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『生きる力を育てる教育』~遊びの効用(4)これからの時代の「遊び」とは~

こんにちは^^*
いつも生きる力を育てる教育「遊びの効用」シリーズを読んでくださってありがとうございます

                             
遊びの効用(1)子どもにとって、「遊び」は最大の学習課題 [1]
・「遊び」とは外圧に適応するための重要な学習課題
・動物も人類も「遊び」を通して外部世界に適応する術を自然と身につけてきた

遊びの効用(2)「遊び」の概念が無い世界 [2]
・近代思想に影響されていない民族(=集団)にとって「遊び」は、外圧に適応するための予行演習の一つで、「遊び」という概念すらなく、日々の生活の一部になっている。

遊びの効用(3)消費者となった子供たち [3]
・お金を出せば遊ぶための道具は買える時代となった現代、子供たちは創意工夫をして遊びを創り出す必要がなく、“ただの消費者”になってしまった
・子供たちが遊びを通じて健全に育っていくのには、『闘争の場=(職場)』と『生殖の場=(家庭)』が一体となった生産体(様々な闘争圧力が働く環境)が求められている。

                           

闘争の場と生殖の場を一体にすること』が何よりの答えになります☆+゜
とはいえ、分断されてしまった闘争の場と生殖の場を一気に一体にすることは、
そう簡単にできるものではありませんね 🙄

でも、闘争の場と生殖の場を繋げようとする、その萌芽 とみられる現象は出てきています。
それこそ、これからの時代の「遊び」と言えるのではないでしょうか♪
では、その萌芽とは!?
続きもよろしくお願いします☆+゜

これからの時代の「遊び」は『職業体験』

その一つが、1998年から学校教育に取り入れられた総合学習『職業体験 です。
中学2年生になると、地域のお仕事を体験しに行く期間があります。
導入当初は、ニートなど働かない若者が増えたことや、サラリーマン家庭が増え、仕事に触れる機会がない背景から、カリキュラムの一貫として、半ば強制的に始まりました。
しかしそこには、現代の「遊び」の要素がたっぷり詰まっているのです。

たとえば宇都宮市の『宮っ子チャレンジ』の事例はこちら→リンク [4]

上記は本物の“お仕事”に触れ、学んでゆく事例ですが、これを膨らましたのが、職業体験施設 です。

私のしごと館(2003年~2010年) [5]」や「キッザニア(2006年~) [6]」などが次々と生まれ、最近はお金を払ってでも仕事を体験しに行くようになりました。

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遊園地は次々と潰れる中、子ども達の遊び場は、職業体験や工場見学へと変化していってるのですね。
その魅力は、やはり「外圧に適応する術を身につけていくことができる予行演習現代の遊び 」だからではないでしょうか。

「遊び」のポイントは“供給側になること”

ただし、「キッザニア」に代表されるように、テーマパーク化した職業体験の場には、足らない点もあります。

たとえば、キッザニアは実際の企業のミニチュア版でリアリティもあり、お客さん役の子供とやり取りもできる面はプラスなのですが、パッケージ体験が主流です。
つまり、自ら創造する機会が奪われているゲームと一緒。下手すればどこまでも消費者に…
大人側が作り込みすぎないことが、体験の肝になるのではないでしょうか。

そのことは、キッザニアのような職業体験イベントの事例からも分かります。

               
『子どもの供給側が面白い!に同感!』より [7]

先日、娘はNPO市川子ども文化ステーションが主催する『子どもがつくるまち・ミニいちかわ』というイベントに参加してきた。

イベントの内容は、公園で職業体験ができるというもの。
子供だましかな?と思いきやそうでもない。
なんと「職安」があって、入場した子供は、最初に「職安」に行って、働きたい仕事の職業カードをもらう。その次にお店に行って働く。10分働くと100メティというお金に換わる媒体がもらえる。銀行に行って働いた時間を申請するとメティが受け取れる。
そのメティで場内の食べ物や品物を買うことができるシステム。(ちなみに、たこやき1皿300メティ~30分でたこ焼きにありつける仕組み)

各テントのブースにはたこやき、わたあめ、ゲーム、ザリガニ釣り、ネイルアート、指編み小物販売など、さながら幼稚園や学校のバザーの雰囲気。しかし、主体は「子ども」。働く人も買い物をする人も子どものみ

母:何が面白かった?
娘:働くのが面白かったぁ! (←指編み、スライムなど製作ものに従事)
母:初めてなのに、失敗しなかった?
娘:(その場にいた)お姉ちゃんが教えてくれたし、真似したからできた。自分で作ったのが売れちゃうかもしれないんだよ。(←自信満々!)

どうやら、この最後の部分が彼女の面白かった中心の様子。
確かに、たこ焼きが珍しいわけでもなく、「自分がやった(=生産)ことを人が喜ぶ(=消費)!」この仕組みを楽しんできたようだ。
確かに供給側が面白い!同感!!
               

ただの消費者ではなく、供給側になれば、もっと充足できる☆+゜
子役タレントなどのように、小さくても大人顔負けで生産活動を担っている子もいます。
子供にはまだ無理、と外圧から遠ざけているのは大人たち
こちらの期待かけ次第で、子どもはもっと生産者になっていけるのではないでしょうか。

最近の若者も、イベントは参加する(消費)だけより、運営スタッフ(供給側)として関わった方が断然面白い♪と言います。
これからの時代の「遊び」とは、今までの「仕事と遊び」の概念を超え、たとえ一部であっても、生産活動を担っていくこと(脱消費者)に他ならないのです。

都市型の「遊び」再考

このような時代の流れから、大人たちも、子供たちが供給側になれる場を作ろうと動き出しています。

たとえばこちらの自然体験学習教室★

自然体験学習教室では、自然と触れ合い、野菜を育てたり、田植えや稲刈りをすることで、自然の大切さや、仲間と協力して課題に取り組んでいく楽しさを感じてもらっています。

それだけではなく、将来みんなの役に立ったり、色んな人から喜んでもらえるように、畑から社会に飛び出して、地元農家さんのお手伝いへ行ったり、実際に自分たちが育てた野菜を、実際にお店を開いて販売する体験も行っています。

当日の様子 [8]からは、以下の流れが伺えます♪
・販売体験の目的を確認
・前回の参加者の成功ポイントを確認
・販売体験の準備(ポップ作成、販売トーク練習etc.)
・実際の販売体験
・今日のよかった点・来年度に向けた改善点、売上金の使い道をみんなで議論

実際に販売する時間と同じくらい(むしろそれ以上?)の時間を、事前準備に費やしていることが分かります。
その過程も含めた創意工夫の場 が、作りこまれた遊び場とは違うのでしょう。

以下の子供たちの感想からも、学んだこと・充足がケタ違いなのが分かります♪

~今日のよかったこと~
☆お客さんがたくさん来てくれた!
☆お客さんの笑顔が見れた!
☆商品がいっぱい売れた!
☆お客さんが「ありがとう」と言ってくれた!
☆お客さんが「毎年楽しみにしてるよ!」と言ってくれた!
☆声がだせた!
☆みんなが一生懸命売ろうとしていた!
☆みんなが工夫して行動していた!
☆お客さんが類農園の事を興味をもってくれた!
☆みんなが考えてくれた!

~未来にいかしたいことは~
☆いいところは、お客さんの笑顔が見れたこと。
☆悪いところは、もう少しゆっくり喋る事
☆良い所は値札を見やすく書き置く場所を考えた
☆商品の前に立たないように気をつけ大きな声をあまり出さない
☆一番売れてほしいものをアピールしまくる
☆宣伝するときはあまり大きな声を出しすぎない方が、お客さんの声がよく聞こえる
☆声を大きくしすぎない
☆お客さんがたくさん来たときに、あわてすぎだった
☆ちゃんと係りに分かれて仕事をする
☆広がりすぎない
☆値札は、見やすく分かりやすく書く

 * * * * * *

実際の社会で、商品を販売したみんなは、本当にたくさんのことを学んでくれたようです
自然体験学習教室の広場 [8]より)

そこで私たちも、都市であってもできる子供たちの生産活動 を考えてみました。
たとえば、お父さんやお母さんの働く職場で、実際に販売体験をしてみてはどうでしょうか 😀

子どもたちに、お父さんやお母さんの働く姿も見てもらうこともできます。
そして、どうやって売るか、自分たちで考える場にもなります。
詳しい企画の全貌は、次回以降に譲りますが、子ども達がどんな反応をしてくれるのか、考えただけでもワクワクしてきます

机上の空論だけでなく、実践してその効用を確かめてみたいと想います
続きもお楽しみに♪

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