高齢者同士で助け合う福祉は、色んな形で提唱されてきましたが、地域で実際に成功させている事例が有りました。ポイントは、「無理なく、細く、長く」です。
特定非営利活動法人 流山ユー・アイネット [1] から
内閣府の高齢社会対策 [3] より抜粋
会員はサービスを受ける人もサービスを提供する人も同じで、「サービスを受ける側の人でも何かできること(サービス提供)はある」という考え方から、双方向の会員制としている。
会員は、たすけあい・ふれあい切符(時間通貨)を購入(600円/時間)する。サービスを利用する人は600円プラス200円(ユーアイネットに寄付する形)を支払う。介護保険のサービスの提供と助け合いサービスの提供の両方を行わなければ会員としないことにしている。【サービスのしくみ】
(3)高齢者の参加状況[実態]基本的に会員を高齢者と専業主婦の余暇時間の利用を主眼に置いており、サービスを担う時間を1人2時間に限定し、「無理せず、細く、長く」を基本に会員を募集している。このため比較的参加しやすい環境ができており、応募者は多い。
介護保険事業者の認定を受ける前の会員数は約500名、現在の会員数は約1500人である。比較的余裕のある家庭の人の参加が多く、介護保険導入前でも80人がヘルパーの資格を有していた。また資格をもたなくても在宅介護など実践的に関わっている人も多かった。
介護保険サービスを提供した後に介護保険外のサービス活動もできること、活動が地域に密着していることから評判はとてもよかった。
会員応募時に、「自分に何ができるか」を申告し、居住地の中学校区に派遣することのないように、学校別に登録している。
全体で1600人の会員(準会員を含む)のうち男性が3割程度を占めている。年齢では65歳以上が8割程度を占めている。夫婦で参加している人達も多い。男性の参加が多いことで「毎日参加賞」を受賞した。
NPO法人の正社員は立ち上げ時の24名であり、この中から理事を8名選出している。事務局は17名であるが、このスタッフもサービス提供を行っている。
「無理なく、細く、長くできる」ことをモットーとしているため、途中で辞める人は皆無である。(4)高齢者の活用に関する今後の方針
介護保険の枠外の心のケアを行うことが本来のミッションであり、「誰もが安心して暮らせるふれあい社会をつくる」ことが目標である。
今後も高齢者と専業主婦の活用を中心に考えていく方向である。今後指定管理者制度によって公共施設管理運営のアウトソーシングが進むと、マネジメントや労務管理等のノウハウを持っている高齢者に期待したい部分が増えることから、とくに高齢者の活用に軸足をおいていきたい。