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「きよぴー&とまと」地域の高齢者が皆でつくりあげてきた集団

起業とは少し違いますが、年齢を重ねても社会と係わりたい、皆の役に立つ活動をしていきたい、という事例です。

「きよぴー&とまと」地域の高齢者が皆でつくりあげてきた集団 [1]

高齢者による集団づくりの成功事例として、八王子市清川町の任意ボランティア団体「きよぴー&とまと」を紹介します。

清川町の商店街に惣菜屋・喫茶店・サロンを構え、地域高齢者のための配食サービスや様々なイベント開催をするなど、小規模ですが継続的に活動をされています。

副代表である梅沢さんが地域への恩返しとして始めたいとの想いに、当初から200人以上の方々から賛同を得、現在では110人の活動メンバーを有する集まりです。

週1回の休み以外は開店。活動費用を若干上回る収支を維持されています。一方で、後継者の問題など、将来の課題もあるようです。

きよぴーとまと [2]

「きよぴー&とまと」ホームページ [3]

八王子市「きよぴー&とまと [4]」(※インタビュー記事より抜粋。長文のため詳細はリンク先でご覧ください。)

【活動には、参加する人に生きがいにつながる仲間づくりをしてもらいたいという意図があります。】

●まず、「きよぴー&とまと」の活動内容と目的からお教えください。

片貝:「きよぴー」とは「清川ハッピーステイション」の略称で、「とまと」は5年前から八王子市内で配食サービスを続けている団体で、「きよぴー&とまと」は、この2グループが合体し、地域の活性化に貢献する一つのボランティア団体です。

現在は、清川町の中心部にある商店街を拠点として、地域住民の世代間交流や生きがいづくりにつながる様々な活動を主催し、地域のシニア世代の主婦が中心となって手づくりの惣菜販売やお弁当の宅配を行っています。2年前に「きよぴー&とまと」のメンバーと地域の有志とで、ソフト面から地域を支える会として、隣の空き店舗に新組織「You&I」というサロンスペースを立ち上げ、地域交流の場として活動の輪を広げています。

●それぞれの活動内容について詳しくお聞かせください。

片貝:サロンスペースの「You&I」は定休日である水曜日以外の11時から16時までは喫茶店として利用でき、壁面をギャラリーとして開放していますので、絵や写真、工芸品など、皆さんの作品を展示しています。また、毎日のようにフラダンスや折り紙などの教室、映画や音楽の鑑賞会などを開いています。いろいろな催しを行っているのは、できるだけ多くの人に参加してもらえるようテーマを広げているからです。

さらに、月1回朝市を実施し、周辺の農家の新鮮な作物や手づくりのお菓子などを売っています。そして年5回、地域の子供たちを集めて川遊びや凧づくりと凧揚げ、芋掘りに出かける世代間交流活動を行っています。また、活動していく中で地域の人達から色々なニーズが寄せられるようになってきたので、新組織「You&I」は地域の要望に応えるために男性6人で「お助け隊」というチームを組みました。具体的には、一人暮らしで何かとお困りのお年寄りの家などの包丁研ぎやまな板削り、庭の草むしりや電球の取り替えといったお手伝い活動をしています。

こういった活動には、参加する人に生きがいにつながる仲間づくりをしてもらいたいという意図があります。なお、教室への参加は1回500円、ギャラリーの作品展示は1作品ごとに300円をいただいています。サロンスペースの家賃や運営費用をまかなうためです。

梅沢:惣菜店のほうは11時~17時までの時間帯で営業しています。毎日、きんぴらやひじき、唐揚げといった惣菜やいなり寿司などのお弁当を50種類ほどつくり、1パック120~150円で販売しています。当初は配食と喫茶・軽食で計画しましたが、それだけでは家賃が賄えなかったことと、ちょうど近所の惣菜屋さんが閉店して皆困っていたので、どうせお弁当をつくるのなら、と始めることにしました。

配食は、昼と夜2回、20軒のお宅に配達しています。代金は1食500円です。配食弁当の内容は、月1回メニュー会議があり、そこでメニューを決めています。しかしそれに加え、その日の担当者が自慢の一品をつくってくれます。登録している料理好きなボランティアスタッフは110人ほどおり、スタッフたちは毎日入れ替わり立ち替わりなので、「毎日違う種類の惣菜があって嬉しい」と好評ですね。それと、クッキーや生姜はちみつかりんとうなどのお菓子を企画し、メーカーにつくってもらって販売しています。

【地域の人たちに恩返しをしたくなって、お弁当を宅配するボランティアを始めようと思って始めたんです。】

●活動エリアと、かかわっているスタッフはどういった方々が多いのかお教えください。

片貝:清川町と隣接する町の一部、合わせて600世帯ほどが対象です。この地域の高齢化率は35%くらいでしょうか。スタッフは、サロンのほうは約10人で惣菜と配食のほうは110人です。120人ほどのうち一部は遠方から来てくれている人もいますが、ほとんどがこのエリアの住民です。70歳以上が95%ぐらいだと思います。

●業績はどういった状況でしょうか?

片貝:全体で日販3万円程度を維持しています。そのうち7割を惣菜が占めていて、配食が2割弱といったところで十分維持できています。「きよぴー&とまと」のスタート当初は日販1万7000円程度でしたが、少しずつ増やしてきた感じですね。スタート時にメンバーから出資金を集めたのですが、3年で完済しました。
(以後略)

儲ける必要は無い、利益を還元する必要は無いというのは強みでもあるかもしれません。子育ても終わり、蓄える必然も無いのですから、好きに生きちゃたら良いのです。それこそ、皆に喜んでもらえる、生き甲斐のあることをすれば良いのです。

 

 

 

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