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子育て支援の一つの形~むかしあそび研究会

高齢者が活躍する場として、子育て支援に大きな可能性があると思います。この事例は「遊び」を伝授するボランティアで、特に男性参加者が多いというのが他と異なる可能性があるところです。

むかしあそび研究会 [1]

むかしあそび1 [2]   むかしあそび4 [3]

設立趣旨・目的

「昔遊び」や「昔のくらしの語り」を媒体とし多ボランティア活動を行い、われわれ世代の知恵や技を孫世代に伝承すると共に、孫世代の若さとエネルギーを享受する。そして、両世代間の個々を共鳴させ相互の健やかな心の成長に資する。「昔遊び」や「昔のくらしの語り」を媒体とし多ボランティア活動を、会員の居住区に拡散したい。このような活動に積極的な協力と強力な支援を行う。

経緯と活動

小学校校長から1年生の授業「むかしあそび」への参入を依頼されたことをきっかけに組織化された任意団体で、2001年度~2002年度の実績で、9箇所の小学校、幼稚園で延べ32回の「むかしあそび」を実施している。対象児童数は延べ2,329名、参加したボランティア数は延べ627名であった。
「むかしあそび研究会」の活動は、依頼に基づいて様々なところに出張して行われている。要望は「むかしあそび研究会」独自につながりのある小学校、幼稚園からのほか、知り合いのつて(口コミ)によるものも多い。依頼のリピートも多い。
学校の1学年を対象とする場合はボランティア25名程度で参加する。多いときは100人単位で行うこともある。活動は「手弁当」で行われており、公立小学校の場合、参加者への謝礼は一律3000円(1回)の図書券と決められている。受け取った図書券は1割引で会員に購入してもらい、団体の運営資金に充てている。「むかしあそび」の主な内容は、竹とんぼ、紙トンボ(牛乳パックとストローでつくる)、お手玉、竹馬、水鉄砲、竹鉄砲、竹下駄、和凧、お手玉、おはじき、あやとり、羽子板など、自分たちが子どものころ遊んでいたものが中心である。全員がすべてのことをできるわけではないことから、得意な人が講師役となって進められている。材料は依頼者負担とし、半製品で持参し、子どもたちに手伝わせて完成させる方式がとられている。また、遊び以外に昔の生活、昔の社会情勢の話をすることもある。

むかしあそび2 [4]むかしあそび3 [5]
この「むかしあそび研究会」のメンバーは、神戸市の主催するシルバーカレッジの卒業生で構成されている。シルバーカレッジ内に、シルバーカレッジの卒業生で組織するNPO法人社会還元センターグループ「わ」があり、会員数830人で構成されている。「わ」は、地域活動グループと部会活動グループに別れ、それぞれの部会ごとに様々なグループが形成されている。「むかしあそび研究会」は部会活動グループ内の文化部会に属している活動団体である。地域グループと部会グループは相互に支援する関係をつくっている。活動のサポート、企画等は本部が担っている。

「むかしあそび」のボランティア参加者の最高年齢は80歳で、多くの人が60歳代である。男女の比率は6対4と男性の方がやや多くなっている。
「むかしあそび」の参加者は、子どもたちと一緒に竹馬等で身体を使うことから、家に閉じこもっているより「断然よい」と思っている。ボランティアというと福祉のイメージが強いが、「自分に対して福祉をする」と捉えられている。参加者の中で亡くなったという情報は少なく、年に10人もいない。平均年齢は概ね67~68歳以上であり、加齢で活動出来なくなる人は年間で数十人いる。
「むかしあそび」の参加者は子どもと遊ぶことが好きであり、子どもから送られてくる手紙や、帰り際の握手と笑顔が活動の支えとなっている。高齢者が多いため、暗黙の了解として週に1回以上の派遣はしないように心がけているが、実際には多いときは週に3回行うこともある。

 

 

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