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魚を与えず釣りを教え、さらに他の釣り方を模索させよ

我が家の長女と次女は年が5つ離れています。

次女が赤ちゃんの頃は、おむつ替え、ミルクやり、入浴・衣服の着脱・食事・排泄の手助け、絵本の読み聞かせetc…率先して何でもしてくれる長女を頼もしく、心強く感じていましたが、なすがままの赤ちゃんではなくなった次女は、次第に世話を焼きすぎる姉に反発し、けんかになることも増えてきました。

先日も、長女が勉強している隣で、次女が真似をしてノートに文字らしきものを書いていましたが、思うように書けないようで半泣きで何度も消して書いてを繰り返していました。さっそく長女は『何て書きたいの?鉛筆はこうやって持ったら書きやすいよ、お手本書いてあげようか?』と教えようとしてしまい、『今がんばってるから何も言わないで!見ないで!』と妹に怒られ、ショックで落ち込んでいました。

うまくいくよう手助けしたくなる長女の気持ちも痛いほどわかりますが、『自分でできる!やりたい!』という妹を見守って、励まして、とことんやりきった末の『できた!』をみんなで一緒に喜び合いたいので、長女の経験や事例も思い出したり、妹の気持ちに同化して想像してみたり、どんな声かけが嬉しいか・妹のためになるだろうかと一緒に考えました。

すると、相手が“わからない、難しい、できない”と壁に突き当たって苦しんでいる時は、“わかりたい、どうにかしてやってみたい、できるようになりたい”と切望して試行錯誤しているのであって、その最中にすぐに答えを教えたり、手伝ったり、代わりにやってあげたりしてしまうことは、相手の欠乏を真に充足させる機会を奪ってしまいかねない。それは親切なのではなく“教えてあげたい、感謝されたい”自分の自己満足でしかない。ということに、長女自ら気づいたのです。

それに気づくと『じっと見守るのってすごく辛いけど、すぐ口出して手伝っちゃうと、○○(妹)ができるって信じてないみたいで失礼やから、絶対できる!って応援する!自分も負けないようがんばる!』とスッキリした笑顔を見せてくれました。

「授人以魚 不如授人以漁」(人に魚を与えれば一日で食べてしまうが、釣りを教えれば一生食べていける)という格言は有名ですが、私たちの外圧(置かれた状況・世の中)はものすごいスピードで変化しています。親が子に教えた釣り方で、いつまでも魚が釣れるとは限りません。

教わったやり方では釣れなくなった時、途方に暮れて誰かが教えてくれるのをただ待つのではなく、正しく外圧をとらえて、教えられたことを応用したり、できる人の真似をしたり、まったく新しいやり方を創造したり、試行錯誤して生き抜く力をつけてもらいたい。

そのためには、大人自身も安易に答えを求めず、ひとつの解決方法を覚えて満足せず、常にどうする?を考え続ける必要があると感じました。

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