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幼児虐待が起こるのはなんで?(2) 幼児虐待の実体

今回は、幼児虐待の実態を、ネットのデータを踏まえ分析したいと思います。

虐待の実態を分析する上で、次の項目について調べてみました。

・虐待を行った保護者等の要因
・虐待の連鎖
・虐待を受けた子どもの特徴
・虐待が行われた家庭(家族構成)の特徴
・都道府県別の児童虐待摘発件数

以上の項目から分析を進めていきたいと思います。

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赤ちゃんってほんとかわいいですね
写真はこちらからお借りしました。(リンク [2]

こんなにかわいい赤ちゃんたちなのに、残念なことに幼児虐待事件は後を絶ちません。しっかりこの問題に向き合いしっかり答えを導けるよう追求していきます。

応援よろしくお願いします。

まずは、家庭の環境はどうだったのでしょうか?

参考としたサイトはこちらです。
東京都福祉保険局 [3]
児童虐待の実態Ⅱ [4]

●虐待を行った保護者等の要因

虐待を行った保護者の比率では、実母が約59%と最も多く、次いで実父の約24%となっており、実父母の虐待は全体の8割強と、ほとんどを占めています。

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年代的には、実母の場合は20歳代と30歳代で約8割を占めており、30歳代と40歳代が多い実父に比べて若い年齢層が多くなっています。

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●虐待の連鎖

虐待者の生育暦については、「特になし」と「不明」で全体の約7割を占め、生育歴として決定的な要因は見当たりません。明らかなものの中では「ひとり親家庭」が10.0%、「被虐待体験」が 9.1%、「両親不和」が 7.6%となっています。

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●虐待を受けた子どもの特徴

虐待を受けた子どもの、虐待につながるような要因をみてみると、「特になし」の子どもが約4割であり、虐待につながるような被虐待児の決定的な要因は見当たりません。

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「望まれずに出産」したケースは虐待につながりやすいと言われてきましたが、この調査ではそれほど高い値を示していません。

虐待を受けても、虐待を行った親と同居したいと望んでいる子どもが約23%あり、そうでない子どもの約16%よりも多くなっています。

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●虐待が行われた家庭(家族構成)の特徴

虐待が行われた家族の形態は、実父母と子どもの家族が43.6%と一番多く、次いで、実母と子どもの家族が30.6%、実母と養・継父と子どもの家族が11.7%となっており、全体の傾向は前回調査とほぼ同様になっています。

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世帯構成も、前回調査とほぼ変わらず、二世代家族88.8%、三世代家族7.4%となっています。都全体の世帯に占める三世代家族の割合が11.9%であることと比較すると、三世代家族の割合が低くなっています。

●都道府県別の児童虐待摘発件数

全国の児童虐待摘発件数については、こちらからグラフをお借りしました。好奇心の赴くままに何でも調べるページ [11]

まずは、都道府県別の児童虐待摘発件数(平成17年度版)です。ここで注意したいのは、このデータは「虐待件数」ではなく、児童相談所が相談・対応した案件、いわば「虐待摘発件数」であるということです。

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件数だけで見ると、人口が多い大阪府、東京都、神奈川県などの都心に集中しています。

次のグラフは、都道府県ごとに14歳以下の人口は異なるので、今度は14歳以下の人口に対する児童虐待摘発件数を比率にして表したものです。

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比率で見ると都道府県ごとに大きな差があります。人口比で見ると大阪府で約39%で一番大きいです。一方で東京都は、約21%で大阪府に比べて低い値となっています。

(参考)第一発見者の通告とその中身

第一発見者が虐待に気付き、児相や関係機関に通告した 1,618件のうち、調査の結果「非該当」の数は、 376件で、23.2%ありました。

 「非該当」の数は、「近隣知人」が最も多く、「近隣知人」が第一発見者であったもののうち、42.2%は「非該当」でした。

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まとめ

以上の報告を調べてみて以下のことが問題だと思います。

・核家族化が進み、母親が中心となって子育てを課題として取り組むものの、子育てに悩み虐待に走ってしまう傾向がある。

・地域によって発信する人たちの当事者意識に違いがあるものの、家庭が密室化したことによって、周りがその家庭内で起こっていることがわからなくなってしまっていること。

・マスコミでよく報道されているような虐待者の生育暦があるから虐待に走るとはいえない。むしろこのような報道によって不安を煽っている事が問題。

今回の調査で、少しずつ虐待の実態が見えてきました。

次回も引き続き追求を続けていきます。

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