- 感謝の心を育むには - http://web.kansya.jp.net/blog -

60になったら社長は交代~退職後の新たな職場を作る

純粋にシルバーベンチャーとしての企業の紹介です。

設立者は、「社長は60歳で身をひくべきである」を信条とし、自ら創業した会社を後継者に譲り、定年退職後の高齢者が集まって働く企業を設立した。全員60歳以上。業務を介護機器に絞ったのは自分たちも将来は利用することになること、介護機器があまりにも価格が高く、ビジネスにあってしかるべき競争原理が働いていないことの2点だった。コンセプトは、「高齢者による高齢者のための介護機器の開発」。高齢者にもいくらでも可能性があることを気づかせてくれる事例です。

ジーバ1 [1]ジーバ3 [2]ジーバ2 [3]

高齢者のニーズにこたえて商品開発[ジーバ] [4] より

経営資源は60歳以上の社員

「老人の気持ちは老人が一番わかる」と、第一線をリタイアした人たちが集まって起業したのが、介護・福祉機器の製造販売会社のジーバだ。60歳以上の企 業経営者やOBらが出資し、社員全員が60歳以上。社名は「おじいさん、おばあさん」の呼称をもじったもの。こうした社員の信用力や人脈、技術力などが大 きな経営資源だ。
リモコン操作で床(とこ)ネットを上下させ、寝たきりの人でも入浴や車いすへの移動が簡単にできる「介護リフト」などがヒット。「部屋の中で組み立てら れ、4畳半の部屋にも収まる」(野田和宏取締役)ので導入もしやすい。一般の家庭でも購入できるようにと、価格を抑えることも重視している。
順調に売り上げを伸ばしているのが、介護目的に開発した室内用トイレだ。泡で満たした交換可能な容器に排せつする仕組み。排せつ物を泡で覆ってしまうた め防臭効果があり、泡の中に落とすことで防音もできる。泡はタイマーで定期的に供給し、24時間一定量に保つ。「排せつ物を処分する際の室内移動時でも、 防臭は完ぺき」(同)と胸を張る。
さらに「高齢者の転倒は致命傷になる」(同)と、ひじ掛けを座面より20センチメートルの高さまで簡単に調整できるようにしている。例えばひじ掛けを下 まで降ろし、トイレをベッドの横に置けば、ベッドからそのままトイレに座れるなど、利用者の立場で利便性を追求している。

産学連携の商品も誕生

大学との産学連携から生まれた商品もある。それが車いす利用者や、患者さんの声を基にして完成したマジックハンド機能付き歩行補助用多機能杖「アイハンド」だ。佐賀大学整形外科チームと連携し、06年5月から発売している。
マジックハンドはテコの原理を利用しており、少しの力で済む。座ったままペットボトルをつかんだり、ティッシュペーパーを一枚ずつ取ったりすることもできる。アイハンドの完成を機に、産学連携はますます深まりそうだ。
変わり種商品では「スポーツ吹き矢」がある。自然な腹式呼吸をするのに効果があり、健康維持に役立つという。スポーツとして楽しむことはもちろん、健康面も考慮した商品といえる。
同社では介護機器はもちろん、予防介護や「リハビリ中だけではなく、その前後で役立つもの」(同)も取り扱う。商品は「実際に体験してもらえば性能の良 さが分かる」(同)と、技術力に確かな自信を持つ。60歳を超える社員たちのさまざまな経験やノウハウが、それぞれの商品に生かされている。

[5] [6] [7]