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中小企業が高齢社会を生き抜ける~高齢者が元気に働いている企業ほど、若年層が活発に勤務している現実

高齢者が働く環境というのは、現役バリバリというわけではなく、ちょっと緩い環境のイメージがあるかもしれません。しかし、そんなことでも無いんです。高齢者が元気な会社は若手も元気なんです。

中小企業が高齢社会を生き抜ける~高齢者が元気に働いている企業ほど、若年層が活発に勤務している現実 [1] より

中小企業研究センターによる調査研究レポートの紹介です。「高齢者が元気に働いている企業ほど、若年層が活発に勤務している現実」という事例は、これから企業が生き残っていく上で重要なポイントだと感じました。

後段で紹介している技術伝承型中小企業の事例では、いずれも高齢者と若者世代を融合させた体制をとっています。若者世代が自考・追求の潮流に乗っているとすれば、それに応えて技術の継承者たる年寄りが鍛える。高齢者の活躍の場も増えるし、若者の活力上昇にも繋がると思います。
高齢~若手 [2]
公益社団法人 中小企業研究センター
調査研究レポート 働きやすい、辞められない!-高齢社会と中小企業 [3]

●「本来的な中小企業」が高齢社会を生き抜ける

調査の結果分ったのは、「望ましい経営行動」は本来的な中小企業を目指す原理に基づくものであり、高齢社会を生き抜けるのは「本来的な中小企業」であるということである。

ここでいう「本来的な中小企業」とは次の3つの基本条件を満たす企業である。
(1)「人」――ともに働く人々の力を合わせる。そのために従業員の長期雇用を維持し、教育研修に十分配慮している。
(2)「もの」――市場が必要とする商品・サービスを適時に競争力ある価格で提供する。そのための技術・技能の革新を持続的に果たしている。
(3)「社会への貢献」――地域の産業発展に貢献しつつ広く社会活動に参加する。そのための従業員の社外活動を支援し、企業として自然との共生を目指す。

事例企業は、その「本来的な中小企業」を目指していると思われた。概観すると、「人」については、2社は定年がなく、定年のある企業も全て再雇用制度を持っていた。

注目されたのは、高齢者が元気に働いている企業ほど、若年層が活発に勤務している現実であった。

「もの」については、規模、業種の違い等もあり、技術革新の度合いに高低はあるが、いずれも技術の高度化、特に熟練技術の維持に関心が高く、対策を考え、継承策をとり始めている例も見られた。

「社会への貢献」については、数社で先進例が見られ、その他の企業でも関心は高かった。今後、在来型中小企業でも地域との関わり、地域への貢献が大きな課題になるであろうことが伺われた。高齢~若手2 [4]

●事例企業の研究

(※付表より事例を抜粋)

○(株)野口製作所:愛知県豊橋市 金属プレス加工・金型制作、深絞り加工

・技術の高度化と伝承に注力→高齢者と若手のグループ化により教育訓練の場作り。
・60歳以上の再雇用制度を持ち、その制度で活躍する社員がシニア・エキスパートとして若い技術者の鍛え手。
・再雇用者の賃金は、高年齢者雇用継続給付と年金併用の場合、その手取り額が最高となる水準に設定。

○(株)五十鈴製作所:名古屋市南区 各種産業機械、鋳造設備等の設計・制作・販売

・1品料理作り(顧客の必要に応じ機器を製作)が特色で、高度な技術者と若手技術者の融合が必要。
・ベテラン社員と若手技術者達が一緒に仕事をするシステムを採用。
・定年は60歳だが、意欲と健康が許せば何歳まででも雇用。身分は嘱託、賃金は定年時の70%。契約は半年毎見直し。60歳以上の特殊技能者5名。

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