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赤ちゃんは「自然」そのもの。育児に戸惑い惑うのは私たち自身がその「自然」を見失ってしまったから。

赤ちゃんを見てしみじみ思うのは「自然」だなぁ・・ということ。

赤ちゃんは、受精卵の姿からた原始魚類、陸に上がった古代魚、そして鰓呼吸から肺呼吸へと移った両生類、さらに爬虫類、、哺乳類……と、その“姿”をつぎつぎと変えながら、胎内で成長しヒトとして生まれてきます。
わずか10ヶ月の間に、5億年におよぶ生命の進化の過程をたどり、未来に向けた進化の可能性を背負って生まれ出てくる赤ちゃんはまさに「自然」そのものです。

でも現代は育児不安や産後うつなど、自然な赤ちゃんをしっかりと受け止められない現象が増えてきています。これは私たちや社会が自然を失い、とても「不自然」な状態に陥っているからだとも考えられます。

今の私たちがいかに「不自然」な状態にあるのか?
今回は、NHKスペシャル「ママたちが非常事態!? 最新科学で迫るニッポンの子育て」の紹介から考えてみたいと思います。

以下、「乳幼児期の母親との良好な関係を築くための共同保育の必要性(http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=316957)より引用します。
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恋愛やセックスの悩みをたどっていくと、
根っこは親との関係に行き着くことが多い。
とりわけ乳幼児期の母との関係である。
ここがうまく築けていたら……

この産後うつの現象から、もともと人間は共認動物。子育て、育児、介護、医療などは集団内の成員で営まれていた。
集団を破壊し、核家族化してゆくことが、この共同性を殺ぎ取り、人間関係の希薄さを形成していったのだろうと考えられる。
性だけでない、ぎすぎすした社会の根本は、この共同性を失ったことによる弊害なのだろう。
いまなら、まだ間に合うと思う。明治維新以降、我々の悪しき風習をいま、抜け出す必要があるだろう。
以下文中引用、週間代々木忠の『第353回 母を悩ますもの(http://blog.livedoor.jp/yoyochu/archives/54647524.html)』より
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 恋愛やセックスの悩みをたどっていくと、根っこは親との関係に行き着くことが多い。とりわけ乳幼児期の母との関係である。ここがうまく築けていたら…… と女の子たちの悩みを聞いて思うこともしばしばだが、これは育てられた子どもへの視点だ。では、母親のほうはどうなのだろうか?

 今年のGWは珍しくどこにも行かず、ずっと家にいた。ある晩、孫が夜泣きしているのが聞こえてきた。朝になって娘と顔を合わせたら、「一睡もできなかっ た」と疲れ果てた顔で言う。その晩は寝てくれたものの、翌晩また泣く声が聞こえてきた。これでは体が持たないだろうと、その夜は娘とダンナと僕が交代で孫 をあやした。

 NHKスペシャル「ママたちが非常事態!? 最新科学で迫るニッポンの子育て」という番組がある(初回放送2016年1月31日)。娘も見ているが、子育て中のお母さん方からは「救われた」という声がたくさん寄せられているようだ。どんな内容なのか、かいつまんで紹介しよう。

 「産後うつ」という言葉をよく耳にする。番組によれば、それは一般的な「うつ」の5倍以上の数に上り、わが国では約7割のお母さんたちが子育てで孤立を感じ、「私って母親失格?」と自分を責めているというのだ。当事者でなければ「まさかそこまで」と驚くのではないだろうか。

 この切実な心の問題に、番組は科学的なメスを入れる。人間に最も近い類人猿であるチンパンジーと人間が共通の祖先から別れたのが、約700万年前。チンパンジーは5年間、母親がつきっきりで子育てするため、出産は5年に1度。このとき人類の子育てに、いったい何が起きたのか?

 人間は毎年でも子どもを産めるようになった。おかげで多くの子孫を残し、この地球上で繁栄することができたのだという。チンパンジーにはできなかったそれを、なぜ人はできるようになったのか? 

 太古の人類の生活スタイルを今も受け継いでいるアフリカのある部族は、今もみんなで子育てをしている。「自分の子も他人の子も同じ家族だからね」と彼らは言う。生まれて間もないわが子を他人に任せるのは、動物の中でも人間だけだそうである。この「共同養育」が毎年の出産をも可能にした。

 エストロゲンというホルモンは妊娠中どんどん増えていくものの、出産を機に激減してしまう。これによって人は不安や孤独を感じやすくなる。どうしてそんなメカニズムになっているのかといえば、それは「共同養育」を促すためではないかと見られている。京都大学の松沢哲郎教授は言う。「進化の過程でわれわれは共同で保育するようにできていて、必要なときには子どもを預けられるようにできているのに、(現在は)だれも助けてくれるわけではなく、子どもを育てる。そんなことは人間にできない。できるようには作られていない」と。

 現在、子育て家庭の核家族率は8割。共同養育とは程遠い現実だ。同じく京都大学の明和政子教授は「人類は700万年という時間をかけて今あるような体・心を獲得した。核家族化がこんなに進んだのはこの100年くらいの問題。長い時間をかけて進化の過程で獲得したものは急には変わらない。これは人類の危機です」と言い切る。

 番組では、母親を悩ます「夜泣き」についても科学的に原因を解明していく。まだお母さんのお腹にいるころ、胎児は昼も夜も浅い眠りをくり返している。ただ、大人と違って、昼よりも夜のほうが頻繁に目を覚ましている。

 これは目覚めている胎児は活動量が多く、母親の血液からたくさんの酸素をもらう。だから母体になるべく負担をかけぬよう夜間に目を覚ます睡眠リズムになっている。この胎児ならではの睡眠リズムは、生まれた後もしばらく変わらない。これが夜泣きの原因なのだという。

 そして、夜泣きする動物はじつは人間だけだということも、僕はこの番組で知った。理由は脳にある。動物は生まれたときから脳が発達していて、睡眠リズムも大人と変わらない。ところが人間の場合、生まれたときの脳の重さは約400g(大人は約1300g)と大人の3分の1しかない。なぜ人間はそんなに未熟な状態で生まれてくるのか?
 700万年前、人類は二足歩行を始める。2本の足でまっすぐ立ったことで骨盤の形が変わり、赤ちゃんの通り道である産道が狭くなった。胎児はこの狭い穴を通り抜けられるよう、脳が未熟で小さいうちに生まれてこなければならなくなったのである。その後、人間の脳は10年以上かけてゆっくり成長していく。だが、それは悪いことばかりじゃない。「生まれてからゆっくり脳を発達させることにより、人間はその環境に適応できるよう生きていける」のだと前述の明和教授が言う。
 夜泣きは、おっぱいをあげても、オムツを替えても泣きやまない。かといって具合が悪そうでもない。なのに、なんで泣きやまないのか……。こういう状態が長い期間続けば、「自分はダメなのか」とお母さんは自らを責めてしまう。しかし、この番組は科学的な裏づけをもって「お母さんは何も悪くないよ」と言っているのである。

 自分を責めているお母さんのイライラが子どもに向かえば悪循環だ。世のお父さんたちには、子育てがかくも過酷であることを知っていただきたい。実際に手伝えることは仮にわずかだったとしても、大変さを本当に理解してくれる人がそばにいるだけで、お母さんのストレスはきっと軽減されるはずだから。
———————————-終了

赤ちゃんは生命5億年の歴史、人類700万年の進化の歴史を辿りながら生まれてくるのです。私たち自身がこの歴史をしっかり踏まえていれば、ごく自然に赤ちゃんを受けとめ育んでいけるはずです。

ところがこの100年の間に、大人たちの、社会のあり方が大きく変わってしまいました。共同保育の崩壊、核家族化の中で、赤ちゃんの「自然」を前に戸惑い迷い、時として否定してしまうという悲しい状況に陥ってしまったのだと思います。

共同保育や自然の中での保育など、最近見られる新しい動きは、この危機的な状況を脱するための、子供たちの未来をかけた試みなのです。お母さんたち、保育の現場に携わる人たちは今も何とかしようと考え行動しています。

これからの育児を一緒に考え、赤ちゃんを「自然」に育てていくためにも、私たちは謙虚に人類の歴史に学び、自然の摂理に学ぶことが大事なのだと強く思います。

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