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高齢者が知恵や技能を教える「寺子屋事業」の取り組み

お年寄りの活力発揮場所は、小さな子どもの子育てだけではありませんね。

もっと、技能を生かした場もあるはずです。

高齢者が知恵や技能を教える「寺子屋事業」の取り組み [1]

定年が65歳に引き上げられるとはいえ、定年後は高齢者にとって生産に参加する場は少なく、特に都市においては役割不全が深刻化している。

その中で、高齢者が培ってきた知恵や技能を地域社会に還元していこうと、地元のシルバー人材センターが事業母体となって行われている「寺子屋教室」が注目される。

平塚市を例に取ると、成人向けでは「パソコン」「絵画」「フラワーアレンジメント」「囲碁」や、子供向けには「小学生対象の算数と国語」「書道」などが講座として開催されている。

月謝が2,000円~4,520円と低く抑えられていることもあって、核家族が進行して学校や塾しか学ぶ機会の無くなった子供たちにも、新鮮で人気のようである。

地域社会に貢献したい、技能や知恵を継いで行きたいという高齢の方は多いと思われ、一方で若い内から勉強だけでなく生きる力や知恵を学んで生きたいという子供や親も増加傾向にあり、これらを繋ぐ「学びの場」という形態は地域再生の可能性を感じる。

以下、神奈川県全域、東京都町田市の地域情報誌「タウンニュース」より引用
寺子屋 [2]

平塚市生きがい事業団で、定年退職した高齢者が自身のスキルを市民に教えるという「寺小屋教室」が今月から始まった。指導役の高齢者はカリキュラム作りに悪戦苦闘している様子ながら、新しい「生きがい」に心を躍らせているようだ。

寺小屋が開かれるのは、同事業団の建物内にある10畳ほどの一室。水曜日の夕方には子ども向けの書道教室が開かれ、児童の声でひときわ賑わう。講師を務める元中学校教諭の久保寺芙沙子さんは、筆に迷う児童を見つけては背後から手を添え、「ついつい口が出ちゃうの」と笑った。

寺小屋では、書道教室と放課後学習支援の2講座を子ども向けに開く一方、大人のための書道、絵画、囲碁、パソコン教室も開講している。教室は週1回程度で、月謝は2000円〜4520円。11月のスタートながら、各講座には生徒が集まり、寄せられる評判も上々のようだ。

書道教室に足を運ぶ小学生の保護者は「習字は初めてですが、月謝も手頃で敷居が低く、気軽に通わせることができた」と話す。児童も「先生が分かりやすく教えてくれて楽しい」と、つぶらな瞳を輝かせた。

金曜日の午前中には囲碁教室が開かれ、比較的年配の初心者を集めている。元会社員で講師の飯島賀郎さんは「ここでは知らないのが当たり前で、気後れせずに挑戦してもらえているのでは」と話す。

碁盤の前で恐る恐る碁石を置いていた65歳の女性は、大阪に住む孫が囲碁に夢中。対局を誘われるとルールが分からずに断っていたそうだが、「正月に帰ってくるから、びっくりさせてあげるの」と舌を出した。

寺小屋事業は、定年退職者ら同事業団の会員が、自身のキャリアを発揮する場を新たに創出する試みでもある。会員向けにアンケートを実施し、実現しそうな講座から開講した。

同事業団は地元企業や公共団体、個人から仕事を受注し、会員が経験を活かして働ける場を提供しているが、景気の影響などで企業からの依頼は減少傾向。一方、社会の高齢化に伴って家事援助などの依頼は増えているものの、会員の経験をフル活用できる機会とは言い難い。

同事業団職員も「会員さんはもっと自分の特色を活かせる機会を求めている」と話し、寺小屋の今後に期待を寄せている。書道を教える久保寺さんも「子どもは学年も性格もいろいろで、一律に教えるわけにもいかないし、試行錯誤で大変。でも楽しいわ」と愉快そうに語っていた。

こんな活躍の場があるのが日本の強みなんじゃないでしょうか。幾つになっても、誰かの役に立ちたい、と思う人たちが居ることが日本社会の凄さなんです。 そんな人たちの活躍の場を社会は提供しないといけない。その気持ちがある限り元気で居られるんですから。

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