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言葉にならない“ことば”を感じるオノマトペ①

昔よく父に作ってもらったミートオムレツの味がどうしても再現できなくて、電話でレシピを聞いてみると、「何グラムとか、大さじなんぼとか、そんなん知らん。カレー粉をトトッと入れて、味噌をちょんと足すんや」と言われ、そんなんでわかるかーい!と思いきや、言われたとおりにやってみると懐かしい絶妙な味になりました。

子どもと話している時は特にオノマトペを多用していることに気づきますが、大人と話す時もむしろ言葉であれこれ説明するよりニュアンスが伝わりやすい場合も多々あります。
オノマトペって、言葉よりももっと潜在思念 [1]や本能と繋がってそう!と思い調べてみると、面白い記事があったので紹介します。

秘めたる力をひきだす”オノマトペ [2]“」朝日大学准教授 藤野良孝  より引用。

みなさんは、ビンのフタが固くて開かないとき「グゥーッ」と声をだしながら力を入れたら開いたことや、会議や商談前に「ターッ」と力をいれたらやる気がでたという経験はありませんか?
この「グゥーッ」や「ターッ」、あるいは小鳥がさえずる「チュンチュン」、花火が打ち上げられる「ドカーン」、パンの触感を表す「モチモチ」や、鼓動の「ドキドキ」など、これらは全てオノマトペと呼ばれる言葉です。

私は、本来の言葉の定義にあてはまらないような「コトバ」に、何かとてつもない力が秘められていると思っています。実際に、オノマトペによって最高の力を発揮しているトップアスリートや会社経営社は大勢います。彼らは、オノマトペを使うことで力がでたり、気持ちが高まることを身体的、感覚的に知っています。
きょうは、この「魔法のコトバ」とも呼ぶべきオノマトペについてお話したいと思います。

そもそも「オノマトペ」とは、フランス語で擬声語を意味する言葉です。擬声語は、ものが発する声や音を表した擬音語と、状態や心情などを表した擬態語に大別されます。

こういうと、宮沢賢治さんの作品「風の又三郎」の「どっどどどどうど どどうど どどう」や草野心平さんの「河童と蛙」の「るんるん るるんぶ るるんぶ るるん」などに代表される、童話や詩に登場する文学的な擬音語・擬態語を想像される方が多いと思います。これもオノマトペで、心に作用しイメージを喚起させる文学的なオノマトペの他に、その言葉を発することで心だけでなく身体にも作用し、特定の行動・運動を起こしやすくするオノマトペもあり、その多様性は計り知れません。

なぜ、これほどまでにオノマトペが多方面で使用されるようになったのか、仮説を3点述べたいと思います。

●1つは、日本語における口述表現の伝達が関係していると思います。
日本語は、英語と違って同音異義語を口述する際、表現がぼんやりしていることが、オノマトペを使用する要因になっていると考えられます。
例えば、日本語で「みる」を口述すると、単一の意味しかもちません。しかし、英語では「see」「look」「watch」と様々な「みる」が口述されます。ですから、伝えたいことをぴったり言い当てるために、「フワッとみる」、「パッとみる」、「ジーッとみる」等、オノマトペを補足して「みる」の細かなニュアンスを言い当てるようにしているのではないでしょうか。

●2つ目は、マンガで使われるオノマトペの影響です。
マンガは、視覚的な情報の集積ですが、その背景にオノマトペを入れることで聴覚的な情報を与えます。これによってキャラクターが動き出すかのような臨場感・躍動感を演出します。読み手は、オノマトペに強く魅了され、記憶に刻まれ、いつしかそれが無意識的に使用されるようになった可能性があります。

●3つ目は、情報化によるコミュニケーションの影響です。
オノマトぺは、言い表すことが難しいことをひと言で伝達することができます。1を言って10を知らせるというオノマトペの凝縮特性は、LINEやTwitter、携帯メールなど短文でのやりとりが多くなった現代に調和し使用が増えるきっかけになったと思われます。
こうした言語的背景や文化的影響、社会の動向が、オノマトペを沢山作り出す要因になっていると思います。

引用おわり。

言葉にならない“ことば”を感じるオノマトペ②に続く。

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