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抽象化能力を鍛えると、問題解決力が高まる!?~1~

抽象度の高い方針や指示から、具体的な発想や手段を無数に生み出せる人。
具体的な指示やマニュアル、手取り足取り教えてもらわないと動けない人。

ちがいは、抽象化能力の高さにあるようです。

「抽象的思考能力」で問題解決力を高めよう [1]より引用。

ビジネスシーンではさまざまな問題が起こります。

対応マニュアルがあればそれに従えばいいですが、マニュアル化されていない問題は、その都度、解決策を考える必要がありますよね。

しかし、問題が複雑な場合、何がベストな解決策なのかを見出すのが難しい場合もあります。特に、近代のような複雑な社会では、「どちらかを立てれば、どちらかが立たない」という問題が山積みです(たとえば、原発問題がそうですよね)。明確な答えがないばかりか、対応を間違えればさらなる対立を招きかねません。

このような、複雑な問題を解決するために役立つのが、抽象的思考能力です。自分の頭で考える力をつけて、さまざまな問題を解決していきたいものですね。

この記事では、抽象的思考能力について解説し、どのようにすれば抽象的思考で考えることができるのかについてお伝えします。

1.抽象的思考能力を感覚的に理解しよう

理論的な説明は後回しにして、まず、感覚的に理解することからはじめましょう。

抽象的思考とは、「大切なのは、○○(細かい問題)ではなく、□□(もっと大切なこと)なのではないか?」と考えてみることです。

たとえば、今、社会ではさまざまな問題が起こっています。

・原発か、反原発か
・仲間の国を守るため武力使うのが正しいか、正しくないか
・円安のほうがいいか、円高のほうがいいか
・TPPに入ったほうがいいか、入らないほうがいいか

そこで、これらの問題を「大切なのは……」を考えてみます。たとえば……

・大切なのは、原発か、反原発かではなく、私たちが安心して毎日を過ごせるってことなのではないか
・大切なのは、仲間の国を守るため武力使うのが正しいか、正しくないかではなく、お互いを尊重しあい、平和に過ごすということなのではないか
・大切なのは、円安のほうがいいか、円高のほうがいいかではなく、為替に影響されない生活を築くことではないか
・大切なのは、TPPに入ったほうがいいか、入らないほうがいいかではなく、お互いの国が平等にやり取りする、もしくは、海外に依存しなくても自分たちの中で完結できるコミュニティを創ることなのではないか

このようにすると、個々の問題よりも、それらをも包み込むような答えになるでしょう。「異なるものを『より大きな共通点』で一つにまとめる」イメージです。

これが、抽象的思考です。個々の違いを、より大きな概念(しかも、より大切な)で包み込むようなイメージです。

2.抽象化思考のメリット

★対立した事柄に共通した「本来の目的」を考えることによって、お互いを包括し、本当に必要な解決策を考えることができます。

★「本来の目的」が分かることで、手段ではなく目的から、「今必要なのは何か」を判断することができます。

★「本来の目的」が分かると、物事の本質(本当に大切なこと)が見えてきます。たとえば、仲間の国を守るため武力使うのが正しいか、正しくないかが大切なのではなく、本当に大切なのは、お互いを尊重しあい、平和に過ごすということであるように。

★「本来の目的」が分かると、手段の選択肢を増やすことができます。

★「本当に大切なこと」が見えてくると、自分やグループ(職場、チームなど)にとっての存在意義(アイデンティティ)や役割が見えてきます。「私(たち)は何のためにこれをしているのか」という存在意義は、思考や行動の軸となり、ぶれなくなります。

★「本来の目的」が分かると、行動の意味が明確になり、動機付けになります。

たとえば、私の友人のMさんは、運動不足で体重が増えたことが気になっていました。そこで、抽象的思考をしたそうです。

  • 体をシェイプアップする→(それによって、どうなる?)→
  • 自信がつく→(それによって、どうなる?)→
  • 場を明るくする存在になれる→(それによって、どうなる?)→
  • 「自分も変わりたい」と思う人が次々と出てくる→(それによって、どうなる?)→
  • 毎日が楽しい人が増える→(それによって、どうなる?)→
  • みんなが和やかになる→(それによって、どうなる?)→
  • 世界平和

最初は、「ダイエットが世界平和につながる?そんなおおげさなぁ」と思ったそうです。しかし、「直接的に世界平和にはつながらなくても、シェイプアップできれば、間違いなく自分の自信になるし、うれしい。いつもうれしい表情をしていれば、家族や職場の同僚も明るくなるかもしれないし、”Mさんみたいになりたい!”と思う人が出てくるかもしれない。そうすれば、まわりも明るくなって、いい関係が生まれる。自分のまわりを世界と考えれば、世界平和と言ってもいいんじゃないか」と思ったMさんは、ダイエットを開始。見事10キロのダイエットに成功しました。

大切なのはダイエットに成功したことではありません。「ダイエットに向かう動機付けが起こった」ということです。

引用おわり。

抽象化能力を鍛えると、問題解決力が高まる!?~2~に続く。

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