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会社組織で村を復活 岡山県津山市「合同会社あば村」の取り組み①

自分たちのコミュニティーを自分たちで守る。強い意志とともに、消されてしまった自治体を「企業」よして立ち上げた地域があります。これぞ、「自治」。当然、そこの働き手の多くは高齢者となります。そりゃ、頑張りますわなあ~

会社組織で村を復活 岡山県津山市「合同会社あば村」の取り組み① [1]

ジャパン・フォー・サステナビリティ [2] より

1999年からの市町村合併政策のため、日本では多くの村や町が合併され姿を消しました。1999年3月末に3,232だった市町村数は、2010年3月末には1,727。なんと半数近くにまで減っているのです。

そうした中、「地方自治体としてはなくなってしまった村を、心の故郷「あば村」として復活させる『あば村宣言』」という取り組みが、岡山県津山市阿波地区で行われています。
あば村 [3]

あば村宣言

自治体としての阿波村は2005年に、岡山県津山市に合併されました。

あば村宣言 宣言文

合併から10年 いま再び村が始まる

岡山県阿波(あば)村は平成の大合併の流れの中、
平成17年に津山市と合併し115年続いた『村』はなくなりました。

それから10年。

合併当時700人だった人口は570人にまで減り、
140年の歴史のある小学校は閉校、幼稚園は休園、
唯一のガソリンスタンドも撤退、行政支所も規模縮小…。
まさに『逆境のデパート』状態となってしまいました。

しかし、このような逆境の中でも未来を切り拓く挑戦が始まっています。
地域住民が設立したNPOは、住民同士の暮らしの支えあいや
環境に配慮した自然農法のお米や野菜づくりに挑戦しています。
閉鎖されたガソリンスタンドは住民出資による合同会社を立ち上げ復活させます。
エネルギーの地産地消を目指し、地元間伐材を燃料にした
温泉薪ボイラーの本格稼動も始まりました。
こうした取り組みの中で地域住民に留まらず、地域外からも協力者や移住してくる
若者も増え始め、私たちは自らの手で新しい村をつくることを決意したのです。

この度、私たちはここに「あば村」を宣言いたします。

自治体としての村はなくなったけれど、新しい自治のかたちとして、
心のふるさととして「あば村」はあり続けます。

周りは山だらけ、入り口は一つしかない「あば村」は不便で何もない場所かもしれません。
しかし、「あば村」には人間らしく生きるための大切なものがたくさんあります。
このあば村の自然と活きづく暮らしを多くの方々と共有し、守り続けていくこと、そして子どもたち孫たちにこの村での暮らしや風景を受け継いでいくことを決意し、宣言いたします。

合併から10年、あらたな村の始まりです。

2014年4月   あば村運営協議会 会長 小椋 懋

あば2 [4]あば5 [5]

きっかけはガソリンスタンドの撤退

あば村宣言に書かれているように、合併後の阿波地区は人口が減り、学校も廃校になりました。そして地区に唯一のガソリンスタンドも、2013年の春にJAから「撤退する」という知らせが入ったのです。津山市の中心地から離れている阿波地区にとって、自動車は住民の足であり、また冬場には暖房のための灯油も必要です。ガソリンスタンドは地区での生活に欠かせないものなのです。聞き取りを実施したところ、ガソリンスタンドの存続を希望した住民は、7割にも及びました。

そして、どのような形でガソリンスタンドを運営させるかを協議して出した結論が、「住民が社員(会社法では社員とは出資者のことを指します)となって会社を設立する」というユニークな方法でした。この方法を選んだのは、「自分たちの手で存続させていく」という意識を忘れないためです。

そして、2014年2月6日、阿波地区に住む住民134人が「社員(出資者)」となった「合同会社あば村」(以下「あば村」と記します)が設立されました。2015年1月現在、社員数は170個人・団体。これは岡山県北部では大きな企業に入ります。

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