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子育て支援に高齢者活躍1

幼老介護という形までいかなくとも、まだお元気な高齢者が子育てを支援する事業は数多く立ち上がっています。ただし、まだ多くは行政の指導のもとです。

NHK生活情報ブログ [1]

団塊パワーを子育て支援に

団塊世代のサラリーマンといえば子育ては妻に任せて仕事に人生を捧げてきた方も多いのではないでしょうか。ところが今、仕事で身につけた力を生かして地域の子育て支援に活躍してもらおうという動きが始まっています

子育て支援といえば女性のイメージですが、埼玉県朝霞市でちょっと変わった研修がことし行われました。その名も「育児支援マイスター養成講座」。受講できるのは55歳から70歳の男性限定です。

子育て支援NHK1 [2]

出席したのは衣料品メーカーの営業マンや元銀行員、さらには元自衛官などそれぞれの分野でキャリアを積んできた人たちです。参加の動機を尋ねてみると「退職して9か月経ったが飽きてきたので、地域に馴染みたい」や「これまで朝霞都民で地域に知り合いがいない。これからは朝霞市民になるので地元に男友達を作って地域で活動したい」など、必ずしも子どもに関わることが一番の目的でもないようです。それでもみなさん真剣そのもの。講師への質問も次々に飛び出していました。

1月から始まったこの講座はのべ40時間近くの講義に加えて、保育園や小学校での実習、さらにレポートの提出も必要です。子育て支援の仕組みや子どもの発達、遊びなどについて1から学んでもらうことで、子どもと接する経験も自信もない人たちにも地域での子育て支援を担う人材になってもらおうというのです。

実際に子育て支援の現場で退職した男性たちがどんなふうに力を発揮しているのか、東京・港区の子育て支援施設でみてきました。

ここでアルバイトをしている柴田徳夫さんは建設会社で40年近く経理畑を歩んできました。3年前からこの施設で支出の管理や給与計算などを引き受けています。柴田さんは「子育てと言うことで社会的に貢献できるかな。経験知識が生きるのはいいと思います」と話しています。

子育て支援NHK2 [3]

現役時代のスキルを意外な形で生かしている人もいます。テレビのディレクターとしてドキュメンタリーや広報番組などを手がけてきた栗田進二さんです。

施設の利用者の子どもの遊び相手になるところから活動を始めましたが、テレビの世界で養った発想力を買われて今では施設が開くプログラムの企画作りに駆り出されています。
この日のテーマは活動から離れてしまった子育てボランティアをどうつなぎ止めるのか。栗田さんは久しぶりにきた人を表彰し、オリジナルグッズをプレゼントしたらどうかと提案しました。

休眠状態の人にはカムバックしてくださいよという気持ちをこめて「カムバック賞」、久しぶりに来た人には「ウェルカム賞」など栗田さんの次々に湧き出るアイディアと、これまでの人脈を生かしたプレゼントの調達方法は他のメンバーにはない強みです。
主婦経験を生かして子育て支援をしている女性は「さすが社会人という感じで、なんて頼りになる方なんだろうと思っています」と話していました。
栗田さんは「一つの仕事をやめて専門分野を離れると何も出来ないのではないかと思っていました。でも、自分がやってきたことは蓄積していて、気づかないうちに財産になっているんです。プランを考えるとか企画書の言葉を出すとか、こういうモノ作るお店知っているとか情報を持っています。男性自身はその価値に気づいていないと思いますが、違う場所で話すとそれがものすごい財産だったと気づくんです。自分がこれからの人生にもっといろんなことが生かせると発見できるのでサラリーマンの皆さん、自信を持って欲しいです」と話していました。

専門家も定年を迎えた男性たちが仕事で培ってきた力こそ、地域に求められていると言います。

恵泉女学園大学教授で柴田さんや栗田さんが活躍している子育て支援施設の運営もしている大日向雅美さんは「定年を迎えた男性たちはこれまで地域に役に立たない、肩書人間だから名刺が邪魔をすると言われてきました。 わたしは違うと思います。名刺を捨てる必要はありません。企業で長年働いた方がノウハウを生かして子育て世代を支えることで少子高齢化を乗り切る切り札になると思います」と話しています。

定年前後の男性を対象に子育てを支える人材を育てる講座は今月下旬から東京でも始まるということです。

ある意味、当たり前の話かもしれません。昔のコミュニティーでは村のお年寄りが子どもたちの面倒を見ていました。これが新しくコミュニティーの創出につながると、もっと可能性が出てくると思います。

 

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