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家庭の教育と社員(共同体)の教育って繋がってる?!(1)プロローグ~子育て=人を育てるということ

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かつての村落共同体では、闘う大人達の背中こそが子ども達の最良の教師であった
(画像はこちら [1]からお借りしました。)

当ブログ「家庭を聖域にしてはいけない」では、タイトルが示すように、何者も踏み込めない聖域と化した密室家庭の教育機能喪失について追求してきましたが、まだ家庭を持っていなかったり、子どもがいない人にとっては、イメージしづらい面もあったかもしれません。

そこで、今回のシリーズでは、「家庭の教育と社員(共同体)の教育って繋がってる?!」と題し、消費・生殖の場である家庭と生産・闘争の場である企業(共同体)における“教育”の共通構造を追求していくことで、少しでもイメージしやすくすると共に、現在の密室家庭の問題点を改善し、教育機能再生を少しでも実践していくために心掛けるべきポイントを抽出してみたいと思います。

まずは、「るいネット」 [2]より引用します。

「子育て=人を育てるということ」 [3]
 

子育てについて考えました。

会社内に保育所があればいい。
社会と繋がる共通課題がないと物足りない。
役割を子供にも与えなきゃ。。
相談できる相手が近くにいたらいいなあ。
・・・じゃあ、どういう仕組みを作ったらいいんだろう?

形ばかりに拘ってしまって動かなくなってしまいました。
なんかこれって

>社会統合の問題を考えると、すぐに統合様式=(統合を担う)最先端機能に目が行ってしまうが、既にそこに大きな落とし穴がある。・・・実は、最も重要なのは、その統合様式の大前提をなす、置かれた環境を貫く闘争圧力の把握である。(「超国家・超市場論3 置かれた環境を貫く 闘争圧力を把握せよ」 [4]

落とし穴にはまっているなあ、と思いました。

そこで子育てを
「人を育てること」という風に捉えなおしてみました。
すると
「なんだこれはなにも子育てだけじゃないな、今やってる仕事と同じやなー」とすっと入ってきました。

仕事をする上で求められること。例えば、対応の仕方、仕事の段取りの立て方、営業能力・技術を高度化させること・・・などなど色々あるけれども、これは「目の前にいる相手に同化し期待に応えていくこと」やそのために「逃げない、ごまかさない、あきらめない」でいること=圧力を把握し応えていけることがしっかり基盤にあれば、後からいくらでも高度化していけるものではないかと思う。だからまずは、闘争圧力をいかに仲間と共有できるかということを意識する。子育てもそれと同じ。

形ばかりに目を向けて、見えづらくしていた子育て問題。
実は形が問題なのではなくて、すっかり豊かになってしまった現代に、共有できる圧力がなくなってしまったということが最大の問題だったんだということに気が付きました。

確かに・・・一見全く異なる場であるように見える子育ても、社員教育も「人を育てる」という意味で同じであり、本来これらは同一軸線上で一直線に繋がっている(いた)ものなのだということです。
つまり、成長し、最終的に社会に出て仕事をしていく上で不可欠な同化能力、期待に応えていく能力や姿勢、外圧を察知し対象化する能力・・・これらの基盤は、全て本来家庭教育にある(あった)はずです。

例えば、市場化に伴い核家族化する以前の村落共同体では、家庭と仕事は一体であるため、生産活動に伴う闘争圧力(外圧)を一身に背負った親の背中を見、同化(真似)することで、自ずと生きるために必要な能力が身に付いていきました。(改めて“躾”なるものを行う必要も無かったのでは?)

ところが、市場化→核家族化に伴い同化対象が親だけに限定され、外圧を背中で伝えてくれるはずの父親の闘争の場も家庭から引き剥がされてしまいました。しかも、’70年の貧困の消滅によって生産圧力が衰弱するに伴い、父親の活力も衰弱、外圧を見失った父親達は、今や「子育てパパ」「教育パパ」として無圧力の家庭や子どもに同化し、より圧力が掛からないように囲い込んでしまっています。

結果、現在の家庭に残された教育と言えば、親個人の価値観に基づく“躾”や、学歴社会に対応するための勉強・受験課題くらいしか見当たりません。

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(画像はこちら [5]からお借りしました。)

また、仕事とは未明課題の連続であり、皆で協働しながらゼロから答えを作り出してく能力が必要となりますが、その最高の訓練の場であった子供達による「遊び」も失われてしまっています。
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(画像はこちら [6]からお借りしました。)

そこで、本シリーズでは、改めて現在の密室家庭での教育と、社会外圧(や自然外圧)に適応すべく営まれる企業や共同体での教育の在り様を比較してみることで、その共通構造=少しでも現在の家庭教育に応用できそうなポイントを見出してみたいと思います。

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