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【コラム☆感謝の杜】~「赤ちゃんの抱き癖を無くす」のウソ

今は随分、間違いが正されて来ているようですが、戦後、アメリカから入ってきた、多くの育児指南が、本来豊かだった日本の育児をゆがめてきました。

子供の頃、叔父叔母が従兄弟である赤ん坊の育て方で、「抱き癖がつくからダメ」という会話をしていたのを覚えています。子供ながら、何か理不尽なものを感じました。

赤ちゃんが共認機能を形成していく過程 [1]  より

>共認の真髄は期待応合です。これは、どちらか一方からではなく、双方が期待しあい応合しあうことでお互いの肯定視を深め充足を得ることができます。「母 性」もまた赤ん坊と母親の相互の期待応合による充足があって初めて芽生えるものであり、母子が一体となって育んでいくものなのだと思います。(88137 [2]

赤ちゃん哺乳 [3]

たとえば、赤ちゃんの抱き癖についての誤った見解があります。泣くとすぐ抱き上げると泣き癖が付く。だから、泣いてもほっておいて、決められた時間に抱き 上げ、授乳するというものです。そして、この方法により、確かに泣き癖はなくなります。ただし、これの意味するところを深く考えてはいません。

赤ちゃんの状況に同化してみると、空腹を満たすことや、抱かれることによる充足を求めて泣くというサインを出します。そこで、母親がすぐに応望してくれた ら、自分の欠乏(=相手に期待する)を出せば母親が満たしてくれるということを学習します。それより母親への肯定感や安心感も獲得できます。これは、将来 の自己や他者に対する肯定感にもつながります。

それに反して、お腹がすいて、泣いても応望してくれない場合は、自分の欠乏を出しても(=相手に期待しても)応えてくれないという、相手に対する不信感や 諦め感が生起します。その結果、自分の欠乏を出すこと(=期待すること)を断念するようになります。その結果、泣き癖はなくなります、欠乏(期待)封鎖と いう回路の形成という代償をはらって。

しかし、この時点で母親は、泣き癖がなくなって(母親にとって)いい子になったと理解します。そして、充足より規制管理という、同じような方法で子育てを行います。その結果、子供はいい子を演じ続けます。そして、非充足と他者不信は心の奥に蓄積されてきます。

そして、その度合いにもよりますが。ひどい場合には、失恋などの人間関係での挫折から、自ら欠乏を強力に封鎖する拒食・過食症などにいたります。

このように、人類の子育てとは、共認機能を完成していく過程そのものだと思います。共認機能という言葉さえ知らない人の考え出した、観念的育児法がいかに問題かを心にとめておく必要があります。

また、共認機能という言葉を知らなくても、500万年もの間、成功してきた子育ては、事実として有効であったという視点も必要です。これからは、これらの事実に基づいた、(共認などの)観念で子育てを考える時代なのだと思います。

赤ちゃんと向き合ったときは、もっと、自分の感覚、母性父性を信じるべきなんでしょうね。

 

 

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