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新たな保育の可能性6 【お母さん参加型保育】① 「子育ても充実させたい」「社会とのつながりを持ちたい」その両方を叶えたい!

新たな保育の可能性1~5までで、『保育制度とは何か』を、保育制度の歴史、日本・諸外国の現状を軸に見ることで、現在の保育制度が抱えている問題が明らかになりました。

そして、その保育制度の中で、それを利用し仕事を続けた女性もいれば、出産を気に子育てに専念することを自ら選択した人、本当は働きたい気持ちがあるけど、預け先がなく、働けずにいる人など、様々な事情を抱えています。

無題

◇仕事はやめたけど・・・でも、本当は働きたい!お母さんたちの思い

●初めて妊娠したとき、お仕事はどうしましたか?
・フルタイムで仕事をしていたが、辞めた 43%
・もともと仕事はしていなかった     29%
・仕事(会社)は辞めずに産休に入った   16%
・その他                12%

●現在、働いていない人は今後働きたい?
・働きたい      68%
・働くつもりはない  10%
・どちらともいえない 21%
・無回答        1%

●働く目的
・現在、働いているママ
1位 家計の足し         49%
2位 社会とのつながりをもちたい 44%
3位 経済的な必要から      41%

・今後、働きたいママ
1位 家計の足し         63%
2位 子供の学費・養育費      46%
3位 自分の使えるお金を得るため 45%

ぱど『出産、育児後の女性の社会復帰について(2010年調べ)』リンク [1]リンク

4年前の時点では、仕事をやめずに続けたという人は、わずか16%しかいません。しかし、専業主婦の方も68%は働きたいと望んでいます。
また、注目なのは、その理由!
専業主婦の方々の理由が、主に金銭面なのに対し、仕事をしているママたちの主な理由の2位に“社会とのつながりを持ちたい”というのがきている点です。
実際、働いている女性からは、金銭的なゆとりがあることだけでなく、社会とのつながりがあることで、子育てにもゆとりを持てているという様子が伺えます。

同じく、ぱど『出産、育児後の女性の社会復帰について(2010年調べ)』から、その声を紹介します。

・「やはり色々な年代の方と交流が持て、色々な考え方を感じることができるので、世界が広くなるし、自分自身の考えもやわらかくなれてとてもよい。毎日忙しいけれど、かえって家族との時間を大事に過ごそうという考えが強くなって、時間の使い方がうまくなったように思う。」(神奈川県36歳パート・アルバイト)

・「金銭的に余裕が出来、生活にゆとりがあるという事は精神的に楽です。社会の一員と言う実感があります。育児に集中しなくて済むので、その分客観的に見る事が出来る。」(埼玉県33歳会社員・公務員)

・「ずっと家の中にいて、話す相手は、幼稚園の友達ママだけだったので、社会から離れていた感じでした。外の世界はまた違った意味で楽しい。」(東京都38歳パート・アルバイト)

・「子どもがご飯を炊いてくれたり、洗濯物を取り込んでくれたり、今まで言われないと手伝わなかった家事を進んでしてくれるようになった。」(東京都40歳業務委託請負)

・「今、望んでいる収入には全く届きませんが、わずかでも収入があると思うと精神的に落ち着きます。子どもとずっと一緒ですと、どうしてもイライラしてしまうときがあり、子供にもあたってしまうので、適度に離れている今はとても良いです。」(東京都30歳業務委託請負)

・「出産後9年間専業主婦をした後パートで仕事を再開してみて、最初は不安だったが、慣れてくると、自分も社会とつながっているんだと感じられるし、こどもと離れた時間があることで、逆にゆとりをもって接することができるようになったと思う。」(東京都46歳パート・アルバイト)

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◇社会からは切り離された、お母さんたちと子供たちだけの空間

また、私自身も、2年前に子供を出産しました。幸い、周囲の環境や職場の方々に恵まれ、離職せず、産休を経て、今では職場復帰しています。
ですから、仕事を離れていたのは、実質半年くらいなのですが、その期間に感じた、現在の子育てに対する違和感!

子育てをしている人たちの支援体制には行政も力を入れており、自ら足を延ばせば、有料・無料に限らず、多くの人たちと繋がる機会はいくらでもあります。
たとえば、今や、どこの地域でも、無料で行ける子育て支援センターや児童館、幼稚園や保育園の園庭開放はあるし、多くのお母さん達が足を運んでいます。
また、有料でも、市町村が支援している保育ママ(一般家庭の人が、一時的に子供を預かってくれる)や安価だけどきちんとしている一時保育もあり、5千円程度あれば、1日預けてリフレッシュするくらいのことは可能です。

でも、なんか違うんです!
産休中、1度だけ、どんなところだろうと思って、役所が主催する、『母と子のつどい』というものに参加しました。
そこでは、同じ月齢の赤ちゃんとお母さん達、保健士さんが集まって、手遊びをしたり、おしゃべりをしたり。でも、そこで繰り広げられるお母さんたちの会話は、「育児大変ですよね」「うちは、●●や●●があって困っちゃう」というもの。そこで、「特に、大変なことはないですね」「楽しくやってます」と言おうものなら、会話が終わってしまう状態・・・

しかし、仕事をしていないお母さん達と、そういう場を離れて話をすると、本当に求めているのは、“社会とのつながり”であることが分かります。家で一人で子育てをしていることで感じる、社会から取り残されている感。だから誰かと繋がっていたくて、子育て支援の場に参加するけど、そこでつながれるのは、社会から切り離されたもの同士が集まって、社会から切り離された場が広がっていくだけ。

これが今の保育制度の現状であり、こんな状態が蔓延し続けては、お母さんたちは疲弊し、真っ当な子供が育っていく社会を作ることも到底叶いません。

そんな中、お上に頼らない、自分達の手で、新たな保育を確立しようとする動きが、個人・民間企業・地域社会など、様々なところから出始めています。
これからは、その新しい取り組みの紹介と、それぞれが抱えている課題を明らかにしていきたいと思います。

まずは、お母さん達が、自らの手で、「社会とのつながりを持ちたい」「子育ても充実させたい」との思いで始めた事例を2つ紹介します。

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