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新しい暮らしの形(1)

イマドキの新しい暮らし~集まって暮らしたい
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画像はこちら [2]からお借りしました。

ここ6、7年の間に、東京を中心に「シェア住居」が急増しているのをご存知ですか

シェア住居とは?シェア住居白書 [3]より引用

コミュニケーションを付加価値とする住居
シェア住居とは、キッチン、リビング、浴室、トイレ等の設備を複数名の入居者が共同で使用する住居の事を指します。

従来の風呂無しアパートのように経済性のみを訴求点としたものではなく、共用設備の利用に際し発生する入居者同士のコミュニケーションを主要な訴求点としているのが特徴です。(後略)

 更に、最近は複数世帯がそれぞれ独立した専用住居を持ちながら、キッチンや洗濯室、リビングなど、共用スペースは世帯を跨ってみんなで使い、生活の一部を共同化する集合住宅 「コレクティブハウス」も着目され始めています。元々は1970年代に北欧の働く女性たちによって実現されたものですが、いわば昔の長屋のような地域共同体を作り出している集合住宅です

「シェア住居」、「コレクティブハウス」など、あかの他人が集まって住む動きの背後には、どんな期待が寄せられ、どんな可能性に向っているのでしょうか?

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まず、前述の「シェア住居」がどの程度増え、どんな人が住んでいるのかを見てみましょう。
シェア住居の増加 [4]
画像はこちら [3]からお借りしました。
東京とその近県のデータですが、2004年頃から急増 している事が分かります。

男女比と年齢構成
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画像はこちら [3]からお借りしました。
女性専用の物件もあるとはいえ、入居者の69%が女性です。入居者は若者中心ですが、紹介したデータの他、就業形態や年収のデータを見ると、入居者は社会人が半数以上、学生が15%ほどで、年収を見ても必ずしも経済的に困っている人が入居しているわけでは無いようです。

「シェア住居」が増えているのはなんで?
シェアハウスが登場し、増えてきたのは’90年代以降で、2004年ごろから急増するのですが、それ以前と何が変わったのでしょうか?

日本では1970年頃に貧困を克服すると、人々の意識が大きく変化しました。私権(お金、地位)の獲得が第一義ではなくなり、物的な充足よりも、共認充足(人と人との間で、互いに期待に応え合って得られる充足)の方が大きくなったのです。

その後も、生活に余裕が出来た人々は豊かさを追求し、私権第一の価値観は残存しました。しかし、’80年代になると、誰もが私権獲得に邁進し、周りの人たちと共認充足が得られない事に対する疲労や虚しさが募り、私権獲得競争の圧力から逃避した個的生活の充実や、癒しを求める意識が目立ちはじめます。

「シェア住居」が増え始めた時期に目を向けると、
・’90年 バブルが崩壊
・’95年 金融破綻・銀行合併
・’03年 年金破綻・株式二番底

など、この時期には頭の先に残存していた私権第一の価値観を突き崩す様な事象が相次ぎました。2003年ごろには、それまでの様に、貧困を克服しながら私権第一の価値観を保持する事の無意味さが明らかになったのです。その結果、個的生活に逃避する必要性も薄れ、この頃からはドラマでも主人公がルームシェアをしている設定のものが増えました。

[7]つまり、’70年以降、人々の共認収束(共認充足の可能性に向う意識)が強まった事。’90年以降には残存していた私権価値の無意味さが明らかになった事。これが、若者の「個的生活の為の出費は無駄」「共認充足の機会を増やしたい」という意識につながり、「シェア住居」のニーズが年々増えているのです。

共認収束の流れは強まる以上、今後とも地縁の薄い都市部 を中心に、「シェア住居」を求める若者は、少しずつ増えそうですが、その先にはどんな可能性があるのでしょうか

「コレクティブハウス」が注目され始めていることと併せて考えてみたいと思います 😀 (つづく)

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