- 感謝の心を育むには - http://web.kansya.jp.net/blog -

サラリーマンを退職した仲間たちで始めたケーキ屋

同じ企業を退職された方々が立ち上げ、地域に愛されるケーキ屋になった事例がありました。中目黒のヨハンというチーズケーキの専門店です。

食べログ [1] で3.58という高得点です。

ヨハン1 [2]ヨハン2 [3]その中から紹介文を・・・

現在では数多くのお店やコンビニなどでも気軽に食べることが出来るチーズが濃厚な
タイプのチーズケーキ。
その人気やブームの先駆者といっても過言ではないお店ではないでしょうか。
定年退職したおじいちゃんが始めたお店として話題となり、自身も中目黒に行く度に
必ず買って帰るぐらいに好きなお店です。~中略~

このタイプのチーズケーキの最高峰という感じですかね。
もちろん他のスイーツの名店などでさらに絶品のチーズケーキはありますし、ここより
好きな一品も実は他にあったりしますがw、若い頃に食べた感動は今でも薄れることはなく、
個人的には中目黒のソウルフードだと勝手に決めつけていますw
思い入れもあるかとは思いますが、やはり先駆者としてこの味を変わらず続けているは凄いです。
チーズケーキ専門店でここまで長年支持されているお店も少ないと思いますし、ここのを
食べたことない方はぜひ一度食べてみて欲しいですね。

美味しそうですねえ。「定年退職したおじいちゃんが始めたお店」とは、どのように働かれているのでしょう?

ヨハン3

有限会社ヨハンの前身は1978年現オーナーが住友ベークライトを退職した仲間とともに始めた個人営業である。
チーズケーキの製造と販売を行っており、製造所兼店舗は都内目黒区1箇所で、手作りチーズケーキ専門店として人気を博している。
チーズケーキは製造後1日寝かせてから販売する。したがって翌日販売分を当日製造している。基本は店頭販売であるが、2割程度は外部販売(クイーンズ伊勢丹、成城石井)も行っている。4種類のチーズケーキを製造しているが、1種類のみクール宅急便による配送も行っている。

製造に関わっている人は男性7名であり、2日労働して1日休むパターンで、1日3人~4人のローテーションを組んでいる。男性従業員の年齢は65歳~75歳で平均年齢は70歳である。
販売は主婦を中心とする女性が行っており、平日勤務できる人、土日勤務できるひとなど様々である。
男性は製造工程を担い、女性はケーキのカット、器具の洗浄、及び販売を担っている。
チーズケーキ製造の工程は、原料の用意、(チーズケーキの)基礎づくり、捏ねる、焼く、ゴミを搬出することから構成されており、これらを男性高齢者が行っている。
従業員にリーダーはとくに決めていない。ローテーションは全員で相談して月単位で決定し、カレンダーに出勤日を記載している。すべての製造工程を全員ができるようになっており、朝出勤して自分が何をするかはわかっている。冠婚葬祭等で休まなければならないときは連絡して休むが、相談の上、残りの人でカバーして作業を行っている。
朝7時作業開始のため、10分ぐらい前には出勤している。昼休みの時間は特に決めておらず、手がすいたときに各自が適宜休憩をとっている。(ドイツのパン工場も同じようなスタイルである)
定年や年齢制限はない。焼くという作業は重量物を扱うことになるので、概ね70歳を過ぎると作業が負担に感じるようになるため、自分に限界を感じたら辞めることになる。
1日の労働時間は、朝7時から概ね8時間であるが、夏場の消費量の少ないときは、午後1時でも2時でも作業が終わったら帰るし、逆に桜の季節のように需要の多いときは夕方5時、6時まで働くこともある。

オーナーの意向によって、住友ベークライト退職者を採用してきており、オーナーが健在な限り今後もその方針は変わらない。
会社時代は工業製品の製造で、材料はプラスティクであった。化学製品と食品という違いはあるが、チーズケーキを作るということは「ものをつくる」という面では共通点が多く、計量、品質、時間管理、工程管理等「ものづくり」の哲学は変わらない。また顧客管理、顧客満足度への考え方も身体にしみついているので役に立っている。規模が小さい(従業員が少ない)ことは、顧客満足度が直接製造に反映される点でよいと思っている。
やる気があれば誰でもできる仕事である。たまには気楽な環境だと思って参加してくる人の中には早くに辞める人もいるが、大半の人は継続している。
製造量は拡大しているようだが、大きな設備の入れ替えはしていない。あくまでも手作りの範囲をくずさない方向である。
オーナーは、「厚生年金を受給しているので賃金は小遣い+α程度であるが、高齢でもあるし無理のない範囲で仕事をおやりください」と常々言っている。
給料は時間給で支払われている。タイムカードで税理士が把握し、単価を乗じた額から社会保険料を差し引き、交通費を加えて銀行に振り込まれる。

定年退職後の高齢者の再就職という見地からすると、賃金主体の考え方そのものに無理がある。実際問題として法律的にも体力的にも週5日のフルタイムで働けるだろうか。
退職者にとっては働く場があるということはとてもありがたいことである。とくに同じ会社に所属していたことで、会社時代には顔を合わせたことがない人同士でもお互いに話ができるし、コミュニケーションがスムーズにとれるという利点がある。
会社時代は一流企業に勤めているという意識が高かったので、定年後は「ケーキ屋か」という抵抗感が、特に家族に対してある人もいるが、同じ会社の退職者であるということで気心が知れていること、オーナーを知っているという安心感は安定した雇用の大きな要素となっている。

無理せず働く。必要以上の報酬は求めない。・・といった所でしょうか。それにしても、どうやって、そんな美味しいケーキの作り方を習得されたのでしょう?そっちが知りたいわ。

[4] [5] [6]