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勉強だけができる子にしたくない!【0】:プロローグ~試験制度は子供達を無能にする

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被災地に笑顔を~「ファイト新聞社」の面々・・・大人達も子供達が作る壁新聞を毎日楽しみにしている
画像はこちら [1]からお借りしました

2011年3月11日に発生した東日本大震災及び、現在も収束への道筋が見えない原発事故は、我々日本人の意識に大きな変化をもたらしました。
地震、津波による災害にしても、原発事故にしても、それらは生命の危機に直結する(=本能を直撃する)大きな出来事であり、被災地でなくとも「何とかしなければ・・・」「何かできることは?」と、人々の当事者意識を高め、節約運動やボランティア活動などに向かわせています。

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今回の震災では、阪神大震災を大きく上回る、3倍近いペースで義捐金が寄せられている
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応援よろしくお願いします。

また、今回明らかになったのは、政治家、官僚、学者、マスコミなど、本来この未曾有の危機を乗り切るべく社会をリードするはずの統合階級の無能ぶりです。

彼らは、明確な方針を出す以前の問題として、「想定外」と言い訳し、誰もが求める事実を隠蔽し、密かに放射線基準値を改悪し、「直ちに健康被害はない」と人々を騙し、もって原発がもたらす巨大利権の維持保身に余念がありません。
先日の内閣不信任案を巡る騒動に至っては、被災地の人々(の気持ち)を無視し、茶番劇とも言える政争を繰り広げた結果、国民からは・・・

●「力を合わせて震災対策をやるべき時に政治家同士で何をやっているのだろう。家族を失い、財産を失った人たちがいまだにこうやって避難所にいる。政治家は私たちの話をほとんど聞きにも来ない。私たち被災者の気持ちは何も分かっていない
<内閣不信任案>「被災地に目向けて」怒りとあきらめの声 [3]

●「国民の大半はすでに政治に期待していないし、自分たちの生活は自分たちで守らなければならないと思っている。」
有権者「卑怯」「被災地バカに」「単なる延命」 [4]

と言った、人間性の次元での不信感や諦めの声が噴出しています。
(同時に、「自分達でなんとかしなければ!」という当事者意識が更に高まっています。)

考えてみれば、そもそも世界で最も地震が多発するこの狭い国土に50基を越す原発の建設を主導し、取り返しのつかない事態を招いてきた張本人こそ彼ら統合階級です。

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内閣不信任決議案の提出について報じるニュース番組を食い入るように見つめる避難住民ら
画像はこちら [3]からお借りしました

ところで、彼ら・・・政治家、官僚、学者、あるいは電力会社の幹部に共通していることがあります。
それは、いずれも東大、東工大をはじめとする日本の最高学府出身の超エリート であるということです。

かつては誰もが憧れ、目指し、そのためになり振り構わず試験勉強し、ライバル達と競争した・・・それは「学歴身分」を手に入れ、豊かな生活を送るためですが、その最も有能であるはずの彼らの体たらくは一体何を意味しているのでしょうか?

・・・そもそも己の保身や利権のみに囚われ、国民や社会の役に立とうともしない存在を、そもそも「有能」と言って良いのでしょうか?(本来「有能」とはどういうことか?についてはシリーズ後半で詳しく考えてみます。)

こうした彼らの本性を目の当たりにするにつれ、果たして「学歴や受験に意味はあるのか?」「東大生(試験エリート)って本当に優秀なの?」 、あるいは子を持つ親の気持ちとして「自分の子供はああはなって欲しくない」「勉強だけでいいのか?」 と感じた人は少なくないと思います。

因みに、数年前の秋葉原無差別殺人に代表される“理由なき殺人”も、親の期待に応えて友達と遊びもせずに受験勉強に埋没した結果、ちょっとした挫折を契機に暴走に至ると言う意味で、これも試験制度の弊害と言わざるを得ません。

参考:「福島の原子力発電所の危機は官僚政治による人災である」 [5]るいネット [6])より 
 

本稿の根拠として、日本の原子力政策に関わって来た組織とその当事者一覧を上げておこう。(出身校)

原子力安全委員会
  委員長        鈴木篤之    (東大工)
               東邦夫     (京大工)
               早田邦久    (東大工)
               久住静代    (広島大医)
               中桐滋     (東大工)

原子力安全保安院
  前院長        薦田 康久   (東大工)
  院長          寺坂信昭    (東大経)
  次長          平岡英治    (東大工)
  安全基盤審議官  中村幸一郎  (東大工)
  流通戦略審議官  西山英彦    (東大法)

原子力研究開発機構
  理事長         鈴木篤之   (東大工)
  副理事長       辻蔵米蔵   (京大工)
  理事          戸谷一夫   (東北大工)
  理事          片山正一郎  (東大工)
  理事          伊藤和元   (阪大工)
  理事          岡田漱夫   (東大工)
  理事          三代真彰   (東大工)
  理事          横溝英明   (東大工)
  理事          野村茂雄   (早大理工)

一方、未曾有の地震、津波被害を受けた被災地では、うつむきがちな大人達も多い中、少しでも皆を元気にしようと一所懸命明るい話題を探して壁新聞を作る小学生達(「ファイト新聞」)や、少しでも周りの役に立ちたいと、お手伝いに励むたくましい子供達の姿も見ることができます。

・・・そもそも「何のために勉強するのか?」の問いへの答えは、学歴身分の確保などではなく、被災地の子供達のように、周りや社会の期待に応えて役割を全うするためではないでしょうか?

■避難所の子「ファイト新聞」創刊 「明るく」が編集方針 [7]

 4月11日朝刊。「みなさん、ひなんじょ生活にはもうなれましたか。この1か月かん、いろ×2なことがありました!これからもがんばりましょう」

 「ファイト新聞社」があるのは、避難所となっている宮城県気仙沼市の気仙沼小学校体育館。大人たちは、うつむいている人が多い。本当の新聞は暗い記事ばかり――。明るい気持ちになるためにと、小学生たちが新聞を作り始めた。

 創刊号は震災4日後の3月15日に発行。近くにいる人たちに回し読みしてもらった。読んだ大人から笑い声があがった。「面白いね」「毎日楽しみにしているよ」と声がかかるようになり、2週間後から壁に張り出し始めた。

 初代編集長だった吉田理紗さん(7)は避難所を出て親戚の家に行くことになり、引退した。4月4日から2代目編集長になったのは小山里子さん(9)。「一日のうちで楽しかったことだけを選んで、書くことを決める。明るくいこうよって伝えたいから」

 「牛丼とうじょう!」「散歩しました。ポカポカしてて、気分転換になりました」。多彩な絵が満載で、星がにっこり笑っているイメージキャラクターも作った。

 津波で家が流されてしまった、同じ境遇の仲間。違う学校に通う互いに知らない子どもたちが、新聞作りを通して仲良くなった。いまは6人の「社員」が編集方針を話し合いながら、毎日発行している。

 震災から1カ月の11日には、北海道からイカめしやホタテのから揚げの炊き出しに来た人に、初めて取材して増刊号を作った。小山奏子さん(12)は「緊張したけど、話を聞かせてもらって良かった。遠くからありがたいな、という気持ちが生まれた」。

 母親の勝江さん(44)は「大人はアルバムを持ってくればよかったとか、後悔ばかり。子どもたちのほうが前向きです。友だちが増えて楽しそうで、うれしい」とほっとした様子だ。

 明日は何を書こうかな。楽しいこと探しの日々が続く。

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みんなで協力、元気に水くみをする子供たち
画像はこちか [8]らお借りしました。

そこで、今回のシリーズは、 「勉強だけができる子にしたくない!」 と題し、まずは試験エリートである特権階級の問題性を分析する中で、本当の意味での「有能」 について追求した後、地震・津波や原発事故を契機に登場しつつある新たな可能性・・・「本来の教育」の萌芽 について考えてみたいと思いますので、よろしくお願いします。

※以下は大きな流れです。・・・あくまでも現段階での想定ですので、一部変更するかもしれません。

①こんなにも進んでいる試験エリートの無能化
 1)エリート官僚 ~政策を司っているのは実は官僚
          ・・・その官僚の無能化△→日本:ガタガタ
 2)今回の原発事故を受けての対応でさらに顕在化
  ~『地震・原発を契機に人々の意識はどう変わるか?』
 3)学者がウソを付く ~専門家では社会の役に立たない

②なんで試験エリートは役に立たないのか?
 1)特権の維持・行使という狭い目的意識の醸成
 2)旧観念に固執
 3)学者の存在構造 ~支配観念教の牧師の役割→権力との癒着

③中間総括:
 今まで旧観念を撒き散らし、支配観念として機能させてきた特権階級の欺瞞
 性が、今回の原発問題を機に一気に顕在化したことは、人々はその支配観念
 と決別し、新しい観念を求める意識が高まっていくはずである。その萌芽
 は?可能性はどこにあるのか?

⑤有能とは?―みんなのことを考えられる
 
⑥子供達(人々)の意識潮流はどうなっているのか?
 ※子供達はもちろんのこと、親の意識の変化にも焦点を当ててみる。

⑦とくに、今回の原発を受けて可能性:観念収束の高まり
  ⇒「本来の教育」への欠乏△!?

⑧幼少期の大切な時期の遊び

⑨『グランド・セオリー』~社会不全を対象化していくための普遍的な認識群の必要

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