。今、アマゾンや楽天を見ているとそんな時代が本当に来たのだと思う。考えてみると自分の会社もソフトを販売しているが、多くの会社の人員削減に貢献してきたことは否めない。すでにAIの時代は始まっているのだ。

ある先生が、生徒から「ネットで調べればいつでもわかる首都の名前をなぜ覚えないといけないのか」という質問に対し、答えに窮したと語っていた。私の友人や親せきの誰に聞いても学校を卒業以来、異分母の分数の足し算は使ったことがないという。三角関数や微積分に至ってはその仕事についている人を除くとどこで使うかもわからないだろう。それでも誰も全く生活に困ることはなかった。あんなに試験のたびに苦労した勉強は何のためだったのか誰も説明できない。

21世紀を迎えて時代は急速に曲がり角を曲がっている。野村総研がAIで代替えできる業種をリストアップして49%の仕事は代替可能と言っているが、正直私は80%の仕事はAIで代替え可能になると考えている。このレポートは現況をもとに考えられている。AI囲碁は以前は人に勝つために数十年必要と言われていたが、ここ数年で人間にはとてもかなわないほど強くなった。最新のソフトは自己学習でプログラマにも理解不能な方法で囲碁ソフトを向上させている。

今やコンピュータは多くの能力を持ち、次第に人の存在を不要にしている。残された人の能力には3つあり、コミュニケーション力、指導力、集中力である。正直信じられないだろうが、日本人の場合、どれも全く評価されていない。
例えば欧米の航空会社は次々と日本の空港から撤退し、中国や韓国の空港に行くようになっている。日本の企業の実力は世界では全く評価されていない。日本の大学の研究論文の引用率は低下の一途をたどりすでに世界の10位でしかない。今では中国の論文引用に関してはすでに日本を抜き去った。東大は世界の43位「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(Times Higher Education)」であり、アジアの中でも5位でしかない。

日本人がお互いに日本万歳と言っている間に世界では過去の存在とされている。

コンピュータの世界はあまりに早く、それに対し日本の学校も企業も政府も全くついていけてない。これは本当に危機的状態であり、このままではあと10年もすれば日本は中進国とされ、30年後には発展途上国に分類される貧困国になる。フィリピンは太平洋戦争前は経済的にも裕福だったが今はご存知の通りだ。今が豊かであっても未来も豊かだという保証はどこにもないのだ。

日本の大企業がとりわけひどい。その中でも銀行は全く金融機関の機能を果たしていない。本来将来の可能性に融資をしないといけないのに、融資を受けに行くと不動産はあるか、保証協会はついているかは聞かれたが、企業や業務の内容や将来展望は説明すらさせない。だから、将来性のある事業や企業に金が回らない。

そのことを銀行マンに話したことがあるが、そんな事業内容を精査することができる人は銀行の中に一人もいない。だから人材を指導することや育てることもどうしていいかわからないのだと答えた。同じことが大企業でもいえる。東芝の決算偽装や、神鋼や日産の書類偽装も企業の劣化が激しいことを教えてくれる。

自国の井戸の中で少しでも居心地のいい大企業に入ろうと、学歴の頂点の東大を目指している。銀行は今でも第一志望らしいが、世界の状況を知ると多くの銀行は20年もすればフィンテックによって解体される運命かもしれないと言われているのを知らないのだろうか。その大企業が成績優秀な人を新卒であらかたかき集めて離さない。つまりほとんどの日本人は小さな井戸の中で少しでも居心地のいい場所を占めようとひしめき合っているカエルなのだ。外の暴風雨は避けられるかもしれないが、いずれ埋められてしまう井戸にひしめき合っているカエルだ。

いま世界は2045年にはシンギュラリティを迎え、80%の人が仕事を失うと言われている。産業革命の時もそれまでの職業(農業や職人)の80%が仕事を失ったがその代わり工員や炭鉱夫、事務職という仕事が生まれた。だから今回も新しい仕事が生まれるという人もいるが、今回は新しい職業はプログラマや科学技術者など開発業務だけで、事務員はもとより、営業、製造、経理、医者、弁護士、運転手は早々にいらなくなり、最終的には経営者も不要になると言われている。単純作業はコンピュータとロボットがすべてやるようになれば、大量の低給与の貧困層と失業者が街にあふれる。その時すべての研究生産拠点と富はアメリカの一部に集中しているだろう。

昨年行った工場見学では広大な工場で計器盤を見ている工員二人しか見えかった。2000年には600人はいたフリーの株トレーダーは今現在2人しかいないという。みんなコンピュータに仕事を奪われてしまった。
もうすでにシンギュラリティは始まっているのだ。しかも加速度的に進んでいて、それに上手に乗っているのは世界でアメリカだけである。世界中のトップの知性をかき集めているアメリカのシンギュラリティは凄まじい。だいぶ前から日本の危機を訴えてきたが、もうすでに手遅れだと思う。どうしようもないほど開いてしまった。すべては30年前から学歴と馴れ合いで経営者と政治家を選んできたツケだ。一人や二人でどうこうできる状態ではない。

今30代以下の人は日本を見限って世界に飛び出していくしか豊かに生きる方法はないだろう。日本に閉じこもっている限り、ひたひたと貧困日本が足音を立てて近づいてくるのをかたずをのんで見ているしかない。悲しいことだがもう避けられない。

若い人たちへの言葉は「井戸(日本)から出るしかない」ということだ。
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「これからの社会で生きていく力を身につけてもらいたい」
そういう思いは親も先生も同じでしょう。でも絶対的に欠けているのが社会そのものへの洞察です。

これからの時代、従来の暗記中心の勉強では全く役に立たちません。コミュニケーション力、指導力、集中力といった、仲間で追求して答えを出していく力が不可欠です。従来の学校教育にその力はない。となればこれからの教育をどうする?を追求していくのが私たち親の役割なのではないでしょうか。

子育てというと、親は自分の子供のことばかりに目を向けてしまいますが、もっとも大事なのは親自身が社会に目を向け、時代の変化、社会の変化をよく知ることなのだと思います。

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