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『安心基盤をつくっていくには?』:「食」への期待5~骨抜きにされる法規制①~

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画像はこちら [1]から拝借

『安心基盤をつくっていくには?』:『「食」への期待』シリーズということで、これまで以下の記事をアップしてきました。
1.食卓に迫る放射能の危機 [2]
2.腐らない農産物の正体 [3]
3.遺伝子組み換えの仕組みと人体への影響 [4]
4.驚愕の「白い粉」。食品添加物の実体に迫る [5]

これら食品に纏わる問題は、われわれ庶民では防ぎようがなく、それらを食い止めるには政府による法規制が何より鍵になります。

しかし、実態はどうかというと・・
上記1.の放射線被害では
●年間20ミリシーベルト「発がんリスク低い」 政府見解 [6]
●文科省「放射線量低く見せろ」要求応じず解約になったオンライン線量計 [7]
など国民、それも今後育っていく子供達の生命を真剣に考えている痕跡が見えません。

さらに、これに懲りずに、首相経験者4人も含む元自民党系の大物政治家たちが集まって地下原発推進議連をするという動きさえある。(リンク [8]

2~4については、もっと大きな政治的な圧力が働いているのです。
ご存知のように、日本は敗戦後の政策は、アメリカ:GHQ主導で進められてきました。歴史教科書では、それは「民主化」といわれていますが、実際には、「支配」と呼ぶに相応しい状況でした。

それらの状況は、以前に当ブログでも追求し、まとめているので、以下をご参照ください。
え?!こんなところまで?!~戦後のアメリカ支配@女性の解放~ [9]
え?!こんなところまで?!~戦後のアメリカ支配@労働運動~ [10]
え?!こんなところまで?!~戦後のアメリカ支配@日本の教育~ [11]
え?!こんなところまで?!~戦後のアメリカ支配@マスコミ~ [12]

今回のテーマである食料に纏わる政策も、ご多分に漏れず、アメリカ支配の影響を受けてきました。そして、それは最近話題のTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)でさらにその支配圧力を強めようとしています。食の安全や安心を・・と考えた場合、この事態はとても深刻です。
以下に、戦後から現在までの食料政策の経緯をざっと、振り返ってみます。

その前に・・・
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敗戦後のアメリカ食料政策:洋食化計画

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1954年、アメリカは、条件案付きで日本に経済社会構築のための防衛上の再軍備実施と、食糧増産の打ち切りを要求、財政投入型の食糧増産をやめて、日本はアメリカの余剰農産物を円で買う、そのかわりに、アメリカは受け取ったその円を日本への防衛投資や日本製品購入に当てる、という内容のMSA協定を提示。

それを日本政府は、アメリカ側の新しい援助だとして飛び付き、即座にMSA協定を締結すると、日本の農政も、これまでの方針を大転換。米麦を中心とした増産対策(いわば食糧自給)の放棄と小農保護政策の中止を決めていく。

この背景には、アメリカの深刻な余剰穀物をいかに処理するかという課題があり、日本がその実験台にされたのである。

以後、アメリカは粉食の需要拡大のため、さまざまな手を打っていく。

学校給食では「パンと脱脂粉乳」を導入し、日本の津々浦々で「キッチンカーによる洋食講習会」を行い、テレビでは「調理番組」:キューピー3分クッキングを流し、日本人の舌を洋食に馴らしていった

さらに、伊勢湾台風の復興支援を名目に、トウモロコシを飼料として食べる豚を贈呈し(豚空輸作戦)、生育期間を短縮でき、おいしい肉がとれるということで、一気に畜産事情を一変させてしまった
こうした食の洋食化と飼料作物の普及が食料自給率の低下に決定的な影響を与えたのである。

「結い」や「もやい」といった相互扶助の精神で集団生活を営んできた日本人にとって、こうしたアメリカの支援は、平和友好の証として疑うことなく快く受け入れていった。

テレビではアメリカナイズされた豊かな生活が流され、個人や自由といった観念が浸透し、豊かさ実現が国家を上げての目標となってゆく。農村では私権追求の可能性が見出せない人々(特に若者)は、アメリカからの新しい文化の先端である都市に惹かれ、都市に行けば豊かになれるという幻想を抱き、都市へ出て行った。工業発展を支える安い労働力を必要としていた都市では、農村から流入した人々が賃金労働者として、また消費者として市場拡大の原動力となっていった。

こうして、日本の人々の生活は「仲間の期待がかかる集団的営み」から、「お金がかかる個人の営み」に変貌したのである。

アメリカはこうした変化を強制的にではなく、あたかもそれがすばらしいと、メディアや普及活動を通じて、日本人自らが率先して行うように仕向けてきた
これは巧みなアメリカによる共認支配である。

以上:新しい「農」のかたち『アメリカの共認支配』 [13]より

みなさんお馴染みの「キューピー3分クッキング」がアメリカの洋食化計画の一環だったのは驚きですね。それとパンと牛乳の学校給食もそうだったのです。こうして、現在の洋食化の食生活は、小麦や食肉、牛乳の販路拡大を狙ったアメリカ主導で瞬く間に日本に定着したのです。
洋食化の中心の食材である肉食や、学校給食にでる牛乳は、実は、日本人に対して、多くの弊害を持っているのです。以下を参照ください。

『肉の多量接種で大腸がんリスク上昇~国立がん研究センター~日本人は日本食が健康食なのです』 [14]
ガンの原因は肉食? [15]
牛乳の害(ここにもアメリカとマスコミ支配の影が・・・) [16]

取り残された日本の農村

洋食化に伴い米の需要が減少する中、農政は、価格調整のため生産量を無理やり減らす「減反政策」をとり、それでも財政の赤字が減らない農政は、市場で米の価格を決定する「自主流通米制度」を導入。現在、政府米は廃止し、価格は完全に市場にゆだねられており、米価の下落が農家の経営を直撃している。

戦後復興を果たし、世界第2位の経済大国にまで成長した日本だが、それは、農業という国家安全保障上、重要な分野を犠牲にして成し遂げられた

戦後の日本のように、豊かさ追求を目指して工業化、市場化を進める国、それが発展途上国である。実は、日本は、発展途上国で進められた「緑の革命」のさきがけとしての実験モデルとでもいえるのではなかろうか。
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新しい「農」のかたち『アメリカの共認支配』 [13]より

アメリカの「援助政策」により、生存に必要な食料を他国に依存するという状況を招き、輸出を断たれると生きていくのが困難な状況に陥るという、まさに、「緑の革命」における発展途上国と同様の危険性を貼らんでしまったのです。
今や、日本の自給率は40%を切っており、農業人口は労働人口の4%、しかも60%が60歳を超えているという状況で、日本の安心基盤である農業生産そのものが、非常に危うい状況になっているのです。

緑の革命は以下を参照
「緑の革命」の事例:貧しい国を助けたいという善意と情熱だけでは、市場派に利用され片棒を担ぐ事になる [17]

近年はTPP等の新たな圧力が加わり、もっと恐ろしいことになろうとしているのです 😯
その状況については、次回報告します。

[18] [19] [20]