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放課後が変わる~学校の外で広がる「新しい学びの場」

保育園待機児童問題の背景には、共働き世帯の急増があります。それと連動して小学校の学童保育もまた大きな課題となってきています。(昭和55年~H26年で専業主婦世帯は1100→680万世帯に半減、共働き世帯は600万世帯から1100万世帯へと倍増しています)

この学童保育、従来のかぎっ子対策にとどまらず新しい学びの場として注目があつまっているようです。

また従来の学習塾でない「遊びあいながらまなぶ」探求型の塾?や、中高生を対象にした参加型のプロジェクトなど、学校の放課後に変化がおきているようです。

以下(http://www.sankei.com/life/news/140327/lif1403270036-n1.html)より引用します。
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共働き世帯の増加で学童保育の需要が高まっている。何をして過ごすかは運営主体によってさまざまだが、安心・安全な居場所であることに加え、質も求められるようになってきた。
◆多様なプログラム
3月13日の放課後、横浜市立茅ケ崎小学校の一室に児童約40人が集まった。
住友生命(大阪市中央区)の学童保育支援事業のプログラムの一つで、試験的に実施。菊名記念病院(横浜市港北区)の心臓血管外科部長、尾頭厚医師が「皆さんにお医者さんの仕事について紹介しようと思いました」とあいさつし、医師の仕事や心臓血管外科について説明。

児童は聴診器を手に、お互いの心臓の音を聞いたり、手術用のマスクやガウンを着け、手術で使う糸で結び目を作ったりする体験をした。

住友生命が4月から始める「スミセイアフタースクールプロジェクト」で、全国の学童保育の運営を支援する。公募し、手術体験や和食の調理体験など多様なプログラムを実施。学童保育運営のマニュアルの配布や遊んで学べるペーパークラフトなどの教材を提供する。
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これは従来の学童保育の延長の試みですが、もっと先進的な例もあります。
幼児期に誰もが持っていた遊びと好奇心を失わずに大きくなってほしいという思いで始められた「まなび舎ボート」では、従来の勉強とは全く異なる「遊ぶように学びあう」放課後の活動を広げています。

以下(http://bootto.strikingly.com/)より引用します。
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まなび舎ボートは、小学生が放課後の時間を遊ぶように学びあいながら「自ら学ぶ力」をはぐくむ放課後のヒミツ基地・探究型の学び舎です。

放課後は、夢中に遊びあうように学び合う。
このたび、2017年4月より逗子のまちにちょっと変わった学び舎をつくることになりました。従来型の学習塾ではありません。なぜなら”まなび舎ボート”の学びは、机に向かうだけではないからです。外に飛び出して五感をフルにつかって体感し、本物に触れ、想像し、対話し、ときにはつくり、表現する。学びとは本来、楽しいもの。誰かにやらされるのではなく。制約を受けるでもなく。色々なスタイルで、遊ぶように学んでいきます。

 放課後、こどもたちが「ぼーっと」できる余白のある居場所。やりたいことや学びたいことを見つけたら、とことん「没頭」できる空間と時間。手漕ぎ「ボート」のように、大海原へ自分の力でこぎ出でていけるような、そんな知恵や主体性を育んでいくことができる学び舎。”まなび舎ボート”は、そんな場所をめざしていきたいと思っています。
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さらに中高生向けのこんな活動も始まっています。

以下(http://greenz.jp/2016/01/22/b_lab/)より引用します。
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中高生の「楽しい」と「やりたい」を実現! 文京区にある“中高生の秘密基地”「b-lab」金森俊一さんが語る、主体性の大切さ

ビーラボは、文京区教育センターの一画にあります。入口を入って正面に受付があり、その奥がビーラボ専用の中高生談話スペースです。

自由に動かせるフリーデスクや畳スペース、調理設備があり、壁際には電源コンセントのついた勉強スペース、利用者の活動を紹介する掲示板や壁一面のおしゃれな本棚などが設置されています。WiFiも自由に使えて、パソコンやiPadの貸し出しもしているそう。

談話スペースは、おしゃべりしようが勉強しようが昼寝をしようが楽器を弾こうが、何をしてもオッケー。いわゆる公共施設にありがちな、かしこまった雰囲気はありません。
 
机や椅子を自由にレイアウトすることができる中高生談話スペース。本棚の奥には音楽スタジオがあります。パッと見ただけではわからない秘密基地らしい仕掛けです

その奥にはバンド練習用と個人練習用の音楽スタジオがひとつずつ、イベントやライブが開催できる本格的なホールも併設されています。
(中略)
中高生スタッフとして、スポーツチーム、ウェブチーム、フリーペーパーチーム、音楽チームなど、興味のある分野ごとに分かれて活動しているのです。イベントなどの企画も、一緒に考えているのだそう。

たとえば、フリーペーパーを制作するチームは、すでに2回の発行を経験し、「次は自分たちで取材して自分たちのフリーペーパーをつくりたい」と提案しました。そこで、文京区の路地裏で見つけたすてきなお店を紹介する路地裏マップを現在、制作真っ最中。マップと連動したウォーキングイベントも企画しています。

ドラムを小さい頃から習っているという音楽スタッフの男の子は、「ドラムを叩く楽しさや音を表現する楽しさを知ってもらう機会をつくりたい」とドラム講座を始めました。実際にやってみると、伝える難しさや、丁寧に人に教えることの大変さがわかり、悩みながら続けているのだそう。

また、中高生の「やってみたい」を引き出すことに特化した大学生ボランティア「フロアキャスト」が、話し相手や相談相手となっています。

『こういうのって、ひとりのカリスマ先生がいるよりは、10人ぐらいの身近な先輩が親身になって話を聞いてくれるほうがいいと思うんです。』

やりたいと思ったときに相談にのってくれて、ときには力になってくれる大人や先輩がいる。そのための場所があり、同年代の仲間たちもいる。これって、とても羨ましい環境だなと思います。 
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どれも学校生活で失われてしまった「主体的な学び」を実践することを目指しています。

学校の終焉・・学校制度が硬直化し、時代の変化についていけない中で、制度の周辺から「新しい教育」への変化の波がじわじわ広がっているようです。

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